意欲を持って進めてきたプロジェクトが頓挫したり、あらぬ方向だったことがわかって大幅に修正を余儀なくされたりしたときは、人に指示をする立場でもされる立場でもやりきれなさが残る。
吹っ切ってすぐに進める人ならそれでよいが、そんな人は稀であるし、そもそもそういった人はそれなりに挫折を繰り返して慣れているから出来るわけである。
さて、昨日自分自身も、これまで進めてきたプロジェクトに大規模な方針転換が迫られることになった。
今回は、そんな中で少しでもモチベーションを殺さず、スピードも落とさず、成果も上げてゆくにはどうすれば良いかを考えたい。
まず、自分が辛いということを受け止めることから始める。
何も考えられない。これまでやってきたことが虚しく映る。前向きに考えられない。
ベッドから出られない。シャワーを浴びる気もおきない。食欲もない。
続いて過去の経験と今回の経験を照合してみる。
過去には同じような大規模な仕様変更があった。やる気は死んだ。プロマネを責めたり、怒りにまかせて深酒をしたり。
ちなみに自分は感情を表に出すことをあまりしない。変更を告げられた日は涼しい顔をして自分を抑えているが、翌日ベッドから起き上がれないくらいにショックを受けてイジイジしてしまう。
最終的には、仕様変更で廃棄になったソースコードを「供養」することで心の整理が着いた。
具体的には、テストコードのassert文に「Thank you ○○(モジュール名)!」と付けて単体テストをすべて流した。
さらに、過去の経験と今回の経験の差分を取ってみる。
過去の経験以降で新たに学んだ知識やものの考え方を総動員し、いまの事態に適合することを試みる。
- 何か大きな失敗をして自分に物理的あるいは精神的な危害が及んだか?
- 及んだ。目の前にある仕事の意味が無くなり、次に何をするか分からなくなった。
- しかし身体に危害があるわけでもなく、叱責を受けたわけでもない。
- いままでの生き方は変わる必要があるだろうが、生きていることは変化することである。むしろ変化に対応する術を学べると思えるだろう。
自分のいまの目標は、「効果的、効率的にプロダクトを構築し、ユーザにきちんと使ってもらえるものを作ること」である。
しかし、自分のプログラミング能力には疑問があり、現実的に死ぬほどプログラミングが好きなわけではない。
となると、プロダクトオーナーのような立ち位置でユーザビリティや収益性を考える立場を取るか、組織管理者の立ち位置でエンジニアリングをするための効果的な環境づくりをする立場にいるか、どちらかを考えている。
その一方で、プログラミングを「やり切って」いないことも確かである。だから本当に向いているかどうかも分からない。
今回の大規模な方針転換は、自分自身に対して「作り手」の立場でいるか、それとも「価値創造」の立場でいるか、どちらかを選択させるような感じであった。
自分の可能性は信じるが、やることを絞って、より現実的な回答を自分で考える大きなきっかけになるだろう。
いまの自分の生活を守ることは考えた。しかしそうして守って何か良いことがあるかというと、良いことがなかった。
選択肢を増やすためには新しいチャレンジが必要で、これまで自分は変化を受け入れるために経験を重ねてきた。
大きく分けて以下の3つである:
- 向上心
- いまの技能を高める。打ち手を増やす。具体的な方法論に結び付けておく。
- 自分の物の考え方を変える。
- 毎日少なくとも2ミリは成長する。
- 好奇心
- やったことのないことをやってみる。ダメージのない範囲でなんでも経験してみる。
- つねに、なんでも面白がる。躊躇せずに思い切り楽しむ。
- 死んだ魚の目をしない。
- 羞恥心
- 倫理観、道徳意識を高める。
- 人格的に立派な人間を目指す。でも、やりすぎない。
- 逃げの言い訳をしてると辛くなる。寝ると忘れるのでさっさと寝る。
まとめ
ちゃぶだい返しをされたときは自分のこれまでを振り返る大きな機会となることが分かった。
具体的には、過去と現在とこれからの自分を振り返ることで、今後の自分の方向性を考え直すことができることが分かった。
ふりかえりにはエネルギーが必要なので、普段は踏ん切りがつかずに出来なかった。大きな収穫があった。
結局は、スピードが落ちたし成果も上がったかどうかは疑わしい。
しかしモチベーションを殺すことがなかったのは嬉しいことだ。
ルーチンワークとしていた事を見直すことは必要となったが、それまで中途半端にやってきたことではないので、身になってないわけではない。結果として一日、これまでを考えることにはなった。けれど後悔はしていない。
また、こういった精神不安定なときは、新しい考え方を取り入れるには絶好のチャンスでもある。林修やDaigoの動画を見ていたりした。これまで敬遠していたが、人気のある人はやっぱり良いことを言う。Daigoのニコニコチャンネルに入会してみたりした。