掲題の本を読みました。自分が気になったところについて、振り返りをしてみようと思います。
本の情報:
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83290-6
読む動機
- 経験学習モデルによると、大人は自分の経験の内省から多くの学びを得ているらしい。ということは、経験を学びに変える術を身に付ければ、日常のすべてが勉強になるので効率的だと思ったため。
- 上記の効果的な学びを相手に提供できれば、組織で成果を出すことに貢献できるのではないかと思ったため。
読む前の疑問
- フィードバックの理想状態とは?
- いくら大切とはいえ、相手が聞く耳を持ってくれなくなるリスクを背負ってまでやることだろうか?やる人が嫌われるし、辛いだけでは?
- フィードバックを知ることで、自分自身も成長できるだろうか?
読後に分かったこと
フィードバックの目的は、人の成長を促進すること。理想状態は、つねに自分自身にもフィードバックをし続けられるようになること。
耳の痛いことを相手に言うのはつらいが、軽減するためのテクニックはある。1人がフィードバックを受け持つ相手の数を5~7人に減らしたり、フィードバックをする人の役割は「嫌われて、感謝されること」だとあらかじめ決めて心理的負担を軽くしたり、同じ立場の人と知り合いになって孤独感を軽減したり、など。ただし、辛いものはつらい。覚悟するべし。いったい何を覚悟すればいいのかというと、本書にはこうある。
フィードバックは
腹をくくってください。
逃げないでください。(本書 p.147)
逃げない、ということ。罪悪感から変にフォローを入れてはいけない。ここが自分がもっともハッとさせられたことである。
ファシリテーションのテクニックには、自分の意見を聞いてもらうために、ポジティブなことを後に言って話を締めるものがある。これは、「自分の話を聞いてもらうため」には効果があることだ。しかしフィードバックの場合、「相手の成長を促すために敢えて厳しいことを言う」行為なので、「でも、お前にも良いところがあるよ」などとフォローすると、厳しいことを指摘した効果が薄れてしまう。
フィードバックをしたり、自分も受けると、コンフォートゾーンから、緊張状態へと移る。あえて定期的にフィードバックを受けることで、自分の伸びしろが増え、成長し続けることができる。しかし、コンフォートゾーンに戻すような言動をしたり、そもそも言ってることが事実と乖離していたりしては、フィードバックの意味がない。
その場しのぎの褒め言葉は相手の成長に寄与しない。真のフォローとは、「指摘したことが直っているか」を継続的にフィードバックし続けることだ。相手の成長に寄与するかどうかを第一に考えること。
自分の行動を変えようと思ったこと
- フィードバックに関しては、淡々と事実を伝える。自分の好き嫌いで判断しないこと。
- 自分を緊張状態に置くために、定期的に自身をフィードバックさせる。厳しいことを言われたときは、あえて反論せず、辛い気持ちを受け止めたあとで、言われたことに向き合うようにしたい。