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UiPath Studio - AmazonWebServicesパッケージを使ってS3バケットにアクセス

Last updated at Posted at 2023-08-18

はじめに

AWSの普及に伴い、システム開発・運用の様々な場面で開発や運用が発生しているかと思います。
伴いRPA化したい要望も多くあるかと思いますが、当記事ではUiPathが用意しているAmazonWebServicesパッケージを使ってS3バケットにアクセスするごく簡単なサンプルワークフローをご紹介します。

前提事項

AWS側の設定詳細については、当記事で詳細を触れず、以下が事前に準備されていることを想定しています。

  • S3バケットが作成されていること。
  • IAMユーザー発行およびそれに紐づいてアクセスキー作成がされており、アクセスキーIDシークレットキー を控えてあること
  • 上記IAMユーザーに該当S3バケットアクセスに必要な権限ポリシーが付与されていること

AmazonWebServicesパッケージの利用

当記事で利用しているパッケージバージョン:UiPath.AmazonWebServices.Activities 2.5.0

今回実装する流れ:S3バケットに保存されているファイルを端末ローカルにダウンロードする
image.png
↓ ↓ ↓
image.png

0. ワークフロー全体像

AmazonWebServicesパッケージは、既定ではStudioに入っていないため、Studioの「パッケージを管理」メニューより予めインストールしておきます。
image.png

ワークフロー全体像は以下のようになっており、「1. 各設定の準備」と「2. S3バケットにアクセス」部分に分けて紹介します。
image.png

1. 各設定の準備

複数代入 アクティビティを用いて必要な情報を変数に設定しておきます。
image.png

変数 説明 備考
アクセスキーID IAMユーザーのアクセスキーに紐づいたアクセスキーID
シークレットキー IAMユーザーのアクセスキーに紐づいたシークレットキー
シークレットキー_SecureStr シークレットキー変数を用いたSecureString型オブジェクト (※)型変換の記述は表の下に記載
AWSリージョン 該当のリージョンを設定 AWSリージョン一覧
バケット名 アクセスしたいS3バケット名
ダウンロードフォルダー ダウンロード先フォルダー

(※) サンプル:String型のSecretKey変数を元に、SecureString型に変換

(New System.Net.NetworkCredential("", シークレットキー)).SecurePassword

2. S3バケットにアクセス

アマゾンウェブサービススコープ

「アマゾンウェブサービススコープ」アクティビティで認証情報を設定し、スコープ内で各アクティビティを実装していきます。
image.png

バケットを取得

S3バケットにアクセスするため、バケット名を元にAWSS3Bucketオブジェクトを取得します。
image.png

繰り返し(バケットの各オブジェクト)

S3バケット内の複数ファイルをアクセスするため、「繰り返し(バケットの各オブジェクト)」アクティビティを利用します。
対象のS3オブジェクト1つずつを s3Objectインスタンスとして処理をします
image.png

繰り返し内:オブジェクトを取得

「オブジェクトを取得」アクティビティで、各s3ObjectのKeyName(名前)を元にAWSS3Bucketオブジェクトを取得します。
image.png

繰り返し内:オブジェクトファイルにダウンロード

「オブジェクトファイルにダウンロード」アクティビティで、s3Objectとして保存されている対象オブジェクトをダウンロードし、端末ローカルにファイルとして保存します
なお、ファイル名はS3に保存されたファイル名(s3ObjectのKeyname)とします。
image.png

参考

各アクティビティに必要なパーミッションは以下のリンクで参照できます
https://docs.uipath.com/ja/activities/other/latest/it-automation/aws-permissions-list

当記事ではS3バケットにフルアクセスのある FullS3Access ポリシーを該当IAMユーザーに付与していますが、実運用では必要に応じて権限を適宜制限ください。

おまけ:Orchestratorのアセット機能でよりスマートに

上述では、個人が簡単に始められるようシンプルなワークフローをご紹介してきました。
ただし、複数人でのRPA利用や企業内の展開などにおいては、認証情報をより安全に共有しやすくしたいニーズがあるかと思います。Orchestrator環境があれば、その一ソリューションとしてOrchestratorのアセット機能を利用して実現することができます。

Orchestratorアセットの設定

当記事では、Cloud版Orchestratorのアセット機能を使っていきます。また、Studioが対象Orchestratorに接続されていることを前提としています。

Orchestratorの対象フォルダーから、[アセット]メニューを選択して、[アセットを追加] します
image.png

種類=Credentialを選択することで、認証情報「パスワード」の値が安全にSecureStringとして保存されます。ユーザー名=アクセスキーID、そしてパスワード=シークレットキーを設定します。
image.png
image.png

ワークフローから認証情報を取得

上述でご紹介したワークフローに「認証情報を取得」アクティビティを加えて、準備されたアセットを取得し、S3にアクセスします。
「アクセスキーID」と「シークレットキー_SecureStr」変数を代入で設定するのではなく、「認証情報を取得」アクティビティの出力として設定します。なお、アセットが用意されているOrchestratorの対象フォルダーにStudioが接続されている必要があります。
image.png

ワークフローの最終形
image.png

この実装によって認証情報そのものを各ワークフローで扱う必要がなくなり、より安全に複数人での開発でも展開しやすなります。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回は簡単なアクセス方法をご紹介しましたが、AmazonWebServicesパッケージでは、以下のように豊富なアクティビティが用意されているので、必要であれば確認してみてください。
https://docs.uipath.com/ja/activities/other/latest/it-automation/aws-activities

UiPathのSaaSクラウドを利用されている方は、当記事で紹介した方法に加え Integration ServiceAmazon Web Services コネクタ で管理されるコネクションも使用できるようになりました。
Integration Serviceを利用すれば、認証されたコネクタを複数ロボット・ユーザーに共有するなどより楽にRPA実装をすることができます。

RPAを上手に活用してより生産的な生活をしていきましょう!

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