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【入門】GitHub Copilot Coding Agentで始めるAI開発自動化 ― できること・使い方まとめ

Last updated at Posted at 2025-05-21

今回は、新しく公開された GitHub Copilotの新しい機能「Copilot Coding Agent」について、いろいろ触ってみたので、できることや具体的な使い方をまとめました。

「AIに仕事を奪われる」なんて言われる時代ですが、むしろ「面倒な作業をAIに奪ってもらう」くらいの気持ちで活用していきましょう。

Copilot Coding Agentとは?

簡単に言うと、コードを書いてくれるAIの相棒が、PRまで作ってくれるようになりました。

これまでの Github copilotでは、VS Codeの拡張機能やCodespaceなどエディタを主体として操作していましがが、Coding Agentは、Web UIやチャット経由でも「直接リポジトリを自動操作できるエージェント」になりました。チャットやIssueなどから自然言語で指示し、AIがリポジトリへの自動修正・PR作成まで実行でき、「自然言語での指示からコードの自動生成・修正・Pull Request(PR)作成まで」を一貫して実施できるAIエージェントです。
「あのコード書くの面倒だなぁ…」「バグ修正したいけど原因特定が大変…」という煩雑な手作業を減らし、開発プロセス全体の自動化・効率化を支援してくれます。

歴史

GitHub Copilot Coding Agentは、最初「Project Padawan」(スターウォースファンにはニヤリとくるネーミング)というコードネームで2025年2月に発表されました。そして2025年5月19日のMicrosoft Buildカンファレンスで正式に「Copilot Coding Agent」として公開プレビュー版が発表。これは従来のVS Code内での「Agent Mode」をさらに発展させたもので、GitHubプラットフォーム全体に統合された独立型AIエージェントとなっています。もはや「AI搭載の同僚」と言っても過言ではありません。

利用できるプラン(2025年5月時点)

利用できるプランは以下の通りです。

  • Copilot Pro+(個人/組織向け) → 利用可能
  • Copilot Business(組織向け) → 利用可能
  • Copilot Enterprise(大規模組織・追加の管理/セキュリティ機能) → 利用可能

何ができるの?――主な機能一覧

1. コードの自動生成・修正

  • 指定したリポジトリに、関数やクラス、ファイル、設定などを自動生成。まるで「クリエイト・テーブル」のようにサクッと作れます。
  • 既存のコードに対して、リファクタリングや改善提案を自動で実施。「これ、技術的負債かも…」と思っていた箇所も救済できます。

例:
main.pyに新しいログ出力機能を追加してください」
UserServiceクラスのメソッドをリファクタリングして」

2. バグ修正・テスト自動生成

  • バグレポートやエラー内容を伝えると、該当箇所をAIが特定し修正PRを作成
  • 新旧機能のテストコードを自動生成し、テストの抜け漏れを防止

例:
「APIのバグを修正してテストも追加してほしい」
user.pyにユニットテストを書いて」

3. ドキュメント・コメントの自動生成

  • READMEや関数コメント、APIドキュメントを自動作成・更新。
  • コードの説明文や使い方ガイドも生成可能。

例:
「README.mdを最新仕様に合わせて更新して」
login関数に詳細なコメントを追加」

4. Pull Request(PR)の自動作成・管理

  • 指示内容に基づき、差分を作成して自動でPRを作成
  • PRタイトルや説明文もAIが自動記述し、レビューの効率化

例:
「新機能の追加をPRとして作成して」
「この修正内容でPRを出して」

5. コードレビューと改善提案

  • コードの問題点や改善案をAIがレビュー時にフィードバック。
  • セキュリティやパフォーマンス観点でのアドバイスも可能。

例:
「このPRのコードレビューをして」
「パフォーマンス改善案を挙げて」

使い方ガイド

Step 1. Copilot Coding Agentの有効化

たとえば個人向けのPro+プランでは以下の方法で有効にできます。
[GitHub設定画面でのCoding Agent設定]2025-05-21_Github_coding Agent_01.png
ユーザー設定画面からCoding Agentの有効化や適用範囲を設定できます

Step 2. Copilot Coding Agentにアクセスできる場所

Coding Agentは以下の場所から利用できます。

  • GitHub.com の Copilot Chat(右下Copilotアイコンからアクセス...あのニコニコしたアイコン)
  • Pull Request画面やコード閲覧画面のCopilotパネル
  • VS Code/JetBrainsなどエディタ内のCopilot Chatパネル

