誰でも爆速でマッチングサービスが作れるようになるかなーと思い記事化しました
「あなたこそシンデレラ」というマッチングサービスを作る上で手間取ったことを中心にご紹介します
▼この記事でわかること
- マッチングサービスを作る流れ
- 警察署へ提出すべき書類
- Appleへアプリの審査を出す際に気をつけること
- サーバーサイドで気をつけること
- 全体的な費用とかもわかります
▼はじめに
街を歩くと**「クリぼっちの人ですね!」と言われるようになったおかむー**です。嬉しいですけど、なんだか切ない気持ちになります笑
「今年こそクリぼっちを救えるのか!~今年はクリぼっちが少ないらしい その2~」
- 12月に「あなたこそシンデレラ」というマッチングサービスを個人でリリースしたのですが、 法的な手続きや各種申請などが予想以上に大変だったので他の方の参考になればと記事にしています
- これからマッチングサービスを作る方の参考になればと思います
注意事項
- 東京都での運用のため東京都の条例や書類に準拠した形でこの記事を執筆しております
- 2018年12月現在でのことですので、将来変わる可能性もあることを考慮しておいてください
- 法人ではなく、個人として営業をする場合の記事になっております
▼どんなアプリ?
有志だけで作った恋愛アプリ「あなたこそシンデレラ」
noteにて紹介させていただきます。
https://note.mu/fairy2cinderella/n/n78f5123c186f
【追記】こちら2019年10月をもって一旦終了させていただきました!!
終了秘話はこちら
さて、本題に移ります。
▼マッチングサービスを作る流れ
- 1: ひたすら実装
- 2: 利用規約が書かれたLPなどを作る
- 3: 運営に必要な管理画面を用意する
- 4: 運営するための本拠地を用意する(拠点、電話番号)
- 5: 警察署への書類を揃える
- 6: サービスを公開する
という感じになるかなと思います
ちょっとまって、そういえば
▼マッチングサービスと普通のサービスとの違いは
- マッチングサービスを法律上**「インターネット異性紹介事業」**といいます
- この「インターネット異性紹介事業」に該当する場合は警察署への書類審査などを提出しないといけないことになります
どこからどこまでインターネット異性紹介事業なのか
インターネット異性紹介事業としての条件
1. 面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること
2. 異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること
3. インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること
4. 有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること
もう少しわかりやすく言うと
1. 交際目的の人々が
2. お互いのプロフィールが閲覧可能で
3. DM機能のある
4. 継続したサービス(無料でも)
をすべて満たしていれば出会い系サービスとして、警察署に届け出をださないと
6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金になります
ヒトメボの例
- ヒトメボというサービスはめちゃくちゃ有名ですね
ヒトメボは、利用者が街やカフェや電車の中で「いいな」と思う人を見かけたときに、
携帯端末に表示されるスイッチを押して位置情報を送信することで、一目惚れした時間と場所を記録できる無料サービス。
同じ時間、同じ場所で記録した2人がいたとき、ヒトメボでは「2人は両想い」と通知される。
というマッチングサービスっぽいアプリなのですが、このサービスは
「インターネット異性紹介事業」を回避するために、あえて
マイページの一般公開やメッセージの送受信機能などは備えていないようです。
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このように、書類提出を免れるためにあえてそういうサービスにするのも1つの手段です。
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さて、マッチングサービスの定義がわかったところで、実際に実装するにあたって
▼サーバーサイドで必要な実装・注意点など
管理画面はマスト
まあ、マッチングサービスでなくても管理画面はつくりますが、予め閲覧可能しておかないといけない画面などがあります
①資金決済法で、購入情報やレシートを管理画面で閲覧できるようにしておく必要があります
- 「表示義務」と「情報提供義務」にあります
- 主な規制内容: 「表示義務」と「情報提供義務」
(7)電磁的方法により金額等を記録しているもの 未使用残高または当該未使用残高を知る方法
に該当すると思われます。
②内部では、無料ポイントと有料ポイントを分けておくと会計上有利になる
- 有償ポイントが1000万を超えてしまうと、別途対応が必要になります
