EventBridgeによる重複起動を防ぐ(Spring Batch)

背景

JOBスケジューラー(オンプレ)から RESTAPI (SpringBoot) 経由でバッチを起動している。
オンプレからAWSへの移行に伴い、JOBスケジューラー(オンプレ)から Amazon EventBridge Scheduler へ移行したい。
負荷分散のため、バッチの起動は RESTAPI から ECS タスクによる起動（SpringBatch）に変更する。

課題

EventBridge には 以下の仕様が存在します。

まれに、単一のイベントまたはスケジュールされた期間に対して同じルールが複数回実行されたり、トリガーされる特定のルールに対して同じターゲットを複数回呼び出されたりする場合があります。

つまり、EventBridge Rules/Scheduler は ECS タスクを稀に重複実行します。😨
Scheduler には重複実行の確率を下げる仕組み ( フレックスタイムウィンドウ ) が存在しますが、0 % にはならないようなのでアプリケーション側で対処する必要があります。

対処内容

eventbridge 重複起動 でググるといろいろな方法が出てきますが、SpringBatch の仕組みで対処しました。
SpringBatch の RunIdIncrementer は JOBを実行する度に run.id というJOBパラメータを +1 するので、何回も同じJOBを動かすことができます。
しかし、何回も同じJOBを動かせてしまうと EventBridge の重複実行は防げません。
そこで、以下のような MonthlyIncrementer を作りました。これを RunIdIncrementer の代わりに設定します。

public class MonthlyIncrementer implements JobParametersIncrementer {
    @Override
    public JobParameters getNext(@Nullable JobParameters previousParameters) {
        JobParameters jobParameters = Optional.ofNullable(previousParameters).orElse(new JobParameters());
        YearMonth now = YearMonth.from(LocalDateTime.now());

        return new JobParametersBuilder(jobParameters)
                .addString("run.monthly.id", now.toString())
                .toJobParameters();
    }
}

これにより、月をまたがない限り JOB パラメータが変わらなくなり重複実行を防ぐことができます。
日次バッチの場合もほぼ同様です。