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はじめに

自分がネットワークエンジニアになってから、Cisco機器より多く触れてきたAPRESIA Systems 株式会社製品のNPシリーズ。
NPシリーズの特徴の一つにSDカードによるバックアップの保存・運用があります。
今回はそのSDカードについて、運用や自分が実際試してきた運用について記事にしましたので、参考にしていただけたら幸いです。

目次

・SDカードの機能について
・SDカードの利用準備手順
・機器故障時の交換手順

SDカードの機能について

APRESIA Systems 株式会社の製品にはいくつかSDカードを用いて運用が可能なものがあります。
その一つにNPシリーズというものがあります。
NW機器が故障した際、通常、故障した装置と同じブートイメージファイルや構成情報を代替装置に設定する必要があり、手間や時間がかかります。
しかし、SDカードを用いることでこの時間が短縮でき、SDカードを代替装置に挿入して起動するだけで、故障した装置と同じ状態に設定された代替装置を簡単に起動することができます。

SDカードの利用準備手順

SDカードからブートイメージファイルや構成情報を読み込み、装置を起動させることをSDカードブートと言います
SDカードブートでは、ブートスクリプト、および動作に必要なファイルを、あらかじめSDカードにコピーする必要があり、準備を行うには、backup cloneコマンドを使用します。

装置にSDカードが挿入されている状態であれば、write memoryやcopy running-config startup-configコマンドを使用したとき、構成情報はデフォルトでは装置本体とSDカードの両方に保存されます。

ApresiaNP# write memory
Destination filename startup-config? [y/n]:  y
Saving all configurations to NV-RAM.......... Done.
Saving all configurations to SD-Card......... Done.

注意点として、backup cloneコマンド実行時にSDカードには元々装置に存在しないファイルはコピーされません。

write memoryやcopy running-config startup-configコマンドを使用時の保存先は装置本体とSDカードで設定されているPrimary boot configで設定されているファイルとなっています。
そのため、装置のPrimary boot configを誤ってSDカードのファイルなどにしているとSDカードが抜けている状態だと起動してこなかったり、Secondary boot configから構成情報を読み取り起動するため注意が必要となります。
装置のboot imageやboot configは設定変更可能ですが、NPシリーズのSDカードは設定変更が出来ません。

ApresiaNP# show boot
Unit 1
*(Configured)
Primary boot image: /c:/AEOS-NP2000_R10501.had
Primary boot config: /c:/primary.cfg
Secondary boot image: /c:/AEOS-NP2000_R10501sec.had
Secondary boot config: /c:/secondary.cfg
(SD Card)
Primary boot image: /d:/apresia-software.had
Primary boot config: /d:/apresia-startup-config.txt

機器故障時の交換手順

機器が故障した場合、通常のネットワーク機器であれば一度ネットワークケーブルなどで管理端末やサーバなどと接続してからバックアップを移し、リストアを行ったりする必要があります。

Apresiaの機器でもそれらが可能ですが、SDカードで運用している場合、そのSDカードを新しい機器に差し替えるだけですぐに運用に移ることができます。

Apresiaの特性上、起動時にSDカードからConfig情報を読み取るため、機器にconfig情報がなくても問題ありません。
また、起動後に【write memory】などの保存コマンドを実行することで自動的に機器のstartup-configにも保存されます。
それ以外の構成情報についても【restore memory-card:】を実行することですぐに機器に構成情報がリストアされます。
リストアされる内容については【backup clone】コマンドと同様になります。

スタック時なども同様で、SDカードを差し替えることで自動でスタックに組み込まれます。
本来Masterで動いていた機器が故障した場合は、Catalystなどと同様にMemberとしてスタックに組み込まれますので、別でMasterに切り替える手順(preempt設定など)が必要になります。

以上が機器故障時の交換手順の説明になります。

参考URL

最後に

今回はApresiaNPシリーズ製品のSDカードについて記事にしました。
今後、Apresiaに触れる方の参考になれば幸いです。

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