はじめに
SAP Activate認定(C_ACTIVATE13)というプロジェクトマネージャ向け認定をBASISエンジニアの私が取得しましたので、取得までの勉強方法等を共有します。
#前提
- 本記事はSAP BASISエンジニア向けです。SAP アプリケーション担当者やPMの方には当たり前のことも含みます。
- SAP用語を含みますが、SAP技術者に一般的と思われるものは説明を省略しています。
- 教材は英語のみです。
- 勉強方法はもっと簡単なものがあるかもしれません。
- 個人的な感想や主観で書いています。
#SAP Activateとは?
SAP S/4HANA実現化のためのプロジェクトマネージメント手法であるSAP Activateは次のものを含んでいます。
- 導入方法
- 新規導入: 新規にS/4HANAを導入
- Conversion: S/4HANA以前のバージョンからバージョンアップ。S/4HANA化によるデータ構造の大幅な変更に伴い、コンバージョンと呼ばれる対応が必要
- Landscape Transformation: 移行先のS/4HANA環境を新規、または、データが入っていないバージョンアップ済環境(Shell)を用意し、全てもしくは一部のデータを別途用意したS/4HANA環境にデータ移行する手法
- 導入先
- オンプレミス: 一般的なオンプレやSAP社が認定したクラウドでのIaaS利用
- クラウド: SAP S/4HANA CloudといわれるSAP提供のクラウド
- 手法:
- SAP Best Practice: 複数のビジネスシナリオ実現するための一連のカスタマイズをSAP社が提供したものを利用し導入
- Guided Configuration: S/4HANAのカスタマイズを支援するツール。S/4HANA Cloudとオンプレミス版で提供されるツールが異なる
- One Methodology: プロジェクト実現化手法。この手法でWaterfallからアジャイル開発、オンプレミス導入からクラウド導入までをカバー
#使用した教材
SAP Pressから出版されているSAP Activate Project Management Certification Guide を使用しました。残念ながら英語版しかないですが、例題が充実しており、読み進めていくと理解が進んでいきます。
#勉強期間
土日の空き時間を使って週4時間ぐらいで3か月かかりました。
合計すると50時間ぐらいです。
前提知識がある方や英語が得意な方はもっと短期で行けるかと思います。
#勉強方法
私には初めての内容が多かったので、地道ですが次のように進めました。
- SAP Activate Project Management Certification Guideの一章分を読む
- 例題を解いて、不明な部分を見直す
- 出てきた内容を文書としてまとめてみる
- SAP Best Practiceなどガイドに出てきたツールは、対象サイトの確認や各種ブログを検索して、どんなものかを具体的に理解してみる
- scrum手法などの利用されている手法は、わかりやすい日本語のサイトを探して勉強してみる
- 章ごとに繰り返して、最後の演習問題まで進める
- 一通り勉強して認定試験を受けて、不合格なら不得意分野を見極める
#学んだこと(BASISエンジニアとして取得する意味)
BASISエンジニアとしても非常に有用な内容でした。S/4HANA実現化のプロジェクトマネージメントを担当する機会はないと思いますが、プロジェクトの全体像を理解することができそうです。
- コンサル等が提供する全体スケジュールの背景を勉強した知識に照らし合わせることができます。
- どのタイミングでBASIS側での環境準備が必要かを理解することで、アプリ側とのスケジュール調整のネタができます。
- 複数の移行手法について、アプリやPMとの話をすることができます。※SAP Activateで出てくる進め方や用語が違う場合には、ベンダ独自の手法を使っていたり、手法がカスタマイズされていることがわかり、注意が必要なことがわかります。
この辺り、かなり主観を含んだものなのですが、BASISエンジニアとしても取得する価値の高い認定で、チャレンジして損はありません。