1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

受託開発における「KGI・KPI・KSF」徹底活用ガイド

Posted at

はじめに

「受託開発で追加要件が止まらず、プロジェクトがいつまでも終わらない…」
「気づいたら無償対応だらけで赤字に…」
「リスクを見落としていて、後半で大幅な手戻りが発生…」

こうした悩みを防ぐカギとして、KGI(Key Goal Indicator)KPI(Key Performance Indicator)・**KSF(Key Success Factor)**の三位一体でマネジメントする方法があります。

  • KGI: プロジェクトの最終ゴール(いつ、どんな条件で完了するか)
  • KPI: 進捗やチャージビリティ、リスク管理などを「数値」で可視化し、早期に問題発見
  • KSF: それらを実現するための「必須ルール・プロセス」

本記事では、Mermaid図絵文字を交えて、リスク管理も含めた「納期・コスト・品質・リスク」のバランスを取るためのヒントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。


1. ⭐ KGI・KPI・KSFの関係をMermaid図で理解しよう

  1. KGI: プロジェクトの北極星(例:○月○日までに差戻しゼロで納品)
  2. KPI: 「現在地」を数字で把握し、遅延やリスク、無償対応の増加を早期発見
  3. KSF: KPIを活かすための“絶対に守るルール”
    • 例: 週次レビュー、追加要件の承認フロー、作業時間トラッキング、リスクレビュー会議など

2. 🤔 なぜ「今」KGI・KPI・KSFが必要なのか

  1. 追加要件・仕様変更が頻発する受託開発
    • スコープが曖昧だと無償対応が膨らみ、赤字に直結。
  2. KGIを明確にしないと、ゴールが延々と動く
    • 顧客から「もう少し修正を…」が続くと、プロジェクトが終わらない。
  3. KPIで進捗・リスクを把握し、交渉しやすく
    • 数値を根拠に、追加予算や納期再調整を顧客とスムーズに協議。
  4. KSFが形骸化すると意味がない
    • 「週次レビューしよう」と決めても忙しさで流れてしまう… では改善しようがない。

3. 🎯 まずは「KGI」を決める

3-1. KGIの例

  1. 「○月○日までに、顧客から差戻しゼロで最終承認を得る」
    • 日付と差戻し件数を基準に“完成”を定義。
  2. 「契約スコープ(SOW)をすべて満たし、追加要件も別途契約で精算完了」
    • スコープ管理&チャージビリティを最優先にする。

ポイント: KGIを明確にしないと「あともうちょっと…」が際限なく続く。


4. 📊 KPIで“遅延やリスク”を早期発見

4-1. 基本の3つ(小〜中規模案件向け)

  1. マイルストーン達成率
    • 設定したレビューポイントを、期限内にどれだけクリアしているか。
    • 納期遅延を早期に検知。
  2. 追加要件の見積提示率
    • スコープ外の作業に対し、必ず見積書を出して顧客承認を取れているか。
    • チャージビリティ確保のカギ。
  3. レビュー差戻し回数
    • 成果物やドキュメントがどの程度やり直しを食らっているか。
    • 差戻し多発は工数増&納期トラブルの温床。

4-2. リスク管理をKPI化する

「リスク管理」をないがしろにすると、後半で大きな手戻りやコスト増が発覚しがちです。

  • リスクレビュー実施率: 月1回のリスク会議がちゃんと開けているか。
  • リスク登録率: 新たなリスク(外部APIの変更、顧客担当者変更など)がどれだけ早くリストに載っているか。
  • リスク対策完了率: リスクへの対策案がどれだけ履行されているか。

数値例の補足

  • リスクレビューを1回スキップしただけで、大きな仕様変更を見落としてしまい、2週間分の工数が無駄に…
  • こうした事態を防ぐためにも、「リスクレビュー実施率100%」など明確な指標をKPIとして設定するとよい。

5. 💡 KSFで「必ず守る」プロセスを定義

KPIを導入しても、運用する仕組み(KSF)が無ければ形骸化してしまいます。以下の例を参考にして、必須ルールを明文化してみましょう。

5-1. 週次レビューの徹底

  • 行動: 毎週○曜日に○時間、KPI数値を確認 → 追加要件の有無、リスクの洗い出しを行う
  • 失敗パターン: 忙しさでキャンセルが相次ぎ、気づいたら大幅な遅延に…

5-2. 追加要件の承認フロー

  • 行動: 口頭合意はNG。「見積書 → 顧客合意 → 作業着手」で必ず書面化
  • 失敗パターン: 口頭で「これもやっておいて」と言われ続け、無償対応が膨大に…

5-3. リスク管理ミーティング(リスクレビュー)

  • 行動: 月1回以上、リスクログを更新し、対策を再検討。
  • 狙い: 外部要因(API変更、メンバー入れ替えなど)や追加要件の波及影響を見落とさない。
  • 失敗パターン: リスク会議を忘れて後回しにし、後半で大炎上。