必ずしもIssueに書く必要はありません。チャットUIで直接指示してください。

GitHub Copilotチャットインターフェースの例
2025-05-21_Github_coding Agent_03.png
Copilot Chatでリポジトリについて質問したり、タスクを指示したりできます

Step 3. リポジトリやブランチを指定

最初に修正・提案したいリポジトリやブランチを伝えます。「どこで作業するのか」をAIに教えてあげましょう。

「github/hello-worldのmainブランチに新しいエンドポイントを追加して」
「foobar/sample-app の develop ブランチにバリデーションを追加してください」

ポイント:
リポジトリをまたぐ作業や、現在とは異なるブランチの場合は、必ず明示的に「owner/repo」「branch名」を記載しましょう。AIは優秀ですが明示しないと迷子になります...まだね。

Step 4. やりたいことを自然言語で指示

日本語・英語どちらでもOK。
「AIっぽく難しく言わなきゃ」なんて考えず、普段同僚に頼むような感じで要望をそのまま伝えましょう。

「バグを修正して」  
「テストを自動生成して」  
「APIドキュメントを作成して」
「UserServiceクラスのリファクタリングをお願いします」
「READMEを最新仕様に更新して」 

Step 5. AIが自動でPRを作成

指示内容をもとにAIが修正し、PRを作成します。
内容を確認・レビューしてマージします。

Copilotが作成したPRとリファクタリング提案
2025-05-21_Github_coding Agent_04.png

Copilotが自動でリファクタリングを行い、PRを作成した例。修正内容の説明も丁寧です

また、以下のように直接Issueを書いて、Copilotに担当を割り当てることも可能です。
2025-05-21_Github_coding Agent_02.png
新しいIssueを作成し、右側の「Assignees」からCopilotを選択できます

Copilot Coding Agent活用のコツ

  • 要件はできるだけ具体的に!
    ファイル名・クラス名・変更内容を明示すると、意図通りの結果になりやすいです。

  • Issueライクに構造化すると精度UP
    「目的」「背景」「期待する動作」などを箇条書きにするとAIが理解しやすくなります。

  • 小さな要望から試してみる
    いきなり「システム全体を再設計して」とか言わず、まずは「リファクタリング」や「コメント追加」など簡単な指示から始めてみましょう。

  • 大きな修正は小分け推奨
    「全部書き直して」よりも「この関数」「あのクラス」と小さな単位で頼むと失敗しにくいです。

  • 複数の要望も一度に指示できる
    「バグ修正とテスト追加」を同時に依頼できます。

  • 出力フォーマットやコーディング規約も指定できる
    例:「PEP8準拠で書いて」「JSDocコメントを追加して」など。

  • 自動PR作成でレビュー効率UP
    PRの説明文やタイトルも自動生成されるため、レビューやチーム共有もスムーズです。

  • 生成内容は必ず確認・レビュー
    AIによる変更は意図しない影響を及ぼすことも。PR内容は必ずチェックしましょう。

具体的な指示例

新機能実装の指示例

  1. フィーチャー追加

    users-serviceリポジトリのmainブランチに、ユーザーのプロフィール画像をアップロードする機能を追加してください。画像は最大5MBまでのJPEG、PNG形式のみ許可し、S3に保存するようにします。
    (画像容量の制限忘れて炎上したことあるんです...)
    
  2. APIエンドポイント作成

    api-gatewayのdevelopブランチに、商品在庫を検索するRESTエンドポイントを追加してください。クエリパラメータとして商品名、カテゴリ、在庫数の範囲を受け取れるようにします。
    
  3. UI機能実装

    frontend-appのfeature/dashboardブランチで、ダッシュボード画面にデータ可視化グラフを追加してください。Chart.jsを使用して、過去30日間のユーザーアクティビティを表示するラインチャートを実装します。
    

リファクタリング・最適化の指示例

  1. パフォーマンス改善

    backend-serviceのutils/database.jsファイルを最適化してください。特に大量データを扱うfetchAllRecordsメソッドのクエリ実行が遅いので、インデックスを活用するなどしてパフォーマンスを改善してください。
    
