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"専任不在"の会社で奮闘する、情シス業務委託エンジニアの心得

Last updated at Posted at 2024-11-09

はじめに

巷では、「仕事の進め方」に関するノウハウはたくさんあるので、その中でも「情シス専任がいない会社で、情シス担当者として業務委託で働くとき」に私が気をつけている点をまとめました。

したがって、本投稿は情シス専任の責任者がいない会社で、業務委託として情シスをしている人を想定読者としています。

表現に関する補足)本投稿においては、以下の通りで表現しています。

  • お客様:業務委託として参画している先の法人、会社そのもの
  • 担当者:お客様の中で情シスの業務をしていて、業務で普段関わっている方

3行にまとめると

  • 業務委託を呼んでる会社は忙しい
  • 忙しい人の負担にならないコミュニケーションを取ろう
  • お客様の会社・担当者の様子に敏感になろう

本題に入る前に、そもそも業務委託を呼ぶ会社はどういう状況なのか?

気をつけていることを書く前に、そもそも情シス担当者を外部から呼ぶ会社はどういう状態なのかを整理しました。経験上、多くの場合は

  • 入社にともなうアカウント発行やPCセットアップ、日々の問い合わせ業務が増えてきて、捌ききれない。さらにセキュリティを強化していきたいが現状維持で手一杯
  • だからと言って、手順書を整理して派遣社員やアルバイトに業務を切り出す余裕もない
  • そのうえ、本当は正社員を雇いたいけれど、どんな人がいいのかも分からなかったり、面接をしてもピンとくる人が応募してくれない

という状況です。

そんな状況で呼ばれた我々は、少しでも上記課題が解消できるように動く必要があるわけですが、具体的に何を気をつけるべきなのか?

任されたプロジェクトや業務を責任を持って進めることは前提として、わたしが日々気をつけていることを整理しました。

コミュニケーション編

投げ返しやすいようにボールを投げる

「そもそも業務委託を呼ぶ会社はどういう状況なのか」で記載した通りで、そもそも担当者には情シス業務とは別に主務があります。その業務のかたわら情シスに関わる業務を対応・判断しているわけです。

そのため、その担当者の主務の邪魔をしないように、1秒でも主務に集中できるように我々は行動すべきと考えています。そのためには具体的には以下の2点を意識しています。

①依頼事項があるときは、相手への要望・期日を明確にする

遠慮して行間を読んでもらおうとするのは、忙しい人を相手にしている我々にとっては悪手です。意味のわからない依頼は後回しにされやすいですし、考える時間を与えてしまい負荷になってしまうからです。

依頼を投げる前に、改めて何をして欲しいのか、いつまでに対応して欲しいのかを整理した上で依頼をするように心がけています。

②相談事項があるときは、判断できるだけの材料を全て集め整理する

何か判断して欲しいことがあるときは、「もし自分が判断するならどんな情報が欲しいのか?」という視点で情報収集・整理したうえで相談するようにしています。

細かいすり合わせが必要そうな場合は、テキストコミュニケーションではなく議論できる時間を別途準備し、その時間内で結論を出せるようにします。

テキストコミュニケーションは、非同期であるがゆえに「話を思い出す」という作業が生まれがちです。まとめて時間をとって同じ情報量にしてその場で結論を出せるようにすることで、お互いの負担を減らせます。

相手の理解度・立場に合わせた説明をする

担当者は情シス専任ではないため、ITにあまり詳しくない場合が多いです。そんな担当者とコミュニケーションをとるうえできをつけている点として2つあります。

①相手の頭の中でイメージ図を描けるように話す

目に見える事象であればその場で見せながら説明すれば良いですが、目に見えない部分の話や未来の話をする場合は、なかなか相手に伝わらないことがあるかと思います。そんなときは、イメージ図を相手に描かせるように話しています。例えば

  • ネットワークの話をするときは、道路や家、住所などに例える
  • PCの話をするときは、体の構造に例える

などです。なお、抽象度が高く口頭で示せない場合は、実際にイメージ図を書いたり、実際に体感してもらうようにしましょう。

②相手のための資料を準備する

お客様に提案する際には、「自分が提案したあとは、誰がどういう方法で検討・判断するのか」を理解したうえで説明しましょう。

決済者は別にいて、その部下にあたる担当者に対してまず説明したいとき、以下に気をつけて情報を整理しています。

  • 担当者が気になるであろう細かい情報はプレゼン資料とは別にする
  • 担当者が上司に説明するときや稟議を進める際に使いやすいフォーマットにする
  • 資料を後から見返した時もわかるように、口頭補足にたよらずあえて文字に残す
  • 社内で使われている言葉に合わせる
  • 社内でよく出る比較対象の情報は網羅する

言葉を使う以上、その定義は厳密にすべきではありますが、社内で独特な使われ方をしていたり、社内特有の言葉があれば、積極的にそのいい回しを採用しています。

スタンス編

お客様の情報に敏感になる

自身のポジション・役割にもよりますが、業務委託である以上はどうしても正社員よりも社内の情報が少なくなりやすいです。

中長期の経営方針、短期的な経営成績、社員のプロフィールなど、正社員であれば社員総会や日々の業務の中で触れられる情報も、業務委託となるとアクセスできなかったり、能動的に取りに行く必要があります。

事前に会社情報を調べたり、アラート機能を使ってプレスリリースを把握するだけでなく、お客様先で働いているからこそ得られる情報もあると考え、具体的には日々以下のことを意識しています。

  • お客様先の社員さんの表情、部署の雰囲気(慌ただしい様子か、和やかな雰囲気なのかなど)を観察する
  • 業務で深く関わる担当者やその上司のスケジュールを覗いてみる
  • 移動中や休憩中、担当者が所属する部門宛にくる依頼・相談の内容を観察する

担当者・お客様の優先度を把握する

日々、各方面から依頼や問い合わせを受けていると、業務の優先度を見失ってしまうことがあるかと思います。そんなときは、我々を評価してお金を払うのは誰なのか、そしてその人は何を優先しているのかを思い出すようにしています。

なぜなら、どれだけいい仕事をしたとしても、評価する側の意図・優先度と異なっていれば、お金を払う側からすると無駄なコストでしかないからです。

もし、把握している優先度とは異なる角度から差し込みの業務が来たときは、優先度を担当者とすり合わせつつ、追加対応のために時間を使うことを合意するようにしています。

おわりに

うまく言語化・構造化ができず、いくつか本投稿に含んでいない点もありますが、概ね網羅できているのではないでしょうか。

本投稿を通じていろんな出来事を思い出し、「お客様があっての我々である」ということを意識して、今後も業務に取り組んでいこうと改めて思えました。

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