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なぜ我々はアウトプットをするべきなのか

Last updated at Posted at 2020-09-30

はじめに

エンジニアには、アウトプットの文化があります。
僕自身、社外でLTメインの勉強会を2年近く運営していました。

みなさんも日頃から大小さまざまな形でアウトプットをされていると思います。

ですがそのアウトプット、「エンジニアだから」「みんながやっているから」「なんか良さそうだから」といった、なんとなくの理由でやってはいませんか?

どんなことにも言えることですが、目的意識があるかないかで得られる成果は大きく変わってきます。
アウトプットの目的、つまりはメリットを理解することで、アウトプットから得られる成果はより大きくなります

今回はその「アウトプットで得られるメリット」について、経験を少し交えつつ、お話ししていきます。

なぜアウトプットするべきか

それはアウトプットに多くのメリットがあるからに他なりません。
その中でも、僕が特に大きいと感じるメリットはこの4つです。

  1. インプットの質を上げられる
  2. 「伝える力」が向上する
  3. セルフブランディングができる
  4. 価値のレバレッジができる

以下、それぞれについて解説します。

1. インプットの質を上げられる

アウトプットとはインプットでもあります。

「ん?どういうこと?」と思うかもしれません。
その理由を2つに分けてお話しします。

記憶の定着

エンジニアであれば、日頃からいくらかのインプットをしていると思います。
ただそのインプット、揮発的なものになっていませんか?
「確かにインプットしたけど、忘れちゃった」そんな経験が僕にもあります。

記憶を定着させるためにおすすめの手段は2つ、「使うこと」と「人に教えること」です。

まず「使うこと」、実際に業務などで使うことで、記憶として定着させることができます。
しかし実際には、インプットしたものすべてを使う機会はなかなかありません。
なので、自分で何かを作ったりすることで「使う」機会を作ります。

次に「人に教える」です。

「ラーニングピラミッド」をご存知でしょうか。
7つの学習方法を学習の定着率順に並べたものなのですが、そのうち最も効果的とされているのが、「人に教える」です。
image.png

人に教えることでの記憶の定着率は90%と、非常に高いです。
積極的に覚えたいことがあれば、人に教えることがおすすめです。

知識の確実性が増す

仮に技術の知識があったとして、「自分しか知らない情報」と、「多くの人の目に触れ、フィードバックを得ている情報」のどちらに確実性があると思いますか?

言わずも、後者であると言えるかと思います。

公開してフィードバックを受けることで、その知識はより確実性を得ることができます。

2. 「伝える力」が向上する

アウトプットでは、自分の持っている知識・スキルを言語化し、相手に伝わりやすい形にする必要があります。
つまり、「伝える力」が強く求められます。

誰にも伝わらないアウトプットは、対外的には価値がないも同然です。

「伝える力」は、仕事・日常において大いに役立ちます。
例えば、「なんて言えばいいんだろう」と仕事などで少しでも思うことがあれば、それは伝える力が不足している証拠です。

どうやったら相手に伝わるか考えてアウトプットをすることで、「言語化」「伝わりやすくするために相手に寄り添う考え方」が養われ、「伝える力」の成長に大きく役立ちます。

また、LTなどで人前で話す能力も「伝える力」の一つです。

自身運営していたLT会では、登壇や、司会を担当するなどしていました。
始めた当初は人前で話す技術や自信など全くなく、なかなか精神的に応えるものがありました。

ですがやっていく中で、人前での話し方、登壇者との対話の仕方といった、「伝える力」が確実に成長していきました。
LTは他のアウトプットと比べて心理的ハードルが高い分、達成感と経験値が段違いです。

3. セルフブランディングできる

アウトプットは、自身のブランドを作るための手軽な手段の1つです。
このブランディングとは、「エンジニアとしての能力を誇示する」ことを指します。

現在、自身のエンジニアとしての「ブランドを表すモノ」はありますか?
投稿した記事、公開しているコード、サービスなどがそれに該当しますが、大したものがない場合、それは「ブランドがない」ということです。

