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Selenium の locator とうまくつきあうための話

Last updated at Posted at 2013-12-01

この記事は、Selenium Advent Calendar 2013の1日目の記事です。

Selenium の locator

Selenium を使って、ブラウザの操作を自動化するときに、どのリンクをクリックするか、どのフォームに値を入力するかを指定する必要があります。

画面上のどの要素を操作するかを指定するための情報をSeleniumではlocatorといいます。Seleniumでは、ブラウザ(厳密にいうとSelenium Server)とクライアント間の仕様としてJSON Wire Protocolが定められており、利用できるlocatorもそれに従います。

要素を探索する場合 /session/:sessionId/element に、locatorを含むJSONをPOSTするのですが、その locator として、class name、css selector、id、name、link text、partial link text、tag_name、xpath と様々なものが利用できます。

様々なものが利用できるのですが、逆にいろいろな書き方ができてしまうため、共有された方針がないと、コードの統一性や可読性が損なわれてしまいます。
また、デザインの変更に弱いような書き方をしてしまった場合、コードのメンテナンスが非常に大変になります。

locator の方針

そこで、コードの可読性・デザインの変更への耐性を踏まえて、以下の方針を定めています。

  • input の入力の際には、nameを利用する
  • input の入力以外(リンク、画像、ボタン)の指定は以下の優先順位で利用する
    1. css selector
    2. xpath
    3. partial link text (link text)

input の入力では name 属性を利用

input の入力だけは特別に name 属性でマッチさせます。

<label for="password_input" />パスワード</label>
<input id="password_input" class="hoge" type="password" name="pass" />

例えば、上記のような input があった場合、例えば以下のような指定が可能です。

  • id で指定
  • class で指定
  • css selector や xpath で type が password の input を指定
  • 「パスワード」という文言でlabelを検索し、そこに紐づくinputを取得する
  • name で指定

この様々な方法の中でnameを利用するのが最もよいのは、画面の変更に最も強いのが name 要素だからです。

一般に、上記のようなinputを含むformがある場合、サーバーにはpass=xxxといったようにname属性をkeyとして、multipartリクエストが送信されます。
したがって、name属性はformの送り先であるエンドポイントのインターフェースとなり、ここの変更(追加・削除は容易にありえますが)はあまりないはずなので、これを利用することで変更に強いコードとなります。

input 以外では css selector を利用

input 以外では、css selector を優先的に利用します。要素のidやclassを利用して指定する場合でも、あえて "#hoge" や ".fuga" のように、css selector 形式として記述を統一します。

idセレクタやクラスセレクタといった単純なセレクタだけではなく、子孫セレクタ・隣接セレクタ・属性セレクタといったものを使いこなせるとよいです。これらをついついXPathで書いてしまうと、可読性が落ちてしまうことが多いので注意が必要です。

最後にそれぞれの利用例を紹介しておきます。XPathに比べて容易にどういったものか理解できるかと思います。

子孫セレクタ

例:section#hoge 以下の li を指定する

css
#hoge li
XPath
id('hoge')//li

隣接セレクタ

例:h1 の直後にある p を指定する

css
h1 + p
XPath
//h1/following-sibling::p

属性セレクタ

例: type が reset の input を指定する

css
input[type='reset']
XPath
//input[@type='reset']

まとめ

Selenium でブラウザ操作の自動化をするときに、要素の指定に様々な指定方法があり、可読性の低い指定の仕方をしてしまったり、変更に弱い指定の仕方をしてしまったりすることが多いです。

今回紹介した方針は銀の弾丸ではないですが、継続してメンテナンスをしていく上で有効となると思います。
楽しい Selenium ライフを。

明日は、@ito_nozomiさんです。
また、Selenium Advent Calendar 2013はまだまだ募集中ですので、ぜひとも参加をよろしくおねがいします!

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