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はじめに

はじめまして、パナソニックコネクト株式会社クラウドソリューション部アーキテクト2課の岡本です。

突然ですが、皆さんはAIを使っていますか?
私の場合は、「使わない日はない!」というくらい毎日生成AIの力を借りて仕事をしています。今では無くてはならない大切なツールになりました。

今回は、そんな昨今流行りのAIに関するAWS認定資格「AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01)」に挑戦し、無事合格できた体験談を、岡本の記念すべき第一弾の投稿として皆さんにお伝えできればと思います:point_up:

AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01)とは?

試験の概要

AI/MLに対する基本的な理解と、AWSで用意されているAI/ML(機械学習)サービスの理解を問う試験です。
公式が公開している試験範囲を一通り確認してみると良いでしょう。

AWS公式試験ガイド
https://d1.awsstatic.com/ja_JP/training-and-certification/docs-ai-practitioner/AWS-Certified-AI-Practitioner_Exam-Guide.pdf

同じ「Foundational」カテゴリである「AWS Certified Cloud Practitioner」のようなAWSサービスに対する基本的な理解だけをひたすら問う雰囲気と違い、AWS上のAI/MLサービスに加えAI/ML(機械学習)そのものの理解も試験範囲となっている点に注意です。

また、受験するために必要な基準などは特にありません。
AI・MLの構築や実装経験がある方は当然ながら理解が早いと思いますが、そのような経験がない場合でも問題なく資格取得に取り組めます。(私岡本は、AI/MLの構築・実装経験は皆無でした)

問題の形式

上記の試験ガイドに記載がありますが、以下の形式のうち1つ以上が含まれる試験となります。

  • 択一選択問題
    4つの選択肢のうち正しい選択肢が1つ、他3つが誤りの選択肢である形式
  • 複数選択問題
    5つ以上の選択肢の中で正しい選択肢を2つ以上選ぶ必要がある形式
  • 並べ替え
    指定されたタスクを完了するために、リストの中の候補を正しい順番で並び替える形式
  • 内容一致
    プロンプトのリストと一致する答えのリストが提示され、全てのペアを正しく一致させる形式
  • ケーススタディ
    1つのシナリオに対して2つ以上の設問が用意されている形式

具体的な問題形式のイメージを掴みたい方は、以下公式が用意しているSkill Builderを活用することをお勧めします。
ただ、個人的な意見を申しますと、こちらの20問程度の問題が解ける=合格ラインというわけではないと思いますので、あくまでも問題の形式に慣れる目的で活用いただければと思います。(利用には無料のアカウント登録が必要です)

AWS 認定試験に向けて準備する | トレーニングと認定 | AWS
https://aws.amazon.com/jp/certification/certification-prep/#Exam_preparation_with_AWS_Skill_Builder

試験勉強に関して

この試験に挑戦したい方に向けて、私が実施した勉強内容を記載しておきます。参考になれば幸いです。
私の場合は、以下の方法で809点でした。(合格ラインは700点)

教材(座学用)

以下のピンク色が目印の参考書を購入しました。
まずは試験の大枠を把握したい!という方が、はじめに軽く読み込むという使い方が適しているかと思います。個人的には試験直前に見返すことはほとんどありませんでした。

AWS認定AIプラクティショナー 合格対策テキスト+問題集 | 深澤 俊, 大瀧 隆太(クラスメソッド株式会社) |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/AWS%E8%AA%8D%E5%AE%9AAI%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%BC-%E5%90%88%E6%A0%BC%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%95%8F%E9%A1%8C%E9%9B%86-%E6%B7%B1%E6%BE%A4-%E4%BF%8A/dp/4297147726

教材(演習用)

Udemyの講座「AIF-C01 / AWS Certified AI Practitioner 対策テスト4回+補足問題」
こちらの内容を8-9割ほど正解できるようにひたすら解きまくる!という感じです。
表題は対策テスト4回と書いてますが補足問題が2回分ありますので全6回分が用意されていて、しっかり量をこなせる教材となっております。
私のように、問題を解きながら試験に合格したいという方は、演習系の教材はこれ一本でも十分だと思います。

Skill Builder(試験慣れのための演習問題20問)
前述の通り、試験の形式に慣れるために一度解いておくとよいです。
試験直前に解くのであれば、8~9割くらいは欲しいところです。

勉強時間と進め方

取り組んだ期間としては1か月半くらいでした。
前半の2週間くらいで、座学用の教材に目を通しつつUdemyで、
問題を解いてみる → 間違える → 解説を読む
を繰り返しました。

