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GPT-4oとo1 Proを活用した爆速&高品質な設計・レビュー手法 ~人間とAIの棲み分けが鍵~

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はじめに 🌟

ソフトウェア開発において、設計書作成コードレビューは欠かせない作業です。しかし、これらを手作業のみで行うと、時間がかかるうえにヒューマンエラー認識のズレが発生しやすくなります。

近年、ChatGPTなどの生成AIを用いたコード支援や要件整理が注目されていますが、AIに任せるべき部分と人間が担うべき抽象的・戦略的な部分の棲み分けがとても重要です。本記事では、以下の2つのツール/視点を組み合わせて、設計からレビューまでのプロセスを飛躍的に効率化する方法を紹介します。

  • GPT-4o:AIとの壁打ちで要件や仕様を整理しながら、常にコンテキストを共有して設計の品質を高める 🤖
  • o1 Pro:機械的な検証で設計書の精度を上げつつ、最終的にコード実装との要件整合性を自動チェック 🔍

そして、これらを最大限に活かすための鍵となるのが、人間とAIの役割分担です。「何をAIに任せ、どこを人間が担当すればよいのか」という視点を軸に、具体的なワークフローを見ていきましょう。


全体フロー概要 🗺️

まずは、全体のフローを俯瞰してみます。

図の説明

  1. GPT-4oで壁打ち (要件整理)
    GPT-4oを活用して、「どんな機能が必要か」「非機能要件は何か」を対話形式で整理。Chatログを通じて、仕様やエッジケースを抜け漏れなく洗い出します。

  2. コンテキスト共有 & 設計書更新
    GPT-4oとの会話で得られたアイデアや仕様をコンテキストに反映し、設計書を継続的に更新。これを何度か繰り返すことで、設計書の完成度が高まります。

  3. o1 Proで設計書ブラッシュアップ & 最終検証
    設計書がある程度固まったら、o1 Proを使って曖昧表現や要件不足がないかをチェック。不足や曖昧さがあれば修正し、再度o1 Proで検証することで、精度の高い設計書に仕上げます。

  4. コード実装 & o1 Proで実装と要件照合
    設計書に基づいてエンジニアが実装し、完成したコードをo1 Proで自動照合して要件を満たしているかを確認。不足があれば明確に指摘されるため、修正サイクルを素早く回せます。

  5. レビュー完了
    全ての要件をクリアすればレビュー完了。設計書とコードが常に同期された状態を保ちやすく、品質・速度ともに高いレビュー体験が得られます。


人間とAIの役割分担①:抽象的なアイデアと具体的な作業 🧠🤖

抽象から具体へ:人間とAIの役割分担

ソフトウェア開発や設計の初期段階では、多くの場合、抽象的なアイデアやビジョンが存在します。これらの抽象的な概念を具体的な設計書や実装に落とし込む作業は、創造性と論理性の両方を要求される複雑なプロセスです。ここで、人間と生成AIがそれぞれの強みを活かして協力することで、効率的かつ効果的にアイデアを具現化することが可能になります。

人間の強み:アイデアの創出 🧠✨

  • 課題の本質を見極める
    顧客やユーザーが明確に言語化できないニーズを洞察し、ビジョンを設定する。
  • 上流工程の戦略的思考
    「なぜそれを作るのか」「どのように使われるか」という長期的視点を持った意思決定。
  • 創造性・直感的判断
    前例のない課題に対して斬新なアイデアを提案する。

AIの強み:具体化と実装支援 🚀💻

  • 要件の具体化
    人間が示した抽象的な目標を、詳細な仕様やドキュメントに落とし込む。
  • パターン認識と迅速な提案
    過去の事例や既存データに基づき、具体的かつ複数の解法を提案する。
  • コーディングの自動化
    決まったルールや仕様に基づき、再現性の高いコード生成が得意。

AIが得意とする領域と限界 🚧

生成AIは具体的なタスクやデータ処理に非常に強力ですが、上流工程、すなわち高度に抽象的な思考戦略的な意思決定には限界があります。AIは既存のデータに基づいて動作するため、完全に新しい概念直感的な判断が必要な場面では人間のサポートが不可欠です。

