はじめに
GPT-5発表時のOpenAIのプレゼンではなぜか触れられなかったのですが、Codex CLI(ChatGPT版 Claude Codeのようなものです)のv0.16がリリースされ、これにより
- Codex CLI からGPT-5をChatGPT のサブスクで 使用できるように。
- MCP対応。
- APIキー不要。定額。
といったなかなか熱い状況になりました。
触ってみた体感ですが、問題を解決できず繰り返し同じような修正をするようなことがClaude Codeに比べて少ない印象があります。
私がCC使用しているときはこれまでo3 MCPに接続して高度な問題を解決していましたが、、MCP無しでもちゃんと解決してくれます。
セットアップ
前提:Node.js環境があること
- インストール
npm install -g @openai/codex
# または
brew install codex
- アップデート(2回目以降)
codex --upgrade
- バージョン確認
❯ codex --version
codex-cli 0.23.0
初回起動
codex
実行すると、自動でブラウザが起動しOpenAIの認証画面が表示されます。
>_ Welcome to Codex, OpenAI's command-line coding agent
> Sign in with ChatGPT to use Codex as part of your paid plan
or connect an API key for usage-based billing
> 1. Sign in with ChatGPT
Usage included with Plus, Pro, and Team plans
2. Provide your own API key
Pay for what you use
Press Enter to continue
(和訳)
>_ Codexへようこそ - OpenAIが提供するコマンドライン型コーディング支援ツールです
> ChatGPTでサインインすると、有料プランの一部としてCodexをご利用いただけます
または、使用量に応じた課金方式を利用するためにAPIキーを接続してください
> 1. ChatGPTでサインインする
Plusプラン、Proプラン、Teamプランには使用権が含まれています
2. ご自身のAPIキーを入力する
実際に使用した分だけお支払いいただけます
Enterキーを押すと続行します
ChatGPT Plus/Pro/Teamアカウントをお持ちの方は、Sign in with ChatGPT
を選択して認証完了しましょう。
認証完了すると以下のように聞かれます。
> 1. Allow Codex to work in this folder without asking for approval
2. Require approval of edits and commands
Press Enter to continue
(和訳)
> 1. 承認を求めずにこのフォルダで Codex を動作させる
2. 編集とコマンドに対して承認を必須とする
Enter キーを押すと続行します
承認が面倒な方は上がいいかもしれません。
"賢く"使うための設定
C:\Users\ユーザー名\.codex
に、config.toml
ファイルが生成されています。
これを弄ることで、デフォルトのモデルを選択できます。
既に何かしらが書かれている場合(trustedなど)は、改行してその下に追記します。
以下は私の設定です。これが一番賢いと思います。
# モデル指定
model = "gpt-5"
# 推論の深さ(none | low | medium | high)
model_reasoning_effort = "high"
# 推論サマリーの表示(auto | none)
model_reasoning_summary = "auto"
# 推論ログの見た目を抑える(表示制御)
hide_agent_reasoning = true
show_raw_agent_reasoning = false
プロジェクト単位で切り替えたい場合は、リポジトリ直下に .codex/config.toml
を置くとスコープを分けられます。
また、起動する際に、コマンドライン引数にて
codex -m gpt-5 -c model_reasoning_effort="high"
のようにしてオーバーライドすることもできます。
コマンド一覧
▌/model モデルプリセットを選択(モデル+推論負荷)
gpt-5
- minimal
- low
- medium
- high
▌/approvals 承認なしでCodexに実行させる内容を設定
- Read Only
- Auto
- Full Access
▌/new 会話中に新規チャットを開始
Claude Codeの/clear
です。多用します。
▌/init Codex用の指示書を含む AGENTS.md ファイルを作成
これもClaude Codeの/init
と同じ。現在のプロジェクト内のファイルを解析し、説明書(AGENTS.md)を生成してくれます。
▌/compact コンテキスト制限を回避するため会話内容を要約
▌/diff Gitの差分表示(追跡対象外ファイルを含む)
git diffをインラインで見るだけのコマンドです。
▌/mention 特定のファイルをメンション
▌/status 現在のセッション設定とトークン使用量を表示
▌/mcp 設定済みのMCPツール一覧を表示
▌/logout Codexからログアウト
▌/quit Codexを終了
オプション一覧
利用可能なコマンド:
exec 非対話モードで Codex を実行 [エイリアス: e]
login ログイン管理
logout 保存済み認証情報を削除
mcp 実験的機能: Codex を MCP サーバーとして実行
proto 標準入力/標準出力経由で Protocol ストリームを処理 [エイリアス: p]
completion シェル補完スクリプトを生成
debug 内部デバッグコマンド
apply Codex エージェントが生成した最新の差分を `git apply` としてローカル作業ツリーに適用 [エイリアス: a]
help このメッセージを表示するか、指定したサブコマンドのヘルプを表示
オプション:
-c, --config <key=value>
`~/.codex/config.toml` から読み込まれるデフォルト設定値を上書き。
-i, --image <FILE>...