直前の2週間は、休日のまとまった時間を使ってとにかくUdemyを解きまくり、何度も間違える部分や理解が浅い部分についてポイントをメモして見直すようにしました。
本試験では以下の例のような、覚える必要のある事項が一定量ありますので、直前に見直しの時間をまとめて取ると良いでしょう。

  • Sagemaker ○○系の機能の理解
    Sagameker JumpStart,SageMaker Data Wrangler,SageMaker Ground Truth,SageMaker Processing,,,

  • 機械学習のアルゴリズムに対する理解
    教師あり学習→線形回帰、決定木回帰、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト等
    教師なし学習→主成分分析 (PCA)、K-means、潜在的ディレクトリ配分法

受けてみて感じたこと

ここからは岡本の個人的な感想となりますので、興味のある方のみお読みいただければ幸いです。

生成AIの使い方が変わった

AIに関わる試験の勉強をしたので当たり前といえば当たり前ですが、AIの仕組みを概要レベルで把握していくと、AIを活用していく上でのベストプラクティスな方式が分かってくるようになり、これに伴って日頃の業務のやり方を変えるようになりました。

例えば、本試験の学習テーマである「プロンプトエンジニアリング」というものが最たる例だと思います。以下のNRI様の記事に分かりやすく紹介されています。

プロンプトエンジニアリング | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/prompt_engineering.html

こちらは、AIから狙い通りの回答や望ましい出力をもらうために、指示や命令として渡すプロンプトを設計・最適化する手法で、生成AIへのプロンプト入力時には

  1. 命令・指示
  2. 背景・文着
  3. 入力
  4. 出力形式
    の4要素を含めた適切な入力が必要です。
    この内容を知った後では、社内での生成AI活用だけでなく、私生活での生成AIへのプロンプト入力も少し考えてから行うようになりました。

実際に試してみた

せっかくなので資格取得に伴って得た知識を試してみて、勉強の大切さを実感しようと思います。
一つの例として「AWSスキルを向上させる方法を生成AIに考えてもらいたい!」というケースでプロンプトエンジニアリングを検証してみます。

■パターン1
なにも追加情報を付与せずシンプルに指示
(この方式は”ゼロショットプロンプティング”と呼ばれています)

zeroshot_Q.txt
AWSスキルを向上させるために取り組むべきことを教えてください。

生成AIからの回答

zeroshot_answer.txt
1. 公式ドキュメントの熟読:
AWSの公式ドキュメントは非常に充実しています。サービスの使い方やベストプラクティスを学ぶために、定期的に読むことをお勧めします。

2. AWSトレーニングと認定:
AWSが提供するトレーニングコースや認定プログラムを受講することで、体系的に学ぶことができます。特に、AWS Certified Solutions ArchitectやAWS Certified Developerなどの認定資格は、スキルを証明するのに役立ちます。

3. ハンズオンラボ:
実際に手を動かして学ぶことが重要です。AWSの無料利用枠を利用して、さまざまなサービスを試してみましょう。AWSのハンズオンラボや、Qwiklabsなどのプラットフォームも活用できます。

4. プロジェクトの実施:
自分のプロジェクトを立ち上げて、AWSを使ってみるのも良い方法です。例えば、ウェブアプリケーションをAWS上にデプロイするなど、実践的な経験を積むことができます。

5. コミュニティへの参加:
AWSのユーザーグループやフォーラム、Meetupなどに参加して、他のユーザーと交流し、情報を共有することも有益です。

6. 最新情報のキャッチアップ:
AWSは頻繁に新しいサービスや機能を追加しています。公式ブログやAWSのイベント(AWS re:Inventなど)をフォローして、最新情報を常にキャッチアップしましょう。

7.書籍やオンラインコース:
AWSに関する書籍や、Udemy、Courseraなどのオンラインコースを利用して、専門的な知識を深めることも効果的です。

8. 問題解決能力の向上:
AWSを使った問題解決の経験を積むことで、実践的なスキルが向上します。例えば、トラブルシューティングやパフォーマンスの最適化に挑戦してみましょう。

