はじめに
今回は量子井戸の改良を行います。具体的には量子井戸の中心にポテンシャルの障壁を追加することでより量子ビットとしての役割を果たすようにしていきます。
5 量子井戸の改良
5.1 障壁の追加
量子井戸をビットとして扱うためにここでは量子井戸の改良を行う。具体的には量子井戸の中心にポテンシャルの壁を作る。このポテンシャルの高さを$V_b[eV]$、幅を$W$とするとポテンシャルは以下のように表される。
V(x)=\left\{\begin{array}{ll}
V_b & (|x|\leq \frac{W}{2})\\
0 & (\frac{W}{2} < |x| \leq \frac{L}{2})\\
+\infty & (|x| > \frac{L}{2})
\end{array}
\right.
\quad (5.1)
5.2 障壁あり量子井戸のプロット
基底状態と第一励起状態の障壁のサイズ$V_b$を3[eV]少しずつ大きくして行った時の様子をプロットしてみる。
5.2.1 基底状態の時
5.2.2 第一励起状態の時
以上の結果から、$30[eV]$ほどで二つに分けることができるのがわかった。
5.3 障壁あり量子井戸に電場を加える
上の結果を利用して、障壁あり量子井戸に電場を加える。障壁がある場合には、量子井戸に加える電場はこれまでよりも遥かに小さくても影響が現れる。前回は1.0e9単位で増やしていたが、今回は1.0e6単位で増やしていくだけで変化が見られる。これを確認してみる。
5.3.1 基底状態の時
電場が10e7ほどでほぼ全ての分布が左によっているのが確認できる。
5.3.2 第一励起状態の時
電場が10e7ほどでほぼ全ての分布が右によっているのが確認できる。