はじめに
結晶構造の可視化ツールVESTAの概要と具体的な使い方についてご紹介いたします。
VESTAとは
VESTA(Visualization for Electronic and STructural Analysis)は結晶構造、電子・核密度等の三次元データ、及び結晶外形の可視化プログラムです。結晶構造を簡単に可視化することができ、第一原理計算ソフトウェアの入力ファイルへの変換や、計算結果の可視化にも利用可能です。
VESTAの使い方
公式マニュアルもありますが、以下のサイトなどにも詳しく使い方が説明されており参考になると思います。
VESTAの使用例
「Materials Projectからcifファイルの入手→VESTAで可視化」の流れについて解説いたします。今回は例として"NaCl"の結晶構造を可視化していきます。
cifデータの取得
Materials Projectのトップページで"Na"と"Cl"を選択して検索します。
合計12個の候補が検索されました。NaClで"E Above Hull"が最も小さい赤枠で囲ったmp-22862を選択します。なお、Energy Above Hullは熱力学的凸包(Convex Hull)からどのくらいエネルギー的に不利であるかを表す指標です。安定相では0であり、Energy Above Hullが小さいということは実験上最も生成しやすい(安定である)ことを表しています。
CIF→Computedを選択し、cifファイルを取得して保存します。
VESTAでの可視化
VESTAを起動し、File→Openで上記で保存したcifファイルを選択して開きます。
ファイルを開くと以下のような画面が表示されます。ここから原子間の距離の検索や結晶構造のアレンジなど様々なことが実行できます。
まとめ
VESTAの概要と具体的な使い方についてご紹介いたしました。