これらのステップを通じて、AWSに関する知識とスキルを着実に向上させることができるでしょう。

かなり網羅的に回答してくれました。ただ、前提条件や補足情報を渡していないのでどの項目を見てもかなり一般的な内容にとどまっているのが印象的ですね。

■パターン2
次はプロンプトエンジニアリングの原則にならいまして、以下のような追加情報を付与したプロンプトでお願いしてみます。

promptengineer_Q.txt
AWSスキルを向上させるために取り組むべきことを教えてください。
例として、AWSを用いたシステム開発を主な業務内容とするIT企業に従事する新入社員が、最初の1年間の間にスキル向上のために取り組むべき内容を考えてください。
回答の際はマークダウン形式で出力し、項目ごとに取り組むべき内容が直感的に分かるようにしてください。

生成AIからの回答

promptengineer_answer.txt
新入社員がAWSスキルを向上させるために、以下の項目に取り組むことをお勧めします。

1. AWSの基本を学ぶ
・AWS公式トレーニング: AWSが提供する無料のオンラインコースを受講し、基本的なサービスや概念を理解する。
・AWS認定資格: 「AWS Certified Cloud Practitioner」などの入門資格を目指す。

2. 実践的なプロジェクトに参加
・社内プロジェクト: 可能な限り社内のAWSを使用したプロジェクトに参加し、実務経験を積む。
・個人プロジェクト: 自分の興味に基づいた小規模なプロジェクトをAWS上で構築し、実践的なスキルを磨く。

3. AWSのサービスを深く理解する
・主要サービスの学習: EC2、S3、RDS、Lambdaなどの主要サービスについて、ドキュメントを読み、実際に使ってみる。
・アーキテクチャの理解: AWS Well-Architected Frameworkを学び、ベストプラクティスを理解する。

4. コミュニティに参加
・勉強会やMeetup: AWS関連の勉強会やMeetupに参加し、他のエンジニアと交流する。
・オンラインフォーラム: Stack OverflowやAWSのフォーラムで質問や回答を行い、知識を深める。

5. DevOpsとCI/CDの理解
・CI/CDツールの学習: AWS CodePipelineやCodeDeployなどのCI/CDツールを使って、デプロイメントプロセスを自動化する方法を学ぶ。
・Infrastructure as Code: AWS CloudFormationやTerraformを使って、インフラをコードとして管理する技術を習得する。

6. セキュリティの重要性を理解
・AWSセキュリティベストプラクティス: IAM、VPC、セキュリティグループなどのセキュリティ関連サービスを学び、セキュリティの重要性を理解する。
・セキュリティトレーニング: AWSのセキュリティに関するトレーニングを受講し、実践的な知識を得る。

7. 定期的な振り返りと学習計画の見直し
・月次レビュー: 毎月、自分の学習進捗を振り返り、次の目標を設定する。
・フィードバックの受け入れ: 上司や同僚からのフィードバックを受け入れ、改善点を見つける。

8. 最新情報のキャッチアップ
・AWSの公式ブログ: AWSの新機能やサービスについて、公式ブログを定期的にチェックする。
・ウェビナーやカンファレンス: AWS主催のウェビナーやカンファレンスに参加し、最新のトレンドを学ぶ。

これらの取り組みを通じて、AWSに関するスキルを着実に向上させることができるでしょう。

先ほどよりも具体的な内容で、前提の「AWSを用いたシステム開発を主な業務内容とするIT企業に従事する新入社員」向けの項目が列挙されていることが分かりますね。

このことから、ある特定のユースケースに対して具体的な回答を引き出したい場合は、前提となるシナリオや状況の説明を追加する必要があることが分かるかと思います。

弊社では、「ConnectAI」と呼ばれる社内で利用可能な生成AIを中心に、AIを活用した業務効率化を実施しているんですが、このAIを使う際にも上記のような知識を意識しながら業務にあたるようになりました。

パナソニック コネクトのAIアシスタントサービス「ConnectAI」を自社特化AIへと深化 | 技術・研究開発 | 技術・研究開発 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン
https://news.panasonic.com/jp/press/jn230628-2

最後に

やはり技術の進化と共に、資格取得などのきっかけを通じて新しい知識をインプットしていくことは大切ですね。
今回はAIの資格取得を取ったことで起きた業務への変化をピックアップしました。
次回のAIの話題では、資格で勉強したAWSサービスの内容を実際にハンズオン形式でアウトプットしてより知識を深めたいなと思います。ありがとうございました。

注意事項

  本ブログに掲載している内容は、私個人の見解であり、
  所属する組織の立場や戦略、意見を代表するものではありません。
  あくまでエンジニアとしての経験や考えを発信していますので、ご了承ください。

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