コミュニケーション型のWeb地図を2つ作ってみました。
1つは、自由投稿型の「Limit12」(クチコミWeb地図)。
もう一つは、グループ内情報共有型の「地図の伝言板」です。
【Limit12】
https://chosashi-data.org/shirado/limit12/
【地図の伝言板】
https://office-shirado.com/dengon/
どちらとも、機能はシンプルで、Web地図上に、ダブルクリック(ダブルタップ)でメモを投稿(プロット)するだけです。
「リミット12」は、クチコミWeb地図という位置づけで、不特定多数の人が地域情報や楽しかった情報を投稿し、共有するものです。災害時には、危険個所や支援情報(避難所・給水所など)を投稿し、助け合うということも可能です。
「地図の伝言板」は、グループ内という閉じた関係の中での情報共有を目的とするものです。
両方とも、コミュニケーションをWeb地図上で行うことは共通しています。
クチコミ・メモともに動的データであるため、データベースのMySQLで運用しています。
今まで、静的データを扱うことが多く、ベクトルタイルデータ(PMTiles)で配信することが多かったのですが、今回はベクトルタイルを都度作ることはあきらめ、PHPでデータベースに接続し、ローカルでGeoJSONを組み立て、Souceを入れ替えしたり、削除・追加して更新しています。
また、「リミット12」・「地図の伝言板」ともに気象庁のデータ(雨雲・台風・地震)を表示するようにしており、動的ジオデータの処理は静的ジオデータとは違った感覚であることが分かりました。
細かいところを言えば、
・雨雲の動き:常にデータはある(しかし、時系列でURLが変わる)【結果と予報】
・台風:データがある時とない時がある
・地震:データがある時とない時がある
となります。
気象庁のHPでは、APIで、その情報を取得することができ、取得したデータを解析してデータの有無やデータのURLなどを判別し、必要な処理をとるという静的データでは考えられない機能が必要であることが分かりました。
災害はない方が良いのですが、万が一あった際に「行政機関からどのようにして配信データを取得し、表示するか?」などは今回が良い機会となったかと思います。
また、行政側に期待するのは、「データを配信すれば、民間が使うということに気づいて欲しい」ということです。行政側でWeb地図サービスを展開しているところもありますが、そのサイトの情報にほかの情報も加えたいという時もありますので、「Web地図サービス」+「データ配信」+「オープンデータ」の3つセットが今後のポイントになるかと思います。
技術的なことは書ききれないのですが、気象庁の雨雲・台風・地震のデータをWeb地図に載せたり、QGIS等のローカルGISで表示することが柔軟にできると、GIS自体の有用性はますます上がるものと期待しております。
地図の伝言板は、月額サービスを検討しておりますが、体験版(2週間ほど)も準備する予定ですので、ぜひ一度グループ・ユーザー登録頂ければと思います。
自身でLimit12及び地図の伝言板を使ってみた感想は、「Web地図って、自由な使い方ができる」、「地図型SNSもありじゃないか?」というもので、GIS=業務用というイメージを塗り替える良いきっかけだと思っております。
最後に、オープンソースのMapLibreのたくさんの機能を使っております。クラスタリングなども今回使用し、ここまでのものをオープンソースとして出して頂いていることに感謝いたします。
今後も、個人として様々なWeb地図サービスを考え、開発していきたいと思います。
土地家屋調査士 白土洋介