  • 上流工程の課題:AIは創造的な発想や戦略的なビジョンの設定が苦手。
  • 人間の介入が必要な理由:AIの提案を基に人間が最終的な判断や調整を行う必要がある。

共同作業の流れ 🔄

以下のフロー図は、人間が抽象的なアイデアを提示し、AIが具体化を進めるプロセスを示しています。

図の説明

  1. アイデア創出
    • A: 人間がアイデアを創出。新しい機能やサービス、ユーザー体験を考案します。
  2. 具体化支援
    • B: GPT-4oが具体化を支援。人間のアイデアを受け取り、具体的な仕様や要件に落とし込みます。
  3. 設計書の初稿を作成
    • C: 設計書の初稿を作成。AIが生成した具体的な内容を基に、初期の設計書を作成します。
    • これを必要に応じて繰り返し行い、設計書の内容を充実させます。
  4. o1 Proで設計書ブラッシュアップ
    • D: o1 Proで設計書ブラッシュアップ。設計書の曖昧さや要件の漏れを機械的にチェックし、修正します。
  5. コード実装と照合
    • F: エンジニアがコードを実装し、o1 Proで設計書との整合性を自動検証します。
    • 要件を満たしているかを確認し、不足があれば修正を行います。
  6. レビュー完了
    • H: レビュー完了。全ての要件をクリアすれば、設計書とコードが同期された状態でレビューが完了します。

人間とAIの役割分担②:ソフトウェア要件定義や設計は抽象領域 💡🧠

ソフトウェアの要件定義・設計、ソリューション設計などは、まだ具体が決まっていない分、抽象性の高い工程です。この段階で人間とAIが協調するメリットは大きいといえます。

ソフトウェアの要件定義・設計における抽象性

1. 要件定義が抽象的である理由

要件定義は、ビジネスや顧客の課題を解決するための枠組みを構築するプロセスです。この段階では以下のように、まだ具体的ではない要素が多く存在します。

  • 顧客ニーズの多様性: 顧客自身が明確に課題を言語化できていない場合も多い。
  • 技術的制約の不明確さ: 利用する技術や環境がまだ曖昧であることが多い。
  • ビジネス目標の抽象性: 「収益を上げたい」「ユーザーエクスペリエンスを向上させたい」といった漠然とした目標。

2. 設計・ソリューション設計の抽象性

  • 複数の解決方法が存在: どのアプローチが最適かを判断するためには、人間の洞察力や戦略が必要。
  • 未知の課題への対応: 前例のない課題には、過去のデータだけでなく、創造性や試行錯誤が求められる。

人間とAIの役割分担③:人間に求められる3つの力 💪🧠

1. 抽象力:本質を見抜き、方向性を決める力 🎯

なぜ抽象力が必要か?

  • AIはデータ依存: AIは膨大なデータを基に動作しますが、「まだ存在しないデータ」には弱い。
    • 具体例: 抽象的な問い:「このサービスはどうやって人々の生活を変える?」
    • AIの回答:「よくある答え」に終始しがち。

具体的な役割

  • 課題の本質を捉える
    「何が解決すべき問題なのか?」を明確にし、AIに正しい方向性を与える。

    • 例: 「売上を上げたい」という抽象的な目標から、「どのターゲット層が未開拓か」をAIに問いかける。
  • AIへの適切な問いを作る
    「何を具体化してほしいか」を明確にするプロンプトを設計する能力。

    • 例: 「この機能を通じて得られる顧客価値を考える際、競合との差別化に注目してアイデアを出してほしい」と伝える。

2. 全体を俯瞰する力:プロジェクト全体をつなげる能力 🌐🔍

なぜ俯瞰する力が重要か?

  • AIは個別タスクに強いが全体像は把握できない
    • 人間がプロジェクト全体の流れや関係性を監督し、各要素を適切につなぎ合わせる必要があります。

具体的な役割

  • 全体構造の設計

    • プロジェクトの目標、要件、実装、テストなど、すべての段階が一貫して動くように計画。
    • 例: 「マーケティング戦略から機能設計、UXデザインまで、すべてが顧客体験を向上させるために一致しているか?」
  • AIが生成する部分同士の整合性を確保

    • 各タスクごとにAIが生成した出力が全体に合致しているか確認する。
    • 例: 設計ドキュメントがプロジェクトの目標に一致しているか、仕様書が実装計画と矛盾していないか。
  • 長期的なビジョンの維持

    • AIが短期的な具体化に集中する中で、人間が長期的な目標や価値観を見失わないように監督する。
    • 例: 「この技術選定は5年後もスケーラブルであるか?」

3. AIが出した答えをチェックする力:評価と改善のスキル ✅🔍

なぜチェック力が必要か?

