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はじめに

こんにちは、リンクアンドモチベーションでテクノロジー職種の採用責任者をしています@entrylmi(尾上)です。
この記事は、モチベーションクラウド Advent Calendar 2021の2日目の記事となります。

現在リンクアンドモチベーションは、Tech化に向けて第二創業期を迎えています。
弊社プロダクトであるモチベーションクラウド及び新規プロダクトの更なる開発体制の強化に向けて、約3年前にエンジニアをはじめとするテクノロジー職種の採用を本格的に推進することにしました。
この数年間で何百人ものエンジニアの方々にお会いしてきましたが、エンジニア採用って本当に難しいなと感じる今日この頃です。

昨今のエンジニアの有効求人倍率を見ても、他職種と比べ圧倒的に高い数値を誇っており、どの企業もエンジニア採用に苦戦されているのではないかと思います。
せっかく素晴らしいエンジニアと接点を持ち内定に至っても、「ごめんなさい、他社に行きます!」と言われた時のショックの受け方と言ったら、「ぐぉーーー、立ち直れない・・・」と、採用担当者でないとわからないような辛みだと思います。
母集団を増やす活動も重要ですが、自社にマッチしたエンジニアの方々(内定者)に入社してもらうことがより重要だと個人的には感じています。

僕自身、元々エンジニア採用どころか、採用もやったことのないド素人でした。それ故に、採用なんてものは、気合いと根性と熱意で何とかなるものだと本気で思っていました。。
「弊社の強みは、人だー!、この人たちと話してもらえれば、魅力を感じて入社頂けるはずだー!」と思い、内定者との会食の場を設定し、様々な職種の社員に参加してもらい、仕事や人の魅力を熱く語ってもらいました。
恋愛で言うと、色々な異性から告白されている人に、「僕が一番好きです!、僕はこんな車に乗ってて、顔も比較的イケてると思うので、付き合ってくださいー!」と伝えていたのと変わらないと思います(笑)
今思えば、何て自分本位だったかと反省しています。

結果的に、その熱量に応えてくださったエンジニアの方もいますが、辞退頂くことも多かったです。(入社してくれた弊社エンジニアの皆さんには感謝(涙))

そこから真剣に内定承諾を頂くための方法について考え、「自分本位の伝え方はやめよう、採用したいというのは僕らのエゴでしかない、人材を扱う企業として、その人の最適なキャリアを一緒に考えよう」と思いました。結果的に、うちではなく他社の方がその人にとって良いキャリアや人生となるのであれば、その選択を応援しました。
他社よりも自社を選択してもらった方が良いと感じた場合は、自社を選んでもらうようにコミュニケーションを設計をしています。

前置きが長くなりましたが、その方法を以下に記載します。

想定する読者

  • エンジニア採用担当者(特にこれからエンジニア採用を行う担当者)
  • エンジニア採用に関わるエンジニア・エンジニアリングマネジャー

候補者様を理解する

候補者様の転職理由やそれに紐づく選社軸をヒアリングし、候補者様と一緒に整理します。ポイントとしては、その軸がMustなのか、Wantなのか、Wantの中でも強なのか弱なのかを候補者様と擦り合わせることが重要になります。
選社軸は、主に4つのカテゴリーにわけることが出来ますが、必要に応じて追加していきます。
4つのカテゴリー(4P)
・Philosophy: 理念・目的
・Profession:仕事・事業
・People:人材・風土
・Privilege:特権・待遇

ちなみに採用コンサルティングのポテンシャライト社では、「6P+CGM+tech」で整理されていますので、こちらも参考にしてみてください。

特に重要なことは、なぜその選社軸の重要度が高いのかを深ぼることだと思います。何となく軸の優先度を決められている候補者の方も多い為、なぜこの選社軸が大事なのか、その現体験はどこにあるのかを繰り返し聞くことにより精度が上がっていきます。

他社状況を理解する

冒頭にも記載させて頂いた通り、魅力的な候補者様は各社と採り合いになります。ほとんどの候補者様は、複数社受けられており、他社よりも自社を選んで頂く必要があります。そのためにもしっかりと他社状況を理解することが重要になります。
他社状況を理解する観点は以下になります。

  • 選考スケジュールと選考ステータス
  • 他社との接触頻度、接触者
  • 他社含めた意向度
  • 選社軸の中でどの部分が他社への興味度が高いか
  • 他社のどのような部分に惹かれて興味度が高いか
    例)他社の方がフロントとバックの両方を経験できる等

他社情報は生ものであり、適宜変わってきます。よって、情報をベストタイミングで収集できるよう、候補者様との関係性はもちろん、エージェント担当者との関係性を日々日頃から高めておくことを心がけています。

メッセージを届ける

採用活動はメッセージの届け合いです。上記で記載した、選社軸と他社の情報をマトリクスで整理し、他社との同質化、差別化ポイントを明確にした上で、「誰が」「何を」「どのように」を設計します。

①同質化ポイント

選社軸の中でも、特に「Must」「Want強」に関して、他社に負けている部分があるのであれば、マイナスをゼロにする同質化をします。自社からの情報が候補者様に正しく伝わっていない可能性があるので、候補者様が重要視しているポイントを具体的に伝えるようにします。
「Must」「Want強」の中で、他社と同質化出来ないケースもあります。その場合は、「Must」を「Want強」、「Want強」を「Want弱」に変えるためのコミュニケーションが必要になります。

②差別化ポイント

同質化した上で、他社と比べて自社の方が差別化できるポイントがあるのであれば、その内容を伝えます。「Must」「Want強」の領域で差別化ができれば、他社を圧倒することができるので、採用担当だけではなく、エンジニア交えて議論することが重要になります。

③誰が/何を/どのように

同質化、差別化の上で、伝えるべきメッセージを整理し(何を)、そのメッセージを誰から伝えるのが効果的なのかを考えます。現場エンジニアからの方が良いのか、CTOからの方が良いのか、新卒か中途入社からなのかなど、メッセージによって変わるため伝える人を厳選します。
更にはどのような方法でメッセージを届けるべきかを決めます。チャットが良いのか、手紙が良いのか、面談が良いのか、対面かリモートか、オフィスかお店か等、様々な選択肢があるかと思います。
「何を(メッセージ)」の内容ももちろん重要ですが、それと同等に「誰が」や「どのように」も重要になると感じています。

おわりに

採用は目先の数字(採用目標)を追いかけがちになる事もあるかと思いますが、良くも悪くも候補者様の人生やキャリアを変えてしまう可能性があるため、候補者様がベストな選択をできるように支援することがとても大切だと感じています。もし、自社を選んで頂けない場合でも、他社の方がその方にとって良きキャリアを歩めるのであれば、私自身、全力で応援したいと感じる日々です。逆に自社を選んでくれた方々には、その方のキャリアがより良くなるよう、様々な観点からサポートしていきたいですね。

この記事では、伝えきれないことも沢山ありますので、ご興味をお持ちいただいた方はこちらにご連絡頂けると幸いです。

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