  2. コード品質向上

    auth-serviceのsrc/middlewareディレクトリにあるファイルをリファクタリングしてください。重複コードを削減し、より読みやすく保守しやすい構造にしてください。ESLintのルールにも準拠するようにします。
    

バグ修正の指示例

  1. エラー対応

    order-serviceのcheckout処理で「Cannot read property 'id' of undefined」エラーが発生しています。このバグを修正し、未定義値の適切な処理を追加してください。
    
  2. セキュリティ修正

    api-gatewayのauthentication.jsにXSSとCSRF脆弱性があります。適切なバリデーションと防御策を実装してセキュリティを強化してください。
    

テスト作成の指示例

  1. ユニットテスト追加

    core-libraryのsrc/utils/formatter.jsに対するユニットテストをtests/utilsディレクトリに追加してください。全ての公開メソッドに対して、通常ケース、エッジケース、エラーケースのテストを作成してください。Jest使用。
    
  2. E2Eテストシナリオ

    e-commerceプロジェクトのCypressテストに「ユーザーログインから商品購入までの一連のフロー」をテストするシナリオを追加してください。
    

ドキュメント作成の指示例

  1. APIドキュメント

    payment-apiのエンドポイントについて、OpenAPI/Swagger形式のドキュメントを作成してください。各エンドポイントのリクエスト・レスポンス形式、必須パラメータ、エラーレスポンスを詳細に記述してください。
    
  2. READMEアップデート

    microservices-demoプロジェクトのREADME.mdを更新して、最近追加されたキャッシング機能とロギング機能の説明、設定方法、トラブルシューティングセクションを追加してください。
    

GitHub Copilot Coding Agent が利用できる場所

  • 自分のリポジトリ・組織のリポジトリ(権限あり)ならCoding Agentは利用可能
  • 他人のリポジトリは基本不可**(権限があれば例外的に可)
  • チャットUIが主流、Issueからの直接利用は今後拡大の見込み

リポジトリの種類別

リポジトリの種類 利用可否 備考・条件
自分のリポジトリ 〇(利用可) 対象リポジトリに**書き込み権限(Write権限)**が必要。
組織のリポジトリ 〇(利用可) 組織リポジトリでも書き込み権限があれば利用可能。組織のCopilot有効化+必要なプランも要件。
他人のリポジトリ △(基本的に不可) 書き込み権限があれば利用可能だが、通常は権限がないため不可。PublicリポジトリでもPR作成等は不可。
コントリビュート権限のみ △(限定的に可) コントリビューターとして書き込み権限が付与されていれば可。PR作成権限が必要。

指示方法別の違い(チャット vs Issue)

指示方法 利用可否・条件
Copilotチャット **対象リポジトリに「書き込み権限」+必要なCopilotプラン(Pro+/Business/Enterprise)**があれば利用可能。
Issue (2025年5月時点)Issueから直接Coding Agentに指示できるかは機能のロールアウト状況による。
一部のユーザー・リポジトリで「IssueからPR作成」のような体験が可能な場合もあるが、基本はチャットからの指示が主流。
  • 必須条件
    • Copilot Pro+/Business/Enterpriseプランの契約
    • 対象リポジトリに「書き込み権限(Write)」が付与されていること
  • 他人のリポジトリ(Public含む)
    • 普通は書き込み権限がないため、Coding Agentは利用不可(フォークして自分のリポジトリで使うことは可能)
  • 組織リポジトリ
    • 組織側でCopilot有効化+自分に権限付与が必要
  • Issueからの操作
    • 現状はチャット経由の利用が確実。Issueから直接エージェントを呼び出す機能は順次展開中。

注意点

  • 対象リポジトリやブランチの指定は忘れずに。AIに「どこで」作業するのか教えてあげないと迷子になります。
  • AIの提案内容は100%正解とは限らないので、必ずレビュー・テストしましょう。

まとめ

GitHub Copilot Coding Agentは「開発の自動化・効率化を加速させるAIパートナー」です。
自然言語で指示を出すだけで、修正・追加・テスト・ドキュメント化・PR作成までをワンストップで自動化できます。

ぜひ皆さんも、日々の開発現場でCopilot Coding Agentを活用して、よりスマートな開発ワークフローを体験してみてください。

関連リソース

公式ドキュメント

解説リソース

コミュニティリソース

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