#Qt World Summitとは
Qt World Summit 2019では、Qtを使用している企業による講演およびデモの展示や、Qtのこれからの技術の発信などが行われた。アジアでは東京が初めてのようだ。
#重要事項
- Qt Design Studio
現状は2D描画と3D描画はそれぞれ別のツールで作成し、最終的にマージする作業が必要。今後はQt Design Studioに統合される。
デザイナがPhotoshopなどで作成したデザインをそのままQML化し、エンジニアがバックエンド開発に集中できるようにする。
- MCU対応
組み込み系では今後需要が上がるMCU対応。各組み込みデバイスを使用してIoTの実現までを行う。ビッグデータ解析部分にはPythonも今後は積極的に使用されるようになすことが予想される。Linuxカーネル上にコンテナを実装するためにも、今後はDockerやKubernetesの知識も重要となる。
- 3次元描画
単一のソースコードでマルチプラットフォーム対応をし、かつ、それぞれの処理性能に応じた最適化が自動で行われることで、どのプラットフォームでも同じような見た目を実現する。Qt Quick 3Dを利用すると、簡単かつ高速な3次元描画もカスタマイズしたShaderの対応も可能になる。
OpenGLをAppleが対応しなくなったこともあり、Vulkanの知識も必要になることが予想されるが、Qtを使用していれば、Qt RHIを利用することで、Qt上での直接的なOpenGLの使用をせずに、Vulkan、Metal、Direct3Dなどの幅広いグラフィックスAPIの利用が可能になるようです。
- Qt WebAssembly
QMLのコードで、Linux、Windows、Android、iOSなどに加えて、Webアプリにも展開できる。展示ブースで紹介されていたCOSMO'S STARというゲームはオープンソースで、QMLのコードをWeb上に展開していた。Qt 5.12 で WebAssembly を使ってみましたを読みましたが、やってみると苦労は多そうなのが現状。Qtは基本的なドキュメントは豊富なのだが、実際に使って動作させるところまでの説明がされているドキュメントがネット上に少ないのが困る。Qtのヘルプを見て、試行錯誤しながら開発を進めないといけない。
Githubはこちら↓
https://github.com/mhungerford/cosmos_star
#写真
会場の写真とかあんまり撮っていなかったな。。。
#参加した感想
- Qtは組み込みアプリ開発をターゲットにしていると再確認
展示ブースでは、AndroidやiOS端末をメインに展示している企業はなかった。今年はAGL関連の展示が多いのもあるが、ほとんどがLinuxカーネル上のアプリだった。Qtは組み込み業界では評価の高いことも感じた。
- デザイナがPhotoshopやSketchで画面レイアウトを簡単に作成できる時代は近い
QtでもQt Design Studioというツールでデザイナが画面レイアウトを作成できる。PhotoshopなどのデザインファイルからQMLコードの生成まで出来る時代。これはAndroidのNative開発とかWebのフロントでも同様のことはすぐに起きるのだと感じる。
- 3次元描画の技術の奥の深いこと
SDLでC++でゲーム開発しながら勉強しているが、スプライト、レンダラー、シェーダー、テクスチャ、Framebuffer Object、マテリアルなど、勉強する範囲が非常に深い。OpenGLを使用するにも、これらのパラメータの設定項目を理解しなければ話にならないな。
- 逐次翻訳や同時翻訳って大変だな
英語で行われる講演も多数あったので、その時には同時翻訳機を渡されたり、英語を逐次翻訳していったいして対応していた。有り難いのだが、同時翻訳は、本当に講演を後ろで聞いている翻訳家の人たちが翻訳したものを各翻訳機に飛ばしていた。ラグが生じたり、そもそも高度な描画技術に関する英語の翻訳とか、詳しくない人からの翻訳は難しかったり、結局あまり使えなかったと感じた。音漏れしている人も多くて困った(笑)
#戦利品
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