本稿は VR法人HIKKY Advent Calendar 2024 の 23日目の記事です。
昨日の記事は @tuchinikoman さんの「ゲームやCGのための数学 2024」という記事でした。
先輩の@szgk さんの記事も公開されているのでこちらも合わせてお楽しみください!
はじめに
はじめまして。omachanと申します。
私はHIKKYのアバターチームにキャラクター3DCGデザイナーとして就業しています。
主に、ブラウザ上で3Dアバターが作れる「AvatarMaker(アバターメイカー)」というサービスのモデル制作を行っています。
HIKKYのアドベントカレンダー企画が絶賛開催中とのことで
せっかくなので、実際に「AvatarMaker」で過去実装されたアセットの中から、私が担当したロングヘアアセットの制作過程を紹介していきます。
タイトルにもありますが、モデラーとして就業して一年目に担当した仕事になるので
同じ境遇の方や、この業種を志している方の何かの参考になればいいなと思っています。
ぜひ最後までお付き合いいただければ嬉しいです!
- アバターメイカーとは?
- ブラウザ上でオリジナルのアバターを作成できるサービスです。
- 難しい機能は使わずに、クリック操作で簡単にVRM形式のモデルをカスタムできます。
遊ぶなら コチラをクリック!
①デザインの作成
・案出し
ロングヘアの髪型として提案できそうなデザインをざざっと数種類起こします。
ベースとなる素体のスクショの上に直描きして描いていきます。
私はKPOPが好きなので、韓国風の髪型をよく参考にしていますよ。ラフのアイデアの中から汎用性が高そうなデザインをチーム内で検討し、再度イメージを固めていきます。
今回は左上のゆるっとしたロングヘアを作ることに決まりました。・デザインの清書
方向性が決まったのでデザインの清書に移ります。
流行のソシャゲのキャラクターデザインや、人気のVRChatアセットなどのトレンドをリサーチして、「着せたいな、かわいいな」と思えるようなデザインを目指して進めています。
既存のヘアアセットに並ぶクオリティを出せるよう、比較画像も並べています。OKが出たのでモデリングに進みます。
②モデリング
・モデリング
前髪と後ろ髪の位置が決まっているので、ラフモデリングの段階では境目が分かりやすいようにオブジェクトを色分けしています。
使えるポリゴン数が限られているため、シルエットを見ながらどこに多くポリゴンを割るかを考えながら進めます。・モデリングの仕上げ
モデルが仕上がってきたらチーム内で細かい部分のFBを受けて仕上げていきます。
FBによる実際のビフォーアフターを一部紹介します。FBをたくさん受けるのは勇気がいりますが、一人で作業していると視野が狭くなりがちなので積極的にチームに意見を聞きに行くよう心がけています。
実際にどんどんかわいくなっていますね!・Unityでチェック
ヘアアセットは、すべての顔に対応できるよう作らなければなりません。
そのため実際にAvatarMakerのゲーム画面に出してみて、本番環境で使えるモデルになっているかをまめに確認することが大切です。
後に紹介することになりましたが、この工程はラフモデルから行っています。
一例ですが、このように貫通が起きていたり、生え際が浮いていたりすることがあるので、見つけ次第修正を行います。
また、マテリアルを入れて影、リムライト、アウトラインの仕上がりも確認します。UV展開~スキニングは目立った作業がないので省きます。
ラフモデルの段階でスキニングをやっておくとほぼ転写するだけで便利です。③テクスチャ、ルックの仕上げ
SubstancePainterを使用して髪の色を塗っていきます。
ここでもまめにUnityに取り込み、仕上がりを確認しながら進めます。
あとはマテリアルのリムライトを調整したり、諸々微調整して…
④完成!!!
無事かわいい髪形に仕上がりました!
⑤おわりに
今回、HIKKYのアバターメイカーの裏側を少しだけお伝えさせていただきました。
このロングヘアは、私が入社して初めて2Dデザインから兼任させていただいたアセットで
チームメンバーに助けてもらいながらたくさんの学びを得ることができ、とても思い入れ深いお仕事となりました。
ぜひ実際に遊んで楽しんでいただけると嬉しいです。より一層素敵なモデルをお届けできるようにこれからも取り組んでいきます。
お読みいただきありがとうございました!omachan
- 難しい機能は使わずに、クリック操作で簡単にVRM形式のモデルをカスタムできます。