5-4. 作業時間のトラッキング

  • 行動: 全メンバーが週1回、実作業工数を報告ツールやシートに記録
  • 狙い: 「ミーティング○時間」「レビュー○時間」など、無償対応を可視化し、チャージビリティを維持。

6. 💰 チャージビリティ×リスクの管理

  • リスク対応に追加の工数が発生したら、どう追加予算を確保するか
  • たとえば外部APIバージョン変更の影響が大きい場合、顧客と早めに相談し、納期・予算の再調整をかける。
  • KSFとして: 「リスクが顕在化したら、追加要件と同様に見積を提出 → 承認後作業」というフローを必須化しておく。
  • KPIとして: 「リスク対策の追加費用を合意できた割合」を追ってもよい。

7. 😱 失敗例と😆成功例

7-1. 😱 失敗例:リスクレビューを怠って大炎上

  • 背景: 「外部APIに互換性がなくなるかも?」というリスクがあったが、忙しくてリスク会議をスキップ
  • 結果: 後半でAPI使用不可が発覚し、2週間分の再設計・再実装が必要 → 納期1か月遅延、追加費用も請求できず赤字に…
  • 教訓: リスク管理をKSFに加え、リスクレビュー実施率をKPI化していれば防げたはず。

7-2. 😆 成功例:KPI×KSFで早期交渉

  • 背景: 週次レビュー(KSF)で「マイルストーン達成率」「追加要件見積提示率」「リスクレビュー実施率」(KPI)を欠かさずチェック
  • 結果: 追加要件&リスク対応が増えそうなタイミングで即座に顧客と交渉 → 追加リソース確保で納期死守&黒字キープ
  • 教訓: 「ルール(KSF)+ 数値(KPI)+ 合意済みのゴール(KGI)」の三位一体運用が効いた。

8. 📑「どれを導入する?」簡易表でまとめ

規模・状況 おすすめKPI おすすめKSF(必須プロセス)
小〜中規模案件 1. マイルストーン達成率
2. 追加要件の見積提示率
3. レビュー差戻し回数
- 週次レビューの徹底
- 追加要件は必ず見積合意
- リスクレビュー(月1回)
- 作業時間トラッキング
開発を伴う大規模案件 - 不具合検出件数
- テストパス率
- リスク登録率
- コードレビュー体制
- リスク会議の定期開催
- リリース計画のマイルストーン管理
品質重視案件 - レビュー差戻し回数
- 不具合再発率
- レビュー時間確保率
- 内部レビューに1機能あたり最低○時間
- QAチームによる事前テスト
- リスク管理ミーティング
チャージビリティ重視 - 追加要件の回収率
- 工数漏れ率
- リスク対策費用合意率
- 追加要件の承認フロー
- 作業工数の可視化
- リスクの影響が大きい場合は即時顧客と予算交渉

ポイント: KSFで「必ずやること」を定め、それがどの程度できているかをKPIで数値化し、**最終ゴール(KGI)**と常に比較しながら進める。


9. 🏁 改善管理プラン:PDCAを回そう

9-1. 改善リストを作成

  • 方法: ExcelやGoogleスプレッドシートなどで「改善項目」「担当者」「完了期日」などを管理
  • : 「リスクレビューを必須化(KSF化)」「KPIにリスク登録率を追加」など

9-2. 定期レビュー

  • 行動: 週次 or 月次の定例で「改善リスト」の進捗状況を確認
  • 狙い: 改善点が放置されず、形骸化しないようにする

9-3. 成果確認とアップデート

  • 行動: 1~3カ月ごとに「うまく回っているか」を振り返り、さらにブラッシュアップ
  • 狙い: 「リスクレビューの頻度は妥当? もっと短くてもいい?」など、継続的に最適化

10. 🏆 まとめ

  • KGI: 「プロジェクトをいつ・どんな条件で終わりとするか」の北極星
  • KPI: 進捗・品質・チャージビリティ・リスクなどを数値で捉え、早期に問題を発見する羅針盤
  • KSF: それらを形骸化させないための「必須ルール・プロセス」(週次レビュー、承認フロー、作業時間トラッキング、リスクレビューなど)

リスク管理をKSFに含め、リスクレビューリスク登録率などをKPI化すれば、受託開発でありがちな「後半で想定外の炎上」という事態をかなり減らせます。
さらにチャージビリティ追加要件管理を同時に意識して、**「納期・コスト・品質・リスク」**のバランスを取るのがプロジェクト成功のポイントです。

  • Mermaid図を使ったり、絵文字を入れたりして、チーム全員の共通理解を深める
  • 🔍 数値例で「このままだと工数が○○時間超過…」と示すと、説得力が増す
  • 🏷️ 改善管理プラン(Excelやツールで追跡)でPDCAサイクルを回してブラッシュアップ

これらを組み合わせることで、受託開発の「スコープ肥大&リスク大爆発」という最悪のシナリオを回避し、顧客満足度の高いプロジェクト運営が可能になるはずです。ぜひ試してみてください。応援しています!

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?