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Power BI で学ぶ【データの基本】

Last updated at Posted at 2025-07-29

データ活用の第一歩:基本の理解と整え方

こんにちは、DX塾講師の大畑です。
今回のテーマは「データ活用の第一歩」として欠かせない、データの基本 についてです。
実務に役立つ視点から、データの種類・構造・整え方までをわかりやすく解説します。

よくある悩み

「データはあるけど、どう使えばいいかわからない」
そんな悩みを抱えている方に向けて、以下の内容を丁寧に解説します:

  • データの出どころや形式の違い
  • 量的データと質的データの見分け方
  • 縦積み形式と横積み形式の違い
  • 構造化されたデータの設計・管理方法

この動画で身につく力

  • データの形式や出どころの違いを理解し、適切に扱えるようになる
  • 量的データと質的データの違いを見分け、使い分けられるようになる
  • 縦積み形式と横積み形式の違いを理解し、分析に適した構造を選べるようになる
  • データ構造の基本を押さえ、整ったデータを設計・管理できるようになる

目的

「データを使える形にする」ための基礎知識を養うこと。
このコンテンツが、日々の業務にデータを活かす第一歩となることを願っています。

データの形式とは?

日々の業務で扱うデータには、実は大きく分けて 3つの形式 があります。
それぞれの形式を理解することで、分析や可視化の効率が大きく変わってきます。
スライド6.PNG

1. 構造化データ

ExcelやCSVのように「行」と「列」が明確に定義されているデータ です。
Power BIなどのBIツールでそのまま読み込んで、すぐに分析できるのが特徴です。

2. 半構造化データ

メール本文やJSONファイルなど、一部に構造はあるが整っていないデータ です。
そのままでは扱いづらいため、Power BIの Power Query などのツールを使って整形する必要があります。

3. 非構造化データ

画像、音声、自由記述のテキストなど、行列の構造を持たないデータ です。
分析の目的に応じて、別の形に変換して扱う必要があります。

データの形式を正しく理解することで、どんなデータにも柔軟に対応できるようになります。
形式に応じた処理を行うことで、分析の精度と効率が大きく向上 します。

構造化データのPower BIへの取り込みと確認

構造化データとは、行と列が明確に定義されたデータ形式 です。
ExcelやCSVなどが代表的で、Power BIなどのBIツールでそのまま読み込んで分析できるのが特徴です。

今回、サンプルデータとして、アンケート結果をまとめたExcelファイルを使用します。
年齢、性別、満足度、自由記述などの項目が、表形式で整理されています。

スライド7.PNG

Power BIで構造化データを読み込む手順

  1. ホームタブから「データの取得」を選択
  2. Excelファイルを選択し、ナビゲーター画面でテーブルまたはシートを選択
  3. プレビュー画面で内容を確認し、「読み込み」をクリック
  4. フィールドペインで項目が正しく表示されているか確認
  5. テーブルビューでデータの中身をチェック

スライド8.PNG

構造化されたデータを正しく読み込むことで、項目ごとの集計やグラフ作成がスムーズに始められます
分析の第一歩は、整ったデータの取り込みからです。

量的データと質的データの違いと可視化

データ分析を行う上で欠かせないのが、量的データ質的データ の違いを理解することです。
この違いを把握することで、適切な集計方法や可視化手法を選ぶことができます。

2025-06 データの基本_v6.png

量的データとは?

数値で表現されるデータ です。
例:年齢、売上金額、満足度スコア

  • 平均や合計などの計算が可能
  • Power BIではグラフの軸や値として活用されます

質的データとは?

