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Tech WomenAdvent Calendar 2014

Day 15

土木の世界からインターネット業界に転身した女性として思うこと

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こんにちは、okaneyaです。
大学・大学院では土木工学を専攻し、この春卒業してインターネットサービスの会社に就職しました。この組み合わせは珍しいようなので、こちらの世界に来て戸惑ったことや考えたことについて書いてみようと思います。

##「一旦リリースしてみよう」の文化に当惑した
インターネット業界に来て一番当惑したのが、「完成形じゃなくても、一旦世に出してみる」ことができる点です。

橋やダムを「強度が不安だけどとりあえず作ってみようか〜」と言って作ることは絶対に許されません。人が死にます。然るべき手順を踏んで、多くの組織や人が関わって、綿密な計画の上にようやく着工のGOサインが出ます。

一方自分が今関わっているwebサービスは、最初から完璧に作り込まなくても仮説を検証するのに十分なだけのものがあればとりあえずリリースすることができます。まずは最小機能のサービスを作って、人に使ってもらって反応を見ながら改善していこうという考え方は、リーンスタートアップやアジャイル開発という形で手法化もされています。
私の知人に、インターネットで米を買うサービスを立ち上げた人がいます。彼は、購入ボタンが押されたらその都度米屋に米を買いに走って発送するというオペレーションでサービスをスタートさせました。サービスの仕組みとしてはまったく不十分ですが、インターネットで米を買う人がいるという仮説を検証するためにはこれで十分だったのです。

大学で土木の考え方に慣れていた自分は、最初この文化の違いに戸惑いました。「まだだいぶ使いづらい気がするんだけど出しちゃっていいの?」「価値が認められる気がしないんだけど、これ出しちゃうの?」そう思ってリリースをためらっていました。でもやっているうちに、この考え方が理に適っていると思えるようになってきました。今まで存在しなかった新しい価値を生み出すのがインターネットサービスの醍醐味なわけで、前例のないことは試してみないとわからないですね。

「新しいことだからうまくいくかどうかわからない、わからないからとりあえずやってみよう!」
小さく始められるし、だめだったらすぐ撤退できる。試しにやってみることができるのもまた、インターネットの世界の非常に大きな利点であり面白いところだと思います。どんどんやっていこう。

##人と時間の規模感に当惑した
土木工事のプロジェクトには、たくさんの人が関わります。専門性が高くて職種も多岐にわたるため、人数は必然的に多くなります。関係者が多くなるので、意思決定にも時間がかかります。プロジェクトには数年の単位で時間がかかります。大きな仕事をするのには人も時間も必要で、みんなで協力して後世に残るものを作り上げるところにロマンと面白みがあります。

一方、インターネットサービスの世界では数人のチームが当たり前です。一人でサーバー周りからデザインからすべてやってサービスを作り上げる人も珍しくありません。そうして数日とか数週間でサービスリリースまでこぎつけます。

これも最初違和感を感じたところでした。私は、仕事はそれぞれ得意とする人がいるから分業した方が効率的だし質の高いものができる、と信じてきました。ところが、今自分の周りにいる人はちがう考え方を持つ人が結構います。自分の実現したいものを正確に伝えてその通りに作ってもらうためのコミュニケーションコストは高いから自分ですべて実装できるのが最強!という考え方です。もちろんチームで行う部分もあるけれど、主体的に動くことでもっともっと面白いものや思い通りのものができる。やりがいの大きさを実感しました。

その気になればすべて自分でやることができて、自分の手で思いを形にしたり価値を生み出すことができる。自分の思うものを作れるのはこの業界にいる者の特権だと思います。

##女性が少ないのはいっしょ。でも活躍の機会は圧倒的に大きい!
男性に比べて女性プログラマーは非常に少ないと言われています。土木エンジニアの世界も同じです。女性の土木エンジニアはドボジョと呼ばれ、たいへん 稀有な 希少な存在です。両者を比べると、女性土木エンジニアに比べて女性プログラマーは圧倒的に活躍の可能性が大きいと感じています。

女性として土木エンジニアを目指す利点は、正直少ないと思います。もちろん職場の多様性を取り入れるという意味で組織にとっての利点はありますし、積極的に女性を採用する流れはあります。が、体力面では男性に適いませんし、女性の受け入れ体制が整っていない現場も多いですし(トイレや更衣室事情)、女性の特長や優位性が活かせる場は多くないのではないでしょうか。

この点、インターネットサービスの世界は女性が活躍するのに非常に良いフィールドだと言えます。身体的・社会的ハンディがないというだけでなく、女性的な視点やアイディアを活かす場がたくさんあるからです。特に、女性を対象にしたサービスでは大いに活躍できます。

私が働くレシピサイトの会社は、ユーザーの9割が女性であるにも関わらずプログラマーは男性がほとんどです。ユーザーの抱える課題や考えや行動をより理解している女性プログラマーの視点は、大変貴重なものであると認識されています。

#まとめ
コードが書ける女性は、活躍の場がすごく広いし人材価値も高そう。やり始めてみると、一人で黙々とPCに向かうプログラマーのイメージとは裏腹に、いろんな人に聞いたり一緒にやることが多くて、いい意味で期待を裏切られました。今の課題は、飽きずにやる気を保つことです。。がんばります。いい方法あったら教えてください。

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