初期プロンプトに関連付けるオプションのイメージファイル(複数可)
-m, --model <MODEL>
エージェントが使用するモデルを指定
--oss
ローカルのオープンソースモデルプロバイダーを選択する便利なフラグ。
-p, --profile <CONFIG_PROFILE>
config.toml から指定するデフォルトオプション用の設定プロファイル
-s, --sandbox <SANDBOX_MODE>
モデルが生成したシェルコマンドを実行する際に使用するサンドボックスポリシーを選択
[有効な値: read-only, workspace-write, danger-full-access]
-a, --ask-for-approval <APPROVAL_POLICY>
モデルがコマンド実行前に人間の承認を必要とする条件を設定
有効な値:
- untrusted: "信頼できる" コマンド (ls, cat, sed など) のみを実行し、ユーザー承認を求めない
- on-failure: すべてのコマンドを実行時にユーザー承認を求めない
- on-request: モデルがユーザー承認を求めるタイミングを決定する
- never: ユーザー承認を決して求めない
--full-auto
低摩擦でサンドボックス化された自動実行を行うための便利なエイリアス (-a on-failure, --sandbox workspace-write)
--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox
すべての確認プロンプトをスキップし、サンドボックスなしでコマンドを実行します。
-C, --cd <DIR>
エージェントに指定したディレクトリを作業ルートとして使用するよう指示
-h, --help
ヘルプを表示 ('-h' で概要を表示)
-V, --version
バージョン情報を表示
Serena MCPとの連携
MCPサーバーはC:\Users\ユーザー名\.codex\config.toml
内に記述します。
例えば今話題のSerena MCPと連携してみましょう。
[mcp_servers.serena]
command = "uvx"
args = ["--from", "git+https://github.com/oraios/serena", "serena", "start-mcp-server", "--context", "codex"]
とconfig.tomlに追記します。
ここで、Codex では Serena が正常に実行されていても failと表示されることがあります。
これは既知のバグで、エラーが出ても問題なく動作しているようです。
承認モード
承認モードという概念がわかりにくいですね。
OpenAI公式では以下のように説明されています。
モード | エージェントの対応可能な機能 | 使用場面 |
---|---|---|
提案(デフォルト設定) | ファイルを読みます。編集案やシェルコマンドを提案しますが、変更を適用したりコマンドを実行したりする前にユーザーの承認が必要です。 | 安全な探索、コードレビュー、コードベースの学習などに活用できます。 |
自動編集 | ファイルの読み取りと書き込みを自動的に行います。ただし、シェルコマンドを実行する前には常に確認を求めます。 | リファクタリングや反復的な編集作業において、副作用を注意深く監視したい場合。 |
完全自動モード | サンドボックス化されたネットワーク接続不可の環境で、現在のディレクトリをスコープとして、ファイルの読み取り/書き込みおよびコマンドの実行を自律的に行います。 | ビルドの不具合修正や機能プロトタイプ作成など、コーヒーを飲みながら行うような長時間作業に適しています。 |
その他
2025/08/27のバージョンアップデートで以下のことができるようになっていました。
・Web Search
・追いメッセージ(Queued messages)
・画像貼り付け
・過去のチャット履歴からのResume (編集ファイルのRevertはなし)
・MCP使用時のキャッシュヒット率の向上
開発が早すぎます。
制限
5時間ごとのリセットのようです。
plus planだとhighを多用するときびしめ。
感想
Plan modeと--resumeが欲しい(切実)
しかし実は、C:\Users\ユーザー名\.codex\history.jsonl
に履歴が格納*されています。
履歴に困ったらここを見ましょう。
リファレンス
また役に立ったことがあれば適宜追加していきます。