基準日未使用残高が1,000万円を超えた自家型発行者及び第三者型発行者が、発行保証金の保全義務の対象者となります。そして当該基準日未使用残高の二分の一の額以上の額に相当する額の発行保証金を、内閣府令で定めるところにより、主たる営業所又は事務所の最寄りの供託所に供託すること等により保全しなければなりません。
③有償ポイントに期限をつけるはAppleの規約上だめです(無償はok)
3.1.1 App内課金:
App内課金で購入されたクレジットやゲーム内通貨に有効期限を設定することはできません。
▼アプリ側で必要な実装・注意点など
①ブロックと通報機能
マッチングじゃなくてもユーザーの投稿系のアプリには必須の機能ですね
1.2 ユーザー生成コンテンツ
ユーザー生成コンテンツを含むAppでは、知的財産の侵害や匿名の嫌がらせなど、特定の問題が生じることがあります。悪用を防ぐため、ユーザー生成コンテンツやソーシャルネットワーキングサービスを含むAppは以下を備えている必要があります。
・不適切な内容がAppに投稿されることを防ぐ手段
・ユーザーが不適切なコンテンツを報告し、それに対して迅速に対応することができる仕組み
・不適切な言動を行うユーザーをブロックする機能
・ユーザーがすみやかに連絡できる、デベロッパの連絡先情報
②年齢確認
- インターネット異性紹介事業による規則で
- 警視庁:児童でないことの確認方法について
児童でないことの確認を済ませていない利用者に、インターネット異性紹介事業サイトを利用させた場合、行政処分の対象となります。
利用させる前に、本法施行規則第5条に定められた、次に掲げるいずれかの方法を必ず実施し、年齢確認を行ってください。
ア:利用者の運転免許証、国民健康保険被保険者証その他の年齢又は生年月日を証する書面のうち、
・年齢又は生年月日
・書面の名称
・書面の発行・発給者の名称
に係る部分について提示、写しの送付又は画像の送信を受けること。
イ:クレジットカードでの支払い等、児童が通常利用できない方法によって料金を支払う旨の同意を得ること。(注記1)
ウ:上記2通りの方法で児童でないことの確認が取れた者に対して、識別符号(ID・パスワード)を付与(注記2)し、以後の利用の際にはこの識別符号の送信を受けること。
エ:児童でないことの確認業務を識別符号付与業務受託業者に委託している場合は、利用者の送信した識別符号を、委託業者に照会して確認すること。
オ:利用者に特定情報(注記3)を閲覧させたり、書き込みさせたり、送受信させない場合は、自己申告等による利用者の年齢確認を行うこと。
③資金決済法に基づく表示
- アプリ内課金があるので「「資金決済法に基づく表示」の記載」をしないといけません
- 資金決済法に基づく表示
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ようやく実装上の注意点も洗えたことですし、実際に警察署への書類を見てみましょう
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▼警察署へ提出すべき書類
①インターネット異性紹介事業開始届け
- この書類には、主にどのような運営を誰がやるのかを記載します
- 未成年か成人か確認する方法について記入しないと行けないです
- ②にも書きますがこの条件をどうやってクリアしているかを具体的に記入します
- 提出に掛かった期間: 数ヶ月程度
- この**「インターネット異性紹介事業開始届け」**を提出するために各種書類を揃えることになります
- 手数料無料
- 基本的には、事務所がある住所の管轄している警察署の少年課の担当の方に受理していただきます
- 事前に電話でアポを取ったほうが良いです
- 記入方法だったり、住所の少しの記入ミスも指摘されますのでご注意を
「インターネット異性紹介事業開始届け」を提出するための必要書類
- ②身分証明書
- ③誓約書
- ④送信元識別符号を使用する権限があることを証明する書類
- ⑤事務所の住所
- ⑥事務所の電話番号
- ⑦登記されていないことの証明書
- ⑧住民票の写し(本籍、外国人の場合は国籍等を記載したもの)
これらをすべて持っていけば勝ちです。
②身分証明書
-
禁治産・準禁治産宣告の通知、後見登 記の通知、破産宣告・破産手続き開始決定の通知を受けていないことの証明書らしいです
-
申請者の本籍地を管轄する戸籍係で交付を受けることができるようです
-
私の場合は遠方だったので委任状を提出し取得してもらい、郵送してもらいました
-
取得まで: 数週間
-
費用: 事務手数料など数百円
③誓約書
- ちゃんと法律を守るしがんばるよーという誓約書です
- 住所と名前を記入します
- 用紙はDLできるので、無料で出来ます
- 警視庁: 誓約書
④送信元識別符号を使用する権限があることを証明する書類
- これは何かと言うと、**サーバーはちゃんと運営が管理できるようになっているんだろうね?**という証明をするものです。
- 私は最終的には、whoisを印刷した紙を提出しました
- 内容には、ドメインと名前と住所、電話番号が提出されたものと一致しているかを確認していました
$ whois OOOO.com | pbcopy
をして、ワードとかにペーストすればokですね!
