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先輩エンジニアとしてのコミュニケーションの勘所

Last updated at Posted at 2023-12-02

この記事はリンクアンドモチベーション Advent Calendar 2023の3日目の記事になります。

はじめに

これまで僕はバックエンドエンジニアとしてキャリアを始め、フロントエンドに転向し、新規プロダクトの立ち上げなどを経験してきました。
小さなチームで働く機会が多く、チーム内でもいわゆる若手の層だったので先輩のエンジニアの方々と協業していました。

しかし、最近はチームやプロジェクトをリードする機会が増え、チーム内にも後輩のエンジニアが出来ました。
育成、特にコミュニケーションにおいて、個人、またチームとして意識しておきたいポイントをまとめようと思います。

前提

僕の所属するチームは社員が4人でそのうち1人が新人のため育成の優先度は高いです。
実際の開発の効率を落としたくはない かつ 早く1人前になってもらいたい。という状況です。(そのようなチームが多いと思いますが...)

投資対効果は高くしたく、少ない投資で大きなリターンが欲しいです。つまり勝手に育っておいてもらいたい。
直近起きてるな〜と思った問題とそれに対して行ったことを整理したので記載します。

認知が合ってないとお互いつらいことになる

正直、先輩とはいえ後輩が何から何まで出来るかどうかなんてわかりません。
なにかタスクや課題を渡す時には目的や、納期、方法などをすり合わせますが、そもそも互いの基準が擦り合っていないと、しばらくして、なかなか進んでいないことに気がついたり、そもそも荷が重すぎる内容を渡してしまっていたりすることがあるんじゃないでしょうか?

更につらくなるのは「出来ると思っていたのに...」というもの以上に、「想像以上に重たいタスクになってしまったな。。。」「もう少し適切なものからやってもらったら良かったな」ということの方が多い気がします。

能力を見極めることは難しいと感じる

お互いにわからないでいるままがいいと思っているわけではないです。
しかし具体的なタスクを進める際にどのように取り組んでいるか、それが難しいと捉えているものなのか、簡単だと捉えているものなのかを正確に把握することは難しいと思います。
実際に「難しいです」と難しいと思って言ってるかわからないですし、「大丈夫です!」と言ってるのに大丈夫じゃないことは往々にしてあると思います。
どこまで教えたら良くて、どこまでは理解しているんだ..とよく悩んでしまいます。

なかなかちゃんと伝わってないなという感覚にもなる

更には教えようとして、何かを伝えようとします。その時に例え話をよく使いますが、それもなかなか伝わってる気がしない。
具体的な話は話でそもそもの言葉の意味が通じている感じがしない...みたいな感覚です。

何が起きているのか

ここで起きている原因の1つが互いに期待値を曖昧なまま進めてしまっていることです。
先輩は先輩で正しくスキルや後輩の課題に対する捉え方を理解できていないし、後輩も自分がどんなものを最終的にアウトプットしたらいいのかを正しく期待値を理解していないことがあります。

必要なことはお互いにすり合わせることです。

解決していくために

解決のためのコミュニケーションとしてはどこまで教えたらいいのか、任せてできるのか をすり合わせ整理することが大切です。

まずはアウトプットしてもらい方針やゴールをすり合わせましょう。
具体的にタスクの進め方を書き出してもらったり、現状の理解を言葉にしてもらって聞くことが効果的です。

また、期待以上のことが出来ることもあればそうでないこともあります。
先輩と後輩のお互いがそのタスクに対してどう捉えているのかを整理することが大切です。

そのために、課題と育成対象の能力を考えタイプに分けて対応を変えています。
以下のように整理して、対応の方針を変えています。

image.png
引用:フィードバックとは?意味や目的・やり方を解説 !効果を高める方法

上記は管理職のマネジメントの手法に関してまとめている図ですが、あらゆる先輩と後輩の関係で応用できると思います。

  • 先輩も後輩も出来ると捉えている場合
    • 信じて任せて見ましょう。どんどん挑戦してもらい、失敗も経験してもらうと良いです。
  • 先輩は出来る、後輩は出来ないと捉えている場合
    • 励まして背中を押してあげましょう。言語化させて進め方を引き出しましょう。
  • 先輩は出来ない、後輩は出来ると捉えている場合
    • 正してあげましょう。正しく課題を認識できるまで指摘しましょう。
  • 先輩も後輩も出来ていないと捉えている場合
    • 教える、もしくはその観点について学ぶ必要があります。何をインプットしてほしいのか明確にリクエストしましょう。

課題とどんな関係性であるのか適切に把握しつつ、対応の方法を考えています。
「あ、ここは教えたほうがいいのかな」や「あ、ここはもっと任せてみようかな」とかを都度考えてコミュニケーションしています。

期待を下げないこと

技術の進化もあり、インプットの元になる情報は圧倒的に増えています。
生成AIの台頭もまさにそうで、あらゆる情報に触れる機会は多くなっています。
これらの技術を正しく使いこなしていけば人の成長角度はどんどん高まっていくはずです。
「自分たちはこうだったから」という思考に縛られず、育成論もチームでアップデートしていきたいと思っています。

おわりに

以前新人の際に気をつけることについて記事を書いていたのですが、いつの間にか新人とコミュニケーションする側になっていました。
改めてまとめてみると、なんだか当たり前のことも多いですが、意図して実行することでより良くなっていると感じています。
こういったことで悩んでいる方の力になれれば幸いです。

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