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新NISAによる自分年金をEmacs org-modeで計算してみる

Last updated at Posted at 2024-01-06

目的

65歳で引退して90歳まで月に10万円の年金が欲しい。年間120万円だ。25年の間となるので3000万円貯めておかないといけない? あれ? 国が言うには2000万円貯めておけば良いんじゃなかったっけ?

いやいや、我々には投資をし複利を味方につけるという手がある。Emacsのorg-modeで計算してみようじゃないか。(なぜExcelじゃないのか? ということはさておく)

Emacsのorg-modeで計算してみる

まず表を作る

まずorg-modeで以下のような表を作ろう。「年利」で「25年」運用しながら毎年「年金額」を売却していく場合、いくら元手を持っておけば良いか。つまり「貯めておく額」を求めようという目論見だ。「年利」は「備考」のここ10年のおおよその平均リターンだ。S&P500だと10.7%は見込めるらしい。よく知らんけど。

|   年利 | 年数 |  年金額 | 貯めておく額 | 備考      |
|--------+------+---------+--------------+-----------|
|   7.3% |   25 | 1200000 |              | TOPIX     |
|   8.2% |   25 | 1200000 |              | MSCI ACWI |
|   9.3% |   25 | 1200000 |              | 日経平均  |
| 10.70% |   25 | 1200000 |              | S&P500    |

表に計算式を適用する

それでは作ったばかりの表の一番下に計算式を入れよう。
#+TBLFM: $4=pv($1,$2,$3)という文字列を追加する。

|   年利 | 年数 |  年金額 | 貯めておく額 | 備考      |
|--------+------+---------+--------------+-----------|
|   7.3% |   25 | 1200000 |              | TOPIX     |
|   8.2% |   25 | 1200000 |              | MSCI ACWI |
|   9.3% |   25 | 1200000 |              | 日経平均  |
| 10.70% |   25 | 1200000 |              | S&P500    |
#+TBLFM: $4=pv($1,$2,$3)

計算してみよう

追加できたら、#+TBLFM: $4=pv($1,$2,$3)のところにカーソルを持って行ってC-cC-cしよう。
表が以下のようになるはずだ。

|   年利 | 年数 |  年金額 | 貯めておく額 | 備考      |
|--------+------+---------+--------------+-----------|
|   7.3% |   25 | 1200000 |    13614352. | TOPIX     |
|   8.2% |   25 | 1200000 |    12593885. | MSCI ACWI |
|   9.3% |   25 | 1200000 |    11506233. | 日経平均  |
| 10.70% |   25 | 1200000 |    10331656. | S&P500    |
#+TBLFM: $4=pv($1,$2,$3)

「貯めておく額」に数字が入っただろうか。

説明しておくと#+TBLFM:という行を入れるとorg-modeはcalc.elの関数を使って計算してくれる。今回はpv()という関数を使用した。pv()は以下のような関数だ。

pv(利率, 期間, 定期支払額)

「利率」で「期間」「定期支払い」した時の現在価値を返す。
$1$2というのはorg-modeで作った表のカラムだ。
$4=pv($1,$2,$3)というのは、4カラム目に結果を挿入しろ、という指示になる。

で、いくら貯めておけば良いのか?

S&P500のインデックスに連動する何かであれば10,331,656円分貯めておけ、ということになる。おぉ。2000万も必要ないじゃないか。みんな大好きオルカン(MSCIオールカントリーワールドインデックス)だと12,593,885円積み立てておけば良い。なんか希望が持てましたね!?

ここ10年でそれだけ貯めるにはどうすれば良いか?

以下のような表を作ろう。そうしたら#+TBLFM:の行でC-cC-cだ。

|  年利 | 投資期間 |   目標額 | 年の投資額 |
|-------+----------+----------+------------+
|  7.3% |       10 | 13614352 |            |
|  8.2% |       10 | 12593885 |            |
|  9.3% |       10 | 11506233 |            |
| 10.7% |       10 | 10331656 |            |
#+TBLFM: $4=-pmt($1,$2,0,$3)

以下のようになっただろうか。

|  年利 | 投資期間 |   目標額 | 年の投資額 |
|-------+----------+----------+------------|
|  7.3% |       10 | 13614352 |  971497.21 |
|  8.2% |       10 | 12593885 |  861127.59 |
|  9.3% |       10 | 11506233 |  746567.17 |
| 10.7% |       10 | 10331656 |  626833.24 |
#+TBLFM: $4=-pmt($1,$2,0,$3)

今度はpmt()という関数を使った。pmt()は以下のような関数だ。

pmt(利率, 期間, 現在価値, 将来価値)

「現在価値」が0円として「利率」で「10年」の間、指定した「将来価値」になるには年間いくら払えば良いか? を計算するものだ。支払うので式にはマイナスを付ける。あなたが若いのなら、10年と言わず20年とか期間があるはずだ。表の10を20などに書き換えて試してみて欲しい。

結論

どうだろうか。S&P500のインデックスと連動する何かであれば、毎年626,833円投資すれば、10年後には10,331,656円になっている。65歳の引退時、10,331,656円分のS&P500のインデックスと連動する何かを持っていれば、65歳から90歳まで毎月10万円の年金が得られる。という話だ。

みんな大好きオルカンならば毎年861,127円投資しよう。10年後には12,593,885円になり、年金は安心だ。なるほど! 新NISAはそう使うのか! 良かったですね!

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