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Kotlinのapplyをじっくりと読む

Last updated at Posted at 2018-08-04

Kotlinのapplyを理解していく過程で色々勉強になったので、その過程をそのまま✏️。

public inline fun <T> T.apply(block: T.() -> Unit): T {
    block()
    return this
}

kotlin.internal.contracts.Standard.ktより)


ひとつずつ何が書いてあるか理解していく。

**public**の部分

public は可視性修飾子。どこからでも参照可能であることを意味している。

public

## **```inline```**の部分 ```inline``` はinline関数にするための修飾子。
inline

関数型を引数にもつ関数を定義するとき、実行時に無名クラスをたくさん作ってオーバーヘッドを起こさないようにする目的で使用される。inline修飾子をつけておくと、コンパイラがinline宣言されている関数を呼び出しているコードの箇所に直接関数本体を置換する。
(確認したい場合は実際にデコンパイルしてみると良い。)

**fun**の部分

fun は関数宣言。関数を定義することを意味している。

fun

## **``````**の部分 `````` は型パラメータ。慣習で```T```という文字が使用されることが多い印象。(Typeの”T”なのかな?と勝手に思っている。知っている人教えてください)
<T>

型パラメータのシンプルな例。クライアントによって、```T```は任意の型になる。
sample("hoge") // この場合だと、任意の型TはString型と推論される。
sample(1) // この場合だと、任意の型TはInt型と推論される。

fun <T> sample(t: T) {
    println(t?.hashCode())
}

## **```T.apply()```**の部分 ```T.apply()``` はKotlinの拡張関数。任意の型```T```の拡張関数```apply```を定義するという意味。
T.apply()

拡張関数は[型名].[関数名]という書き方をする。
もちろん拡張関数は、任意の型T出なくても作ることができる。
参考までにString型で拡張関数を作ってみると、こんな感じ。

println("hoge".toQuestion()) // 拡張関数を使って「hoge」を「hoge?」にしてみる

fun String.toQuestion(): String {
    return this + "?"
}

## **```block: T.() -> Unit```**の部分 ```block:```の```block```は引数の名前。 ```T.() -> Unit```は関数型。関数型も型の一種で、少し特徴的な印象はあるが、ぜひ```Int```型や```String```型などと同じくらいの親近感で接してあげたい。 ```apply```という拡張関数は```block```という名前の、```T.() -> Unit```という関数型を引数にとるという意味。
block: T.() -> Unit

関数型は[引数の型] -> [戻り値の型]という書き方をする。

T.() -> Unit

これはT.()という引数をとり、戻り値はないという関数型という意味になる。

では、T.()という引数とは、いったい何者なのか。これは任意の型Tをレシーバとすることを意味している。
レシーバオブジェクトにはthis.でアクセスすることができる。

"hoge".apply({
    this.toUpperCase() // レシーバオブジェクトにはthis.でアクセスできる。
})

突然ラムダ式を記載したが、ラムダは{ }で囲われた処理を関数の引数に渡すことができる。
レシーバ付きラムダは任意のレシーバオブジェクトのメソッドにアクセスできる。

ちなみにここでは明示的に()の中にラムダを書いて、関数の引数に渡したけど、
関数の引数がラムダ唯一であれば、丸括弧()は省略できるので、こう書き換えられる。

"hoge".apply {
    this.toUpperCase()
}

## **```: T```**の部分 ```: T```は関数の返り値。```apply```という拡張関数は任意の型```T```を返すという意味。
: T

## ここで一旦整理 ここまでで、一旦整理。

つまりこれ↓は、

public inline fun <T> T.apply(block: T.() -> Unit): T

任意の型Tの拡張関数をapplyという名前で、どこからでもアクセス可能なinline関数として定義。
拡張関数の引数にはblockという名前の関数型をとり、その関数型は任意の型Tのレシーバを引数にとり、戻り値はなし。
拡張関数の戻り値は任意の型T



## 続いてapplyの中身、その前に再掲 続いて関数の中身を見ていく。その前に```apply```の定義を見る度に、だいぶページをスクロールしないといけなくなるので、復習も兼ねて再掲。
public inline fun <T> T.apply(block: T.() -> Unit): T {
    block()
    return this
}

## **```block()```**の部分 ```apply``` 関数に渡された引数の関数オブジェクトを実行している。
block()

apply を使用するときにラムダで関数オブジェクトを渡している。まさにその渡されたラムダ{ }の中身を実行している場所。

"hoge".apply {
    toUpperCase() // ここを実行している
}

## **```return this```**の部分 ```return this``` は関数の戻り値。つまりここでは、任意の型```T```のオブジェクトが返却される。
return this

Androidアプリではこんな感じで使用することが多い印象。
val bundle = Bundle().apply {
    putString("HOGE", "hoge")
    putInt("FUGA", 1)
    putBoolean("IS_PIYO", true)
}

apply の定義と照らし合わせると、

public inline fun <T> T.apply(block: T.() -> Unit): T {
    block()
    return this
}

Bundle.apply{ }{ }囲われた部分が関数オブジェクトとしてapply関数に渡されるので、apply関数の定義に書いてあるblock()では、渡された{ }の中の処理が順番に全部実行されることになる。

  • T …任意の型TBundle
  • block() …関数オブジェクトを実行している部分はputString("HOGE", "hoge”)putInt("FUGA", 1)putBoolean("IS_PIYO", true)
  • return this …返り値の部分は実際に値をputしたBundle

ということ。

参考

いつもお世話になっている本
Kotlin イン・アクション

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