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C/C++ にて ランダムな文字列を生成する

Last updated at Posted at 2020-08-16

概要

乱数 および ランダムな文字列の生成について、
整理した。

### C の rand 関数

擬似乱数を生成する関数です。

C言語関数辞典 : rand

サンプルにある下記のコードを鵜呑みにすると、失敗する。

/* 乱数のシードを与える */
srand((unsigned)time(NULL));
/* 乱数を発生させる */
rand();

time 関数は、秒単位の 現在時刻です。
1秒以内に再実行すると、
同じ乱数列になる。

ランダムな文字列を作成するような用途では、
rand 関数の戻り値である
0 から RAND_MAX (32767) では扱いづらい。

0 から N までは剰余演算で求める。
rnd() % N

下記のような関数を用意すると、便利です。

int genRand(int min, int max)
{
	static int flag;	
	if (flag == 0) {
		srand((unsigned int)time(NULL));
        rand();
		flag = 1;
	}
	int ret = min + (int)(rand()*(max - min + 1.0)/(1.0+RAND_MAX));
    return ret;
}

rand 関数は、ランダム性に問題がある。

wikipedia: randの問題点

C11 の random 関数

2011年に Cの仕様が改訂され、C11になった。
C11: A New C Standard Aiming at Safer Programming

random 関数と timespec_get 関数が追加された。

random 関数は rand 関数の問題を解消したもの。

疑似乱数の生成に rand() 関数を使用しない

timespec_get 関数は、
秒単位以下(マイクロ秒)の現在時刻が取得できるようしたもの。

時間情報の取得方法と扱い方

下記のように使う。

struct timespec ts;
// 現在時刻を取得する
timespec_get(&ts, TIME_UTC);
// 乱数のシードを設定する
srandom(ts.tv_nsec ^ ts.tv_sec);
// 乱数を生成する 
random();

注意
g++でコンパイルする時は、
c++17が必要。

おまけ
「c random」という検索ワードではヒットしない。
「posix random」にするとよい。

C++ の mt19937 関数

擬似乱数を生成する関数です。

C++日本語リファレンス: mt19937

名称は、メルセンヌ・ツイスタ法 (Mersenne Twister) と、
2の19937乗という周期からきている。

発案者は日本人です。
mt には 松本眞(まこと) と西村拓士(たくじ) のイニシャルという意味もこめられているらしい。

wikipedia メルセンヌ・ツイスタ

下記のように使う。

// デバイスから乱数を取得する
std::random_device rd;
// 乱数のシードを設定する
std::mt19937 mt(rd());
std::uniform_int_distribution<> rand(min,  max);
// 乱数を生成する 
rand( mt );

random_device

random_device クラスは、非決定論的な乱数生成エンジンである。

C++日本語リファレンス: random_device

UNIX 系では /dev/random から値を読み取る。

非決定論的とは、擬似乱数のような規則性を持たず
予測不可能ということ。
では、どうやって生成するのか。

CPU の乱数生成器

最近のCPU は乱数生成器を内蔵している。

[Behind Intels New Random-Number Generator]
(https://spectrum.ieee.org/computing/hardware/behind-intels-new-randomnumber-generator)

CPUから乱数を読み出すことができる。

ハードウェア乱数 RDRAND命令の使い方

これでは不足という人向けに、
ハードウェア乱数生成器が販売されている。

[TrueRNGpro Hardware Random Number Generator]
(https://www.amazon.co.jp/TrueRNGpro-%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E4%B9%B1%E6%95%B0%E7%99%BA%E7%94%9F%E5%99%A8-Hardware-Random-Generator/dp/B01E2BJZ30)

/dev/random

OS が用意した乱数バイト列の擬似デバイスです。

wikipedia : /dev/random

CPU の乱数生成器などから生成する。

直接このデバイスを読み出して乱数を生成することができる。

/dev/urandomを使ってランダムなパスワードを生成する方法

ランダムな文字列を生成する

考え方はシンプルです。

乱数を使って、
文字配列から1文字を選ぶ。

char getRandomCharLower(void)
{
// 英小文字の例
const char CHARS[] = "abcdefghijklmnopqrstuvwxyz";
int index = genRand(0, (strlen(CHARS) - 1));
char c = CHARS[index];
return c;
}

char* getRandomCharsLower(int length)
{
char chars[length+1];
for(int i=0; j<length; i++){
    chars[i]  = etRandomCharLower();
}
return chars;
}

C++ の generate_n 関数を使う例

C++日本語リファレンス: std::generate_n

std::string genRandomStringLower(int length) 
{
std::string text(length, '.');
 generate_n(text.begin(), length,  getRandomCharLower );
 return text;
}

同じ文字を使わない

"aaa" "bbb" のような同じ文字が連続した文字列が生成されることがある。
これを避けるには、
文字を文字列に追加する前に、その文字が文字列に存在しているかをチェックする。

char* getRandomCharsLower(int length)
{
char chars[length+1];
chars[0] = '\n';
for(int i=0; i<length; i++)
{
while(1)
{
char c = getRandomCharLower();
// check duplicate
if ( fstrchr(chars, c) ) {
        // skip
        continue;
} else {
        chars[i] = c;
        chars[i+1] = '\0';
        break;
}
}
chars[length] = '\n';
}
return chars;
}

文字列をランダムに並び替える

乱数を使って、文字を入れ替える。

shuffle(char* chars)
{
int len = strlen(chars);
for(int i = 0; i<len; i++)
{
    int index1 = genRand(0, (len -1));
    int index2 = genRand(0, (len-1));
    // swap
    char a = chars[index1];
    char b = chars[index2];
    chars[index1] = b;
    chars[index2] = a;
}
}

C++の shuffle 関数を使う例

[C++日本語リファレンス: std::shuffle]
(https://cpprefjp.github.io/reference/algorithm/shuffle.html)

shuffle(std::string input)
{
 std::random_device rd;
std::mt19937 mt(rd());
std::shuffle(input.begin(), input.end(), mt);
}

mkpasswd

LINUX のパスワード生成コマンドです。

任意の文字数でパスワードをランダム生成するには

英小文字、英大文字 英数字 特殊文字の文字数を指定して、ランダムな文字列を生成する。

expect パッケージに付随している。

debian ; パッケージ: expect

MAC の場合は brew でインストールできる

中身は shell スクリプトです。
package expect5.45.4 : mkpasswd

これを C/C++ で実装する。
上記にて、英小文字のランダムな文字列は生成したので、
それに英大文字、英数字、特殊文字を追加する。

コマンドオプションは、man page を参考に、tclap を使って実装する。

[mkpasswd(1) - Linux man page]
(https://linux.die.net/man/1/mkpasswd)

Templatized C++ Command Line Parser Library

コードは github に公開した。
https://github.com/ohwada/MAC_cpp_Samples/blob/master/random/mkpasswd.cpp

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