言葉やカテゴリーで表現されるデータ です。
例:性別、職業、満足度(高・中・低)

  • 数値的な演算は不可
  • 分類や傾向の把握に役立ちます

Power BIでの可視化例

  • 購入金額(量的) → カードビジュアルで平均値を表示
  • 性別(質的) → 円グラフで人数の分布を表示
  • 満足度(質的) → 棒グラフでカテゴリーごとの件数を比較

非構造化データの活用

自由記述などの非構造化データも重要な情報源です。
Power BIのテキスト分析機能や外部ツールとの連携により、以下が可能です:

  • キーワード抽出
  • ポジティブ/ネガティブの感情判定

これにより、数値では見えない顧客の声や現場の感覚もデータとして活用 できます。

スライド12.PNG

縦積み形式と横積み形式の違い

データの整理方法には、大きく分けて 縦積み形式横積み形式 の2種類があります。
この違いを理解することで、分析のしやすさや可視化の柔軟性が大きく変わります。

スライド17.PNG

縦積み形式とは?

  • 各データポイントが新しい行として記録される形式
  • 日付やカテゴリなどの列を持つ
  • カテゴリー別や時系列の分析に強い
  • Power BIとの相性が良い

横積み形式とは?

  • 各カテゴリーが列として横に並ぶ形式
  • 日付や期間が横方向に展開される
  • 比較はしやすいが、列数が増えると管理が難しくなる
  • Power BIでは扱いづらく、設定が複雑になる

具体例:売上データ

  • 縦積み形式 → 「日付」「カテゴリ」「売上金額」のように、1行に1件の記録
  • 横積み形式 → 「食品」「衣料品」などのカテゴリが行に並び、日付が列として展開される

横積み形式は報告書やプレゼン資料では便利ですが、BIツールでの分析には不向きです。
分析や可視化を目的とする場合は、縦積み形式に変換して扱うのが一般的 です。

データ構造の基本と構造が崩れた例

データ分析の基礎となるのが、データ構造の理解 です。
構造が整っているかどうかで、集計や可視化のしやすさが大きく変わります。

表形式データの4つの基本要素

  1. ヘッダー:各列の意味を示すラベル。表の一番上にあり、項目名を記載
  2. ボディ:実際の値が並ぶ部分。分析対象となるデータ本体
  3. 列(カラム):属性や項目を表す。例:年齢、性別、職業など
  4. 行(レコード):1件のデータを表す。例:1人の顧客、1回の注文など

スライド25.PNG
この4つが揃っていることで、データの意味が明確になり、分析や可視化がスムーズに行えます。

構造が崩れたデータの問題点

以下のような構造が崩れたデータを例に、問題点を挙げています。
2025-06 データの基本_v6-2.png

  • ヘッダーがない → 項目の意味が不明
  • 列の役割が混在 → 氏名、住所、商品名、数量が同じ列に並ぶ
  • 行の結合 → 1行に複数の情報が混在し、区切りが不明
  • 数量の表記がバラバラ → 「2個」「三」「5個」など、漢字と数字が混在

Power BIでの注意点

上記の例の「構造が崩れたデータ」をPower BIで取り込んだ際の主な問題点は以下となります。

  • 行結合がNullになる:Nullは「値が存在しない」ことを意味し、集計対象外になる
    スライド34.PNG

  • 数値型として認識されない列:合計や平均の計算ができず、グラフにも反映されない
    スライド35.PNG

このような構造の乱れがあると、分析はうまくいきません。
だからこそ、ヘッダー・列・行・データ型が明確に整理された構造化データ が、分析の出発点として重要です。

まとめと実務への応用

ここまで、データの形式や構造の整理方法、そして分析に適した形に整えるための考え方について学んできました。
データは持っているだけでは価値を生みません。
使える形に整えることで、初めて業務に活かせる力になります。

今回紹介した内容は、特別な技術ではなく、誰でも実践できる基本の考え方 です。
まずは、身の回りのExcelファイルや日報、アンケート結果などを見直してみましょう。

  • このデータは構造が整っているか?
  • 集計しやすい形になっているか?

そんな問いかけをするだけでも、データを見る目が変わってきます

実務への応用

データ活用の第一歩は、整えることから。
ぜひ今回の内容を、日々の業務に活かしてみてください。

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最後に

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📢データ活用に興味がある方は、フォローして今後の更新もチェックしてください。

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