それがどう困るのか。
例えば、仮に転職するとします。

採用担当者にあなたのエンジニアとしての能力を伝える必要がありますが、「ブランドを表すモノ」が少ない場合、その手段は「直接話すこと」に限られます。

そのため、あなたは口頭で多くを伝える必要があります。
ここで漏れなく伝えるのは、簡単なことではありません。

できなかった場合、実際の能力より低く評価されてしまうということになります。
さらに先ほどの「伝える力」が乏しい場合は、なおの事です。

そうならないように、アウトプットをすることでブランドを創り上げていくのです。

これは会社内での評価においても似たようなことが言え、ブランドは上司が成果を評価する上での指標の1つになります。

ただ気をつけなければならないのは、より組織や社会に良い影響を与えたアウトプットほど評価されやすいという点です。

セルフブランディングという目的においては、アウトプットの質を強く意識する必要があります。

4. 価値のレバレッジができる

インプットで得た知識は、アウトプットによってその価値をレバレッジすることができます。

例として、「開発を効率化するVSCodeのショートカットキー」について学び、それを社内10人に向けてアウトプットしたとします。
全員がその知識を業務に活用すれば、会社から見たその知識の価値は10倍になるというわけです。
image.png
あなたがその成果を上司にわかりやすく伝えることで、評価にも繋がります。

パブリックなアウトプットであれば、ちょっとした社会貢献です。

業務を減らせる

自分の知識を共有することで、自分の業務を減らすことができます。

僕は最近「コードレビューで気をつけること」に関する記事を投稿しました。
これはもともと「社内のコードレビューの形をある程度揃えて効率化する」ために書いたものです。

チームに共有した結果、業務においてコードレビューのコストが減り、自分自身も楽ができています。

同じことを何度も伝えていると感じたら、それはアウトプットのチャンスです。
形として残し、誰でもいつでもアクセスできるようにすることで、業務の効率化が見込めます。

まずなにをするべきか

メリットについては以上ですが、現状アウトプットの習慣がない方は「まずはどうしたらいいの?」と思われるかもしれません。

そんな方に向けて、僕がおすすめする具体的なアクションは以下の2つです。

1. とにかくインプットする

まずはインプットです。
インプットなくしてアウトプットはできません。

Qiita、Zenn.dev、はてブ、Twitter、RSSなど、調べれば様々なインプットの手段があります。
今回「アンテナの張り方」については詳しく書きませんが、Qiitaを利用されている方に1つおすすめの方法があります。

それはストック機能を活用することです。

Qiitaには自分がストックした記事から検索することができる「ストック内検索」という機能があります。
名前の通りの「自分のストックした記事から検索できる機能」で、とっても便利なのですが、あまり知られていないように感じます。

例えばですが、僕は以下のような記事をストックします。

  • アウトプットに使えそうな記事
  • 業務でたまに使えそうだけど忘れちゃいそうな記事

そういったものをストックすることで自分専用の備忘データベースが完成します。
あとは「ストック検索」を使えば、いつでも簡単に情報として取り出せるというわけです。

また、アウトプットをしようと思った時には「ストック一覧」が題材探しの手助けになります。

Qiitaの記事は、少しでも気になったらとりあえずストックすることがおすすめです。

2. 小さく始める

アウトプットのメリットは十分伝わったと思いますが、「自分はビビリだから」とか「人に教えられるだけの知識なんてない」という方もいらっしゃると思います。

たしかに大人数相手にアウトプットをするのは心理的ハードルがありますし、1記事、もしくはLT1回分の情報をまとめるのは、なかなか骨が折れます。

そんなときはは、まず小さくアウトプットすることから始めてみましょう。

例としては、Twitterや会社のチャットなどでの発信がおすすめです。
まずは身内に向けてアウトプットすることで成功体験を積み、徐々に範囲を拡大していきましょう。

まとめ

以上のように、アウトプットには自分、組織、社会にとって多大なメリットがあります。
また、習慣がない方も小さく始めることで、いずれ大きな資産になっていきます。

この記事が、「なんとなくのアウトプット」から「目的のはっきりした質の高いアウトプット」に変えるきっかけになれば幸いです。

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