スマホで簡単に店舗の拾得物管理ができるアプリを作成してみました。
制作の背景
私の所属する会社はショッピングセンターの運営管理会社です。
拾得物とは落とし物を拾っていただき弊社に届けていただいたもののことです。
各ショッピングセンターでは月間数百件の拾得物が受付となるインフォメーションや管理事務所に届けられます。都度、拾得物を受付、在庫管理を行い、落とし主が現れれば引き渡し、一定期間までに落とし主が現れない場合、警察署へ届けています。拾得物は日々状況に変動があったり、短期間保管のため、手書き台帳管理で対応しています。
ただ、担当者の声としてはデータ管理を期待されているため、簡易に登録作業が可能で、担当者で情報共有をタイムリーに可能にできるアプリを検討しました。
拾得物管理の現状
現在は以下の業務がアナログです
1. 拾得物の届け出
- お客さまが拾得物をインフォメーションに持参
- 館関係者が拾得物を管理事務所へ持参
2.受け付けた拾得物の登録
- 日時、場所、品名、特長を登録
- お客さまで謝礼必要な場合や、保管期間終了後連絡必要な場合、連絡先登録
3.拾得物の管理
- 当日は受け付けたインフォメーション・管理事務所で保管。
- 営業終了後、警備室に保管。
4.遺失物問合せ
- WEBサイトからの問合せ(※これはデジタル)
- インフォメーションへの問合せ(来場もしくは電話)
- 警備室への問合せ(電話)
5.拾得物の引渡し
- 持ち主の本人確認ができたものを台帳記入し引き渡し
6.警察への届出
- 落とし主判明しないものは、館で保管し、1週間以内に警察署へ届出。
課題
- 拾得物の管理台帳は手書き
- 台帳に写真無し
- インフォメーション、管理事務所、警備室で情報共有するがアナログ
アプリによるタイムリーな拾得物データ共有化をしたい。
このアプリによる目標・・・「課題」のデジタル化
1. スマホにより即、拾得物データ登録ができる
2. タイムリーに担当者が拾得物情報の共有ができる
使用ツール
Glide
Googleスプレッドシート
アプリ作成
概要の決定
- 管理項目設定
-
現状の遺失物お問合せフォームと共通項目
発生日時
フロア
発見場所
品物
品物の特徴 -
拾得物管理の独自項目
写真
貴重品区分(貴重・一般)
拾い主区分(外部・内部)
経過日数
管理番号
-
スプレッドシート準備
Glide設定・実装
今回は、Mobile・GoogleSheetsを選択しました。
担当者がわかれば良い前提でなるべく簡素に登録できるよう、区分などは選択ボタン式にしてみました。
情報入力画面
拾得物一覧画面
写真一覧画面
貴重品区分画面
スプレッドシート画面
Glideデータ画面
経過日数は計算処理指定しましたので、スプレッドシート管理に出てこなくなりました。
チームでの評価
今回の拾得物データ化は、部、チームで現状解決すべき課題の1つなので、アプリ導入により解決できるか同僚、上司に実際の目線で試していただきました。
同僚Hさん
- デジタル推進を共に担当している。営業経験あり、店の意見収集から拾得物データ化のかだいも情報収集いただいたメンバーの1人です。
- 登録は簡単なのですごくよいです。
- 写真が拡大できると良い。
- 2枚保存できるとポイントカードなどの確認や、ポーチなどの中身を撮影でき詳細確認に便利。
- 引渡完了した確認がわかるようにしたい。
上司Iさん
- デジタル推進とECサイト立ち上げの責任者。館長経験者。
- WEBサイトからの問合せと連動出来ないか?
チームでの評価・課題についての対応
同僚Hさんからの意見について可能なものは対応しました
- 写真登録覧1枚追加、引渡し状況チェックについて管理項目を追加しました
- 拾得物独自項目
写真
写真2【追加】
貴重品区分(貴重・一般)
拾い主区分(外部・内部)
経過日数)
管理番号
引渡(店・引渡・警察・処分)【追加】
- 拾得物独自項目
一覧
写真一覧
貴重品区分
情報追加後スプレッドシート
上司Iさんの課題WEBサイトとの連動について
収録物管理アプリとWEBサイト問合せ時の情報共有が意見の主旨です。ひとまずWEBサイトで情報共有するための照会ページに代用するアプリを作成して運営イメージを確認することにしました。
作成手順
1.拾得物管理アプリの情報項目に「品物分類」項目を追加しました。表示したくないものは「ー」を選択すれば表示されない設定としました。
持ち主の記載があり、表示の必要が無い物などが、「ー」の分類になります
2.Glideで新規アプリを制作、スプレッドシートを共有し、tableレイアウトでGroup by 「品物分類」でソートしました。
3.管理番号でお問合せいただく想定です。以降は持ち主確認でアナログ対応は止む無しと考えています。
あとがき
残課題
- 写真の拡大について、2枚目の写真をアプリ上で拡大して表示させる方法がわかりませんでした。
- 上司Iさんの課題WEBサイトとの連動については照会までは比較的簡易に作成ができました。実務用には、特にお客さまが使用される遺失物照会について、情報開示の安全面検証が必要です。また、Glideでは対応できる仕様の限度もあるので、実務的にはWEBサイトを改修することになると想定します。
今後のステップ
現場担当者の意見を追加で聞き取り、現段階では高評価をいただきました。さらに現場で協議し現場検証可能なレベルまで進めていければ良いと考えています。
セキュリティ面、システムの安全面など会社で使用するには確認課題は多いですが、現場に貢献できるツールにしたいと思っています。最後までお読みいただき感謝いたします。