[C/C++ にて　オーディオファイルを再生する]
(https://qiita.com/ohwada/items/f1f171908f8af769c56b)　
の続きです。

前回は、OpenAL を使う方法に紹介した。
今回は、irrKlang を使う方法に紹介する。
セットアップに手間がかかったので記録しておく。

irrKlang

オーディオファイルを再生するライブラリです。
https://www.ambiera.com/irrklang/

クロスプラットフォーム（Windows、MacOS、Linux )です。

wav、ogg、mp3、flac、mod、xm、s3m などのファイル形式に対応している。

ライセンス
非商用製品では無料でirrKlang を使用できる。
商用製品では、irrKlang proライセンスを購入する必要がある。

irrKlang のセットアップ

irrKlang はプラットフォーム毎にビルドされたライブラリで配布されている。

パッケージ管理ツールでインストールできない。
かなり手間がかかる。

(1)下記からダウンロードする
https://www.ambiera.com/irrklang/downloads.html

(2) 解凍する
下記のようなディレクトリとファイルの構成に展開される。
bin ディレクトリにプラットフォーム毎にビルドされたライブラリがある。

doc
examples
examples.net
include
lib
media
plugins
readme.txt
changes.txt
bin
dotnet-4-64
linux-gcc-64
winx64-visualStudio
libirrklang.dylib
ikpMP3.dylib
ikpFLAC.dylib

(3) 必要なファイルをシステム領域にコピーする。
(3-1) システム領域にディレクトリを作成する

mkdir /usr/local/opt/irrklang
mkdir /usr/local/opt/irrklang/include
mkdir /usr/local/opt/irrklang/lib

(3-2)ヘッダーファイルとライブラリイファイルをコピーする

cp include/* /usr/local/opt/irrklang/includ/
cp bin/macosx-gcc/*.dylib /usr/local/opt/irrklang/lib

下記のように g++ のコマンドオプションを指定してビルドする。

g++ sample.cpp -I/usr/local/opt/irrklang/include -L/usr/local/opt/irrklang/lib -lirrklang

(5) 実行環境を整備する
以降は主に MAC の場合

(5-1)　シンボリックリンクを作成する。

実行すると、下記のエラーになる。

dyld: Library not loaded: /usr/local/lib/libirrklang.dylib

シンボリックリンクを作成する。

ln -s /usr/local/opt/irrklang/lib/libirrklang.dylib /usr/local/lib/libirrklang.dylib

(5-2) ライブラリの使用を許可する

実行すると、下記のワーニングが表示される。

/usr/local/lib/libirrklang.dylib: code signature in (/usr/local/lib/libirrklang.dylib) not valid for use in process using Library Validation: library load disallowed by system policy

「開発元を検証できないため開けません」

参考 apple developer
Notarizing macOS Software Before Distribution

対応策
署名のないライブラリは、
手動で使用を許可する

システム環境設定のセキュリティとプラバシーから

再度実行すると、確認ダイアログが表示される

参考
macOS 10.15 Catalinaにおける「開発元を検証できないため開けません」

(4)pkg-config を使えるようにする

(4-1) 設定ファイルをコピーする

mkdir /usr/local/opt/irrklang/pkgconfig
cp pkgconfig/irrklang.pc /usr/local/opt/irrklang/pkgconfig

(4-2) PKG_CONFIG_PATH を設定する

export PKG_CONFIG_PATH=/usr/local/opt/irrklang/pkgconfig

(4-2) 動作確認する

pkg-config --cflags --libs irrklang
-I/usr/local/opt/irrklang/include -L/usr/local/opt/irrklang/lib -lirrklang

以上で、下記のようにビルドできる。

g++ sample.cpp pkg-config --cflags --libs irrklang

参考
pkg-configを使ってg++でコンパイルできるようになるまで

irrKlang の使用方法

irrKlang Tutorials

zip ファイルの examples に下記のサンプルがある。

01.HelloWorld
04.OverrideFileAccess
02.3DSound
03.MemoryPlayback
04.OverrideFileAccess
05.Effects
06.Recording

01.HelloWorld を参考にMAC で動くように修正したコードはこちらに。
https://github.com/ohwada/MAC_cpp_Samples/blob/master/irrKlang/play_file.cpp

mp3 を再生する

libirrklang.dylib は、
wav、ogg、mod、xm、s3m などの形式に対応している。

mp3 のときは、実行ファイルと同じディレクトリに ikpMP3.dylib　を配置する。

参考
Cannot play mp3 File

実行すると、ワーニングが表示されるので、
手動で使用を許可する。