要点
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現時点ではGakuNin RDM内で検索をすると検索者と異なる組織の人やプロジェクトが表示されない。
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別組織の人をプロジェクトに追加するには、追加したいメンバーの 公開プロフィールのURLまたは末尾のID を調べ、それを使って検索すれば可能。
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あるいは、プロジェクトのURL を調べ、追加したいメンバーの方から直接そのURLを開いてアクセスリクエストを送る、でも可。
GakuNin RDMとは
GakuNin RDM (以下、GRDM) は国立情報学研究所が管理する研究データ管理基盤です。GRDMではデータ管理の単位を「プロジェクト」と呼びます。基本的な使い方は、プロジェクトを新規作成し、そこにメンバーを追加し、メンバー内で共有したいデータを置く、という流れです。
「プロジェクト」といっても研究プロジェクトに対応させる必要はありません。例えば、研究室内のデータ置き場として使う場合は、研究室の教員がプロジェクトを新規作成し、名前は適当に「〇〇研究室データ」などにして、研究室に所属する学生や研究員をメンバーに追加し、研究室内で共有したい研究データを各自で置く、という使い方が出来ます。DropboxやGoogle Driveと同様です。あるいは、自分専用のプロジェクトを作成し、データのバックアップや複数のPC間でのデータ移動に使うことも出来ます。
メンバーの追加方法
メンバーの追加方法は大きく2通りあります。
- プロジェクト管理者がメンバーを追加する。
- プロジェクトに追加したいメンバーの方からプロジェクトに対してアクセス要求を行い、プロジェクト管理者が承認する。
プロジェクトの管理者というのは、そのプロジェクトを作成した人、または、その人が管理者権限を与えた他のメンバーのことです。
1番の方法は、公式ユーザーマニュアルの「メンバーの追加」の項目で詳しく説明されています。対象メンバーがGRDMのアカウントを既に持っているかどうかにより、さらに細かく2つに分かれます。
A. 対象メンバーがGRDMのアカウントを持っている場合
B. 対象メンバーがGRDMのアカウントを持っていない場合
Aの場合は検索して選択、Bの場合はメールアドレスを入力して招待メールを送信、という違いがあります。
問題点
ここで問題があります。対象メンバーがGRDMのアカウントを持っているにも関わらず、検索しても表示されない場合がある のです。現時点のGRDMの設定では、検索者と同じ組織に所属する者しか表示されない ためです。ワイルドカード "*" を使っても表示されません。例えば、A大学の研究者がB大学の共同研究者をメンバーに追加しようとすると、この問題が発生します。別の事例としては、大学のアカウントとは別にOpenIdPのサブアカウントを追加しようとする場合にも当てはまります1。
逆に、2番の方法を使って追加対象メンバーの側からプロジェクトを検索してアクセス要求しようとしても、検索でヒットしません。こちらも同様に、自身と同じ組織のプロジェクトしか表示されないためです。
解決方法
別組織のメンバーを検索で表示させるには、追加したいメンバーの 公開プロフィールのURLまたは末尾のID を調べ、それを使って検索すれば可能です。公開プロフィールは、画面右上のユーザー名を押し、プロフィールを選択すると表示されます。公開プロフィールは https://rdm.nii.ac.jp/XXXXX/
のような形をしています。XXXXX の部分はアカウント毎に異なるIDの部分です。
別の方法もあります。プロジェクトのURL を調べ、追加したいメンバーの方から直接そのURLを開いてアクセスリクエストを送り、管理者側で許可する、という方法です。プロジェクトのURLは、メニューバーのプロジェクト名を押したときのアドレスバーに表示されているものです。こちらも https://rdm.nii.ac.jp/YYYYY/
のような形をしています。
2つ目の方法を使う場合は、予めプロジェクトの「設定」タブより「ユーザーがこのプロジェクトへのアクセスをリクエストできるようにします。」にチェックを入れておいて下さい。
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ちょうど私の所属が変わることになり、自分しか管理者のいないプロジェクトのデータに今後一切アクセス出来なくなる可能性が出てきたため、急遽OpenIdPのアカウントを追加しようとしてこの問題に気付いた、というのが経緯です。 ↩