技術的な交流・Output文化の醸成したいけども、いきなり浸透するものでもなく、困っているコミュニティ(企業)多いと思います。
また、上記の達成のため任意の社内勉強会を実施するも、参加率が低くて悲しい気持ちになった開催者も同様に多いのではないかと思います。
試験的に強制参加で実施してみたら知見を得たのと、また想像以上の盛り上がりがあったので記録しておきます。
現状・背景
弊社の属性
- SES事業中心
- 業務内業・取り扱い技術がバラバラ
- 労働時間帯もバラバラ
- 一人現場も多くて調整が大変
- 採用
- 未経験者も積極採用
社内勉強会の状況
- 月1回程度で有志が全社に周知し実施
- 参加率は全体の約5%
- 内容はもくもく会が多め
実施要項
建付け
- グループの帰社日
対象者
- リーダー
- 5名
- 会の内容検討・ホストを実施
- メンバー
- 20名
スケジュール
- 事前周知
- 2月
- 資料作成
- 3月
- 作成した資料は随時アップロード
- LT会実施
- 4月
- 5名のリーダーが日替わりで1週間にわたり実施
テーマ
- LT(ライトニングトーク)会
- 発表テーマは自由
- ただし、出来る人は技術関連・業務関連の内容にすること
作成時間
- 勤務時間に含む
- 30分を目安に作成
実施結果
参加実績
- 22/25名
- 5回の会のうち、1つの会が参加者の業務都合により流会したため。
- 流会となった会に参加予定だった人も、資料はちゃんと作成していた。
発表カテゴリ
- 技術
- 9
- ビジネススキル・現場体験談
- 7
- 趣味・雑学
- 6
振り返り
「出来ないからやらない」ではないことが判明した
- 参加率・作成資料・スピーカーとしての能力、そのどれもが想像以上に良かった。
- 任意参加で5%しか参加しない現状なので、正直期待値は低かった。
- みんなの能力があることと、Outputを「出来ないからやらない」ではないことが判明した。
ハードルを下げる工夫が良かった
- 帰社日という建付け・建前
- 既存の社内施策に乗っかることで、参加への納得感を演出。
- 追加の施策として社内業務を増やしすぎると、「案件外の仕事ばっかり増やしやがって…」という心理が働きがち。
- 帰社日の目的は「技術的なスキルアップ」ではなく、「社員間の交流」。
- 技術的な内容である必要がなくなり、ハードルが下がった。
- 既存の社内施策に乗っかることで、参加への納得感を演出。
- 2か月という長期の準備期間
- 資料作成に余裕を持たせる。
- 現場との調整に余裕を持たせる。
- 特に、シフト制の現場との調整は、最低でも1か月以上前から実施必要な場合が多い。
- 下のボーダーとなるサンプル提示
- サンプルとしてまず「与謝野晶子はなぜ力道山を殺さなかったのか?とはなにか?」というネットーミームを題材にした資料を公開し、下のボーダーラインとした。
- オールジャンルにした
- 現場で技術に触れる機会が少ないメンバーも多い。
- 入社して数か月のメンバーもいる。
- 作成時間の指定
- 30分とかなり短めに指定することで、参加者の負荷を軽減。
- 勤怠管理上のメリットも。
- 過重労働防止
- 生活残業防止
- 複数日時設定した
- 1週間のうち、どこかには参加できる想定で設定。
- ホスト側の都合で開催日時を決め打ち設定するケースは多いが、ホスト側は平日日中帯勤務で、時間の調整が可能な場合が多い。
- これはシフト勤務のような調整が困難な現場の人の参加意欲を削る行為。
- 週の初め会参加予定だったが参加できなくなった人が、週の後ろの会に参加出来るケースも。
- 1週間のうち、どこかには参加できる想定で設定。
メンバーの2番槍的な動きに助けられた
- メンバーのうち、最速でアップロードされた資料が「スプラトゥーン3について」であり、ハードルを大きく下げてくれて非常に助けられた。
- リーダーのサンプルをもとに、メンバーが後に続いてくれたことが重要。
- リーダーのように役職者が率先してやって見せても、「役職者なので当然」という心理が働きがち。
- 趣味・雑学カテゴリだった点も助かった。
- この2番槍が技術的な内容で、資料もハイレベルなものだったら、全体的に結果変わっていたかもしれません。
- 作成を促すような根回しは1on1で実施していた。
今後のアクション
強制することにより、みんながOutputする能力はあることが判明。
技術的な交流・Output文化の醸成のために必要なことがスキルアップではなく、参加しやすい仕組み作り・参加するための動機付けが重要であることがわかりました。
なので、今後はそのあたりを整備していきたいと思いました。