0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

🔖 プロジェクト管理におけるチャージビリティ管理とは?

Posted at

ソフトウェア開発プロジェクトで、「誰が、どの活動に、どれくらい時間を費やしているか」 を定量的に把握することは、ベロシティ向上や品質確保、スケジュール遵守に不可欠です。
「チャージビリティ(Chargeability)」管理は、活動を可視化し、KGI/KPI/KSFと結びつけることで、改善策を具体的かつ計画的に打てるようになる強力なアプローチです。


🔖 チャージビリティ管理の目的

1. 定量的な透明性確保

💡 活動の見える化
開発(コーディング)、設計、レビュー、テスト、要件調整、PoC、ミーティング、ステークホルダー調整など、すべての活動をカテゴリ化して時間を記録することで、プロジェクトで「何が起きているか」を定量的に把握可能。

2. KGI/KPI/KSF達成に向けた戦略立案

💡 KGI/KPI/KSFとの紐づけ
KGI(最終目標)を支えるKPI(中間指標)、それを達成するためのKSF(重要成功要因)を明確にした上で、チャージビリティで得たデータをもとに改善策を検討します。

3. 計画精度と品質向上

💡 ウォーターフォール計画精度UP
過去の実績データから、要件定義・設計・レビュー・テストといった各工程に必要な工数を見積もり、タスク漏れを減らします。
💡 品質改善
バグ多発時には、設計・レビュー時間が不足していないか、PoCや技術検証が十分かなどをデータで判断し、的確な対策を実行可能。


🔖 KPIツリー例

以下は「KGI: プロジェクト完了時に顧客満足度をX%以上にする」を例に、その下位にあるKPI、さらに支えるKSFをツリー構造で示した例です。

上記ツリーでは、スケジュール遵守率向上を狙う場合に要件調整やステークホルダー対応、ミーティング削減がKSFとなりうることが分かります。また、バグ削減には設計・レビュー強化が、ベロシティ向上にはコーディング時間確保とツール活用が関連する、といった因果関係が明確になります。


🔖 スケジュール遅延の原因と対策

原因例 チャージビリティでの示唆 KPI例 改善策(How)
要件調整不足 要件定義・仕様確認カテゴリ時間が週5h予定→実績2h 要件調整時間を週5h確保し、要件変更回数を月X回以下 要件確認ミーティング追加(週1回30分)、AsanaでQ&A共有、事前ドキュメント化
ステークホルダー決定遅れ ステークホルダー対応カテゴリの実績がほぼゼロ 対応遅れを1案件1日以内 Asanaでステークホルダー調整タスク化、期限設定、Slackでリマインダー導入
ミーティング過多による非本質工数増 ミーティングカテゴリが予定比120%超 ミーティング時間を月20%削減 議題定義テンプレ活用、非同期共有ツール活用(Asanaコメント)、定例を隔週化

🔖 バグ多発時の対策

原因例 チャージビリティでの示唆 KPI例 改善策(How)
設計不備 設計カテゴリ時間が見積10h→実績5hと不足 設計時間を週10h確保、バグ発生率X%→X-2%低下 設計レビュー会追加(週1回30分)、設計資料をAsanaに集約、要件調整ミーティング増
コードレビュー不足 レビューカテゴリが週2hのみ コードレビュー週5h確保 非同期PRレビュー(Jira+GitHub連携)拡充、週1回対面レビュー会
新技術不足 PoC/学習カテゴリが計画10h→実績3h PoC時間月10h確保、新技術関連バグ半減 PoC専用タスク作成(Asana管理)、2週に1回PoC成果共有MTG追加

🔖 Asana / Jira での定量的活用例

Asana

  1. カテゴリ・工数フィールド定義
    • 「カテゴリ」フィールド:要件定義、設計、レビュー、テスト、ステークホルダー調整、ミーティング等
    • 「見積工数」「実績工数」フィールド追加
  2. KPIモニタリング
    • ポートフォリオや高度な検索で、カテゴリ別時間集計→ KPI(例:設計週10h確保達成?)を即確認
    • 不足なら改善策(設計レビュー会増設、Q&A用ドキュメント整備)をAsanaタスクとして登録

Jira

  1. Issue Type / Labelによる分類
    • 「Design」「Review」「Meeting」等のLabel、Original EstimateとLog Workで見積/実績を記録
  2. ダッシュボード分析
    • Workload Pie Chartでカテゴリ別実績比率を確認し、KPI進捗を追跡
    • 設計ラベル付きチケットの総実績がKPI達成できていない→ 次スプリントで設計工数増加策実行

🔖 Mermaid図:改善サイクルイメージ

このループにより、問題発見→改善策検討→実行→検証のPDCAサイクルを回し、KGI達成に近づけます。


🔖 まとめ

チャージビリティ管理は、開発プロジェクトの時間配分を定量化し、KGI/KPI/KSFと結びつけることで、的確な問題特定と改善策実行をサポートします。
スケジュール遅延には要件調整不足や意思決定遅れ、ミーティング過多など多面的な原因があり、バグ多発には設計・レビュー工数不足などの要因が潜みます。
AsanaやJiraでカテゴリごとに工数を見える化し、KPIツリーで目標を分解すれば、計画精度向上や品質改善、リスク低減が可能です。
定量的なデータを武器に、継続的に改善サイクルを回すことで、最終的なKGI(顧客満足度向上、ベロシティ向上、品質改善)へとつなげていきましょう。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?