場合によっていはwhoisだけでは受理されないかもしれない
- 最初の人は、whoisだけじゃ弱いと言われてしまい、AWSを使用している証明書を発行しろと言われてしまいました
- しかし、担当の方が変わるとokでした
⑤事務所の住所
- 「インターネット異性紹介事業開始届け」を提出するには、事務所を定めなくてはいけません**(バーチャルオフィス不可)**
- **住所や電話番号が公開されます。**私は自宅はちょっと嫌だったので、レンタルオフィスを契約しサービス開発および運営の中心拠点はこの事務所で行うようにしています
- 費用:月4万ぐらい
- 注意点: 「事務所」とは、事業活動の中心となる一定の場所のことを言い、下記のような場所は、登記の有無に係わらず「事務所」に当たりませんので、この場合は事業を行う方の住居を事務所に代えて届け出てくださいとのこと
・私書箱(私設含む)等、郵便物等の取扱いを行う代行者の所在地
・電話機(転送、留守番、ファクシミリ等)やサーバコンピュータ等の機器が設置されているのみで、通常は無人の事務所
・電話代行者等、主に連絡取次事務担当のみが在所する事務所
これらは事務所に当たらないので注意してください
⑥事務所の電話番号
- 資金決済法に基づく表示のところや、お問い合わせの欄、「インターネット異性紹介事業開始届け」の提出書類に必要となります
- 別途契約をしました
- 基本的にはなんでもいいみたいです
- 費用:月3,000円ぐらい
⑦登記されていないことの証明書
-
自分が登記されていないことの証明書を取得します
-
法務局で取得できます
-
費用:事務手数料
-
法務局へ行けば即日発行されます
⑧住民票の写し(本籍、外国人の場合は国籍等を記載したもの)
- 発行から3ヶ月以内のもので、本籍、外国人の場合は国籍等を記載したものでないといけません
- 近くの役所で発行してもらえます
- 費用:事務手数料
- 期間:即日発行
▼その他
・出会い系のFacebook広告を出そうかしたときがあったんですが、事前審査いるらしいですね。そのまま出してもバンされます
・「インターネット異性紹介事業」の届け出を代行でしてくれるところもあるみたいですね
- 6万円ぐらいが相場みたいですね
- インターネット異性紹介事業届出代行: 行政書士とくだ法務事務所
▼まとめ
- これ技術系の記事じゃなくない?
- 安心してください途中にシェルコマンドが1つ入っています、
$ whois OOOO.com | pbcopy
- 安心してください途中にシェルコマンドが1つ入っています、
- 上記の通りマッチングサービスの運営を開始するには結構たいへんそうですが、私はやってのけました
- 相談等は承ります
マッチングサービスを開始するまでに掛かった費用
- 証明書発行手数料など、数千円程度
- レンタルオフィス契約 4万円
- 電話番号契約 3,000円
というかんじで、自分で証明書を提出してしまえばそこまで費用はかからないことがわかりますが、とても時間がかかります。
- 「インターネット異性紹介事業」の届け出を代行でしてくれるところであれば6万円程度でできそうです。
月々の支払い
サーバー費用
- AWS: 本番/ステージング環境 1万円ぐらい
- オフィス代など: 4万円
全体的に
- まあ、まだまだマイナスですな!!!!!!
- まあ、負けません!1年以上はやるつもりなので!!!
▼polcaであなたも支援者になりませんか
あなたも「シンデレラ」の支援者になりませんか
応援の言葉でもありがたいです。お待ちしております><
▼ゆるぼ
- 近いか遠いかわかりませんが将来的に、**「男女の恋心系を改革するため」**組織化もしくは法人化を考えています
- シンデレラに携わってくれた関係者+新たにメンバーを募集しようかなーと思っています
Twitterなどでメッセいただければと
https://twitter.com/okamu_ro
▼さいごに
合わせてどうぞ