本アドベントカレンダーについて
今回のアドベントカレンダーの一連のエントリーは、すべて、あるAR/MRシステムを構成するための要素技術となると私が考えているものです。
本エントリーでは、そのことについて説明します。
ARクラウド?ミラーワールド?デジタルツイン?
皆さんはSFって読みますか?
個人的に、最近面白いと思ったVRが出てくるSFは、「ゼンデギ」と、「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」あたりですかね。あと、「七人のイヴ」では、AR端末的なのが舞台装置として登場しました。
ところで、XR界隈で、「スノウ・クラッシュ」が話題になっていましたが、Metaverse、自分で作ろうと思いませんか?
あるいは、電脳コイルのあれを現代の技術でどこまでできるか興味ありませんか?
あの、電脳空間的なのですが、ARクラウドとか、ミラーワールドとか、デジタルツインとか、ちょっとずつ違うものをみんなそれぞれの名前で呼んでいますが、あのサイバー空間を自分の手で作る挑戦って面白いと思いませんか?
本アドベントカレンダーで、検証・研究した要素技術は、このAR空間的なのを作るために使えるんじゃないかなと私が考えているコンポーネント群になります。
もちろん、今回時間不足技術不足で触れられなかったものもたくさんあります。
Visual Positioning Systemとか、ポイントクラウドとか、(V)SLAMとか、画像特徴点とそのマッチングなどとか。
位置情報とインターネットアドレスを紐付ける仕組みもちゃんと作りたかったし、オクルージョン用のベースデータとなる地物のデータも全世界の分を作って配信システムとキャッシュシステムも作りたかったですね。
端末からの周辺環境のフィードバックと集積・分析と、アップデートシステムも考えたかったし、
簡単にオブジェクトを任意の場所に置けるエディタなども検討の余地があります。
UI/UXなんてのは、真面目に取り組まないといけないけど知識不足で追いつけてない部分でもあります。
この仕組みを使えば、こういうサービスができるとか、そういう話もしたかったですね。
結局今回は、要素ごとにつまみ食いして統合していくことができずに12月が終わってしまいましたが、引き続き研究していきたいと思います。
そして現実に重畳されたインターネットとつながる電脳空間の基礎となるオープンプラットフォームを作ることが、Project Orthoverseの目的です。
Orthoverse?
Metaverseよりも現実に近いVerseです。
OrthoがなんでMetaより近いかは有機化学を調べてみてください。ベンゼン環あたりで出てくると思います。
AR/MRにより、現実に重畳された電脳空間を作りたいんです。
電脳コイルみたいなあれを作りたいんです。
「セカイカメラ」1みたい?まぁ。
今回のアドベントカレンダーでは、Orthoverseの基盤になると考えられる、以下の項目
- 基盤となる地図情報を世界規模で作成してUnityに持っていくこと
- そのデータを表示してのオクルージョンのテスト
- 正確な位置情報を取得する方法
- マークアップ言語を使ってWebページと同じような方法論で3Dオブジェクトを表示すること
- 現実世界とコンテンツの紐付けのための位置情報インデックスとQRコード
- 3Dオブジェクトのエディタ
について扱ってみました。
以上、最後にエモい話でした。
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セカイカメラは非常に先進的だったと思います。当時は結構楽しませていただきました。 ↩