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New Relic APMでDistributed Tracingを利用する

Last updated at Posted at 2018-12-23

New Relic APM(PHP)でDistributed Tracingを利用する

昨日に引き続きNew Relic APMに関する内容です。

今年の7月末、New Relic APMでDistributed Tracingが利用できるようになりました。
複数のサービスが連携して動くアプリケーションの動作を、詳しく分析できる機能です。

複数サービスの追跡をできる機能としてはもともとCross Application Tracesというものがありました。
しかしこの機能は、各サービスの関係性を図式化できるだけで、各サービスのパフォーマンスについてはそれぞれのAPM Navigatorでしか見ることができません。

対してDistributed Tracingは、1つのWebトランザクションに対して各サービスがどのような処理を行なっているか、1つの画面で詳しく見ることができます。

Distributed Tracingの利用準備

利用条件

  • New Relic APM Professionalの契約をしている
  • Distributed Tracingに対応したバージョンのAgentを利用している

この条件を満たしている場合のみ利用できます。

agentの設定

New Relic Agentの設定ファイルで、transaction_tracer.enableddistributed_tracing_enabledを有効にします。
例として、PHPの場合は /etc/php.d/newrelic.ini に下記を追記します。

newrelic.transaction_tracer.enabled = true
newrelic.distributed_tracing_enabled = true

※transaction_tracer.enabledはデフォルト値がtrueなので、falseを指定していなければ明示的に書かなくても動きます。

Distributed Tracingの見方

Screen Shot 0030-12-23 at 22.22.48.png APM NavigatorのTransactionsを開き、詳細を見たいトランザクションを選択します。右ペイン上部に表示される「Find distributed traces for this transaction」をクリックします。 Screen Shot 0030-12-23 at 22.23.48.png

ここから先がDistributed Tracingの画面です。
Distributed Tracingでは、同一のリクエスト内で行われた処理のまとまりをトレース、処理の中で実行された通信をスパンと呼びます。

グラフはトレースのレスポンスタイムの分布を表したもので、縦軸がレスポンスタイム、横軸が時間の流れです。エラーが発生したトレースは赤い点でプロットされます。

グラフの下には、プロットされているトレースの情報が一覧で表示されます。SERVICES列にはそのトレースで呼び出されたサービスの数、TOTAL SPANSには発生した通信の数が表示されます。

グラフ上の点や一覧の行をクリックすると、そのトレースの詳細画面へ移動します。

Screen Shot 0030-12-23 at 22.25.22.png

2つのサービスが呼び出されたトレースの詳細画面です。最初に呼び出されたサービスが青、次に呼び出されたサービスが紫の線で表示されています。

このトレースはレスポンスに3.17秒を要し、青で示されるサービスでは190回の通信、紫で示されるサービスでは62回の通信が発生していることがわかります。

Collapse allやスパン数をクリックすると、スパンの一覧が表示されます。

Screen Shot 0030-12-23 at 22.26.19.png

スパンの一覧では、各スパンの概要(通信先がMySQLであればどのテーブルに対するクエリなのか)や要した時間が表示されます。

スパンをクリックするとそのスパンの詳細な情報が表示されます。

Screen Shot 0030-12-23 at 22.27.23.png

MySQLのスパンの詳細を開くと、そのスパンでクエリされたSQLが表示されます。

このように、1つのトレース内で実行された処理の詳細を、複数のサービスに渡って確認することができます。

まとめ

例で示したトランザクションで動くサービスは最大で2つですが、それだけでもDistributed Tracingはアプリケーションの問題点を探すのにとても便利です。
より多くのマイクロサービスで構築されたシステムでは、さらに強力なツールとなるでしょう。

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