  • AIの出力は確率的な最適解であり、それが本当にプロジェクトに適合するかを判断するのは人間の役割です。
  • AIは「正しそうな答え」を出すのが得意ですが、それが必ずしも文脈や意図に沿うとは限りません。

具体的な役割

  • 出力の品質を評価

    • AIが生成した案や設計がプロジェクトに適しているか、的確に評価。
    • 例: 「この設計案は顧客要件を満たしているか?」「実現可能性はどうか?」
  • 改善点を見つける

    • AIの出力に対し、「何が不足しているか」「どこが過剰か」を明確にし、改善のフィードバックを与える。
    • 例: 「この機能にはセキュリティリスクが含まれていないか?」
  • 適合性を判断

    • 提案された案がプロジェクトの制約条件や制約に合致しているか確認。
    • 例: 「予算やスケジュール内で実現可能か?」

壁打ちの具体フロー:抽象から具体へ 🛠️🔄

下記のフロー図では、人間が抽象的な問いを提示し、AIが具体化を進めるループを示しています。

流れのポイント

  1. 人間が抽象的なアイデアを出す

    • :「ユーザー体験を根本的に変える新しい教育サービスを作りたい」
  2. AIが具体化を支援

    • :「AIチャットボットで個別学習を最適化」「学習進捗トラッキング機能を導入する」などの具体案を提示。
  3. 設計書の初稿を作成

    • AIが生成した具体的な内容を基に、詳細な設計書を作成。
  4. 人間が評価・修正

    • AIの提案に対して、「もう少しエッジケースを考慮してほしい」「ブランドイメージに合わせてデザインを修正」などのフィードバックを提供。
  5. AIが更に詳細化 or コーディング

    • 指摘に基づいてAIが具体案を再生成し、必要に応じてコーディングを支援。
  6. 人間が全体を俯瞰・最終調整

    • ビジョンや長期的ゴールに合致しているかを最終チェックし、プロジェクトを完了。

o1 Proとの連携:設計書と実装の自動照合 🔍💻

設計書ブラッシュアップ 🚀📝

  • AIが作成した仕様書を、o1 Proで曖昧表現や要件不足がないか自動チェック。
  • 不足や曖昧さを人間が補強して再検証を回すことで、精度の高い設計書に仕上がる。

コード実装との照合 🔎🔧

  • エンジニアがコードを実装し、o1 Proで要件と実装を突き合わせて自動チェック。
  • 不整合があれば具体的に指摘されるため、修正サイクルが短縮される。

まとめ 🏁✨

  • 人間とAIの棲み分けがカギ
    • 人間は抽象力・俯瞰力・評価力を発揮し、AIは具体化やコーディングなどの反復作業を爆速化する。
  • GPT-4oの壁打ちで設計書を鍛え、o1 Proで機械的検証を行う
    • 設計の抜け漏れ・曖昧さを自動チェックし、コードとの整合性も担保できる。
  • 爆速&高品質なレビュー体験
    • AIの能力を活用しつつ、人間が全体の方向性をコントロールすることで、レビューサイクルを効率化できる。

最後に 🌈

本記事で紹介した人間とAIの役割分担を明確にしたワークフローを導入すると、上流から下流までのプロセスで効率化品質向上の両立が期待できます。特に、複数人が関わる開発では、設計書の可視化×機械的チェックがコミュニケーションロスを大幅に削減し、ヒューマンエラーを防止します。

  • 抽象的なアイデアやビジョン人間が引き受けてブレインストーミング 🧠
  • 具体化やコーディングAIによる高速出力 🤖💻
  • 設計書ブラッシュアップ&実装チェックo1 Proによる自動検証 🔍

ぜひ、このフローを取り入れて、次世代の開発スタイルを体験してみてください!


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