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【銀座Rails#26 LT登壇】江上「 大量データでもサクサク動くRailsになるために」

Last updated at Posted at 2021-01-28

##【銀座Railsとは?】
リンクアンドモチベーションが支援をする技術コミュニティです。リンクアンドモチベーションでは、技術コミュニティの支援を通して、エンジニア同士のコミュニティ形成や活性化、Railsについての知識を交換することでエンジニアの技術の進歩に貢献したいと考えています。

今回は銀座Rails#26 に登壇をした弊社テックリード 江上のLTをレポートします!

リンクアンドモチベーションのテックリード 江上について

2018年12月にベンチャー企業からリンクアンドモチベーションに転職。現在はテックリード兼エンジニアリングマネージャーとして活躍中。最近の趣味は、料理。新型ウィルスの影響で自宅で過ごす時間が増えたことをきっかけに、各国の料理に挑戦中。稀にピザがうまく膨らまなかったりと苦戦している。

👇 江上の関連記事
キャリアのスタートは、大手グルメサイトの「食べログ」。フルスタック、テックリードを経験してきた江上がLMの開発組織を語る

##1.モチベーションクラウドによる大手顧客対応
リンクアンドモチベーションでは、これまでの組織人事コンサルティングのノウハウをもとに開発した、「モチベーションクラウド」というサービスを提供しています。

__「モチベーションクラウド」は、6,620社、157万人のデータベースから組織状態を診断し、組織改善に活用できる国内初の組織改善クラウド__です。こちらのサービスのエンタープライズ顧客対応において、Railsアプリの性能改善を実施しましたのでレポートします。

今回は、主にエンタープライズ顧客対応の概要と、銀座Railsという場なので、その際にRailsの書き方の工夫で対応した箇所をみなさんにご紹介したいと思います。

私たちは、主に3つの施策を試みました。まず初めに行なったのは__「UXの変更」__です。これまでベンチャー企業のお客様を中心に展開していたことから、お客様から求められるポイントとして「簡単に使える」「見た目がかっこいい」という点がありました。しかし、お客様が大企業や公的機関のようなエンタープライズになると、デザイン性よりも操作ミスが起きにくいという点が重視されるようになりました。そのため操作ミスが起こりづらいデザインや機能の開発に重点を置いてプロダクトを改修していきました。

次に__「セキュリティレベルの向上」__に取り組みました。ベンチャー企業を対象にした時、セキュリティとして問題がなければ導入を決定してくれる企業も多かったのですが、エンタープライズなどの大手企業様の基準では、Excelファイル数十枚におよぶセキュリティチェックシートが用意されています。それらの項目に全てチェックが入らないと導入ができない場合が多いので、大手企業様の基準に沿った、ハイレベルなセキュリティを実現させる必要がありました。

最後は__「パフォーマンス向上への取り組み」__です。これまでは、一企業あたり数百人規模のユーザーが利用することを目安に開発をしてきましたが、数万人のユーザーが利用してもスムーズに動くことが必須のため、早急にパフォーマンスの向上を図る必要がありました。

▼お話しした内容の詳細はQiitaにまとめましたのでそちらをご参照ください!
SaaSでRails使うなら知らないとまずい!!Railsで一括処理するときに遅いコードと対策5選

パフォーマンスの向上と言っても、その課題は様々です。アーキテクチャの変更などで対応したケースもありますが、__今回はRailsのコード部分である「非効率な書き方」__についてお話しします。

2.パフォーマンス改善を実際に試行しての所感と今後の課題感

今回、パフォーマンス改善にかけた期間はおよそ9ヶ月間ですが、__数千人が使用すると遅いと感じるアプリケーションだった状態から、5万人の顧客までスムーズに処理できるように改善__することができました。

APIに関しては、改善前は11個ほど動きませんでしたが、改修後はそれらが問題なく動くようになりました。また、改修後のAPIは平均で20倍ほど速くなりました。

また、非動機のバッチは3つ動かないものがありましたが、それも無事に可動し改修後のバッチは平均で11倍速ぐらいになりました。それぞれのパフォーマンスをさらに局所的に見てみると、100倍速くなったというものもいくつかありました。

9ヶ月間のパフォーマンス改善で感じたことは、結局コードの部分だけで解決できる問題は少ない__ということでした。「Railsのコードを変える」ということ以外にも、仕様や設計を変えるなどの対応が必要になる__といった課題が浮き彫りになりました。

例えば、__性能を改善する前はN+1の問題が大量__に出ていたので、それが原因だと思い改修のための工数を甘めに見積もっていたところがありました。しかし、結果的にはDB設計の変更をしなければならないケースが3割ほどあり、全体の工数としての5割以上を占めていたため、目に見えるものだけが、全てではないなと感じました。

こうした経験を踏まえても、コードだけで解決できるケースは稀なのかなと今では思っています。また、設計を変えるよりも、仕様を変える方が大変だと感じています。SaaSということもあり、仕様変更をするとなると、各所への連携やお客さんへの伝達が多くなるので、その点はかなり大変でした。開発初期からpagingをしっかり設計するといったような、想定できることは早期に対応することがとても大事だと実感しています。

さて、最後になりますが、モチベーションクラウドは日々アップデート中です。現在、1万人以上規模の大企業のお客様への導入が加速しています。ベンチャー企業を中心にサービスを展開してきましたが、エンタープライズ領域に進出しておりプロダクトの成長フェーズです。

##3.最後に「私たちは最近こんなことやっています!」

・パフォーマンス劣化が起こらないようにdetadogでRUMでの監視
・pdfの生成処理をlambdaに移設
・マイクロサービス化したりなどデータレイク構築
・非同期処理をバッチサーバーからworkerに移行
・アーキテクチャの見直し
・ElasticSeachの使用やデータマート構築の検討

少しでもご興味がありましたら、ぜひカジュアルに情報交換をさせてください!

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