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OpenMediaVaultでTime Machineサーバー構築 on Raspberry Pi 4

Last updated at Posted at 2020-03-29

はじめに

前々から「オンラインのTime Machineサーバーを用意したい!」と思っていた.

このクラウド全盛期の時代にバックアップ取るためだけにサーバーを構築するのもなにやら悔しい…ということで,Azure上にTime Machine領域を確保することも検討.

しかし,

  • 当方の環境では速度が出ない
  • OSが破損しリカバリー領域から復元する時に多大なる手間がかかりそう
    という課題があり,最終的にラズパイでTime Machineサーバーを構築する方針とした.

ネットをぐぐってみると,AFP(Apple Filing Protocol)ならびにnetatalkを用いたやり方については多数ヒット.
しかし,SMBを使用した方法については全くヒットしなかったので,拙いながら記事に起こしてみた.

結論としては,OpenMediaVaultのGUIで簡単に設定可能.
ラズパイのセットアップ工程が不要の人はSMB(Time Machine)領域設定までスキップしていただきたい.

なぜSMBにこだわる?

なんとなく前時代的なプロトコルを使いたくなかったから
最近のMacで標準となっているAPFSファイルシステムの場合,バックアップ先としてAFP領域を指定できなくなっている.らしい.

環境

  • Raspberry Pi 4 Rev 1.2
  • MacBook Pro 2019 (macos Mojave 10.14.6)

#Raspi4のセットアップ

Raspbianのインストール

せっかくなので,最近リリースされたRaspberry Pi Imagerを用いてやり直す.
公式サイトから各OSのImagerをダウンロード,SDカードを読み込み,イメージを書き込むだけ.

起動すると以下の画面.
スクリーンショット 2020-03-29 11.34.57.png

今回,ヘッドレスで使用するため,Raspbian Liteを使用する.
スクリーンショット 2020-03-29 11.34.45.png
スクリーンショット 2020-03-29 11.34.49.png

トップに戻ったら「WRITE」を押すと書き込み開始.
完了したら,以下の画面が表示される.
スクリーンショット 2020-03-29 11.41.22.png

リモートアクセスの設定をするため,SDカードを刺し直す.

リモートアクセスの設定

SSHの有効化

多くのサイトに記載されているが,SDカードの直下に「SSH」というファイルを置くだけ.

SSH有効化
$ cd /Volumes/boot/
$ touch ssh
$ ls -l
#「ssh」が存在することを確認.

RNDISを有効化し,MacとUSB1本でSSH

ラズパイのUSB-Cポートは充電だけではなく,データ通信も可能.
そのため,RNDISを有効化すると,USBケーブル一本でIP通信が可能となる.
手持ちのMacBookもUSB-C端子のみのモデルのため,C-Cのケーブル一本でラズパイのセットアップができるのは非常に大きなメリット.

ほぼClassmethodさんのサイトの流用になってしまうので,要点だけ記載する.

config.txtの末尾にdtoverlay=dwc2という1行を追記します。
次にcmdline.txtを編集します。rootwaitのうしろにスペースひとつ空けてmodules-load=dwc2,g_etherと追記します。

上記を実施し,rootwait後を比較し,ビフォーアフターが以下の通りになれば問題ない.


1c1
< console=serial1,115200 console=tty1 root=PARTUUID=738a4d67-02 rootfstype=ext4 elevator=deadline fsck.repair=yes rootwait modules-load=dwc2,g_ether quiet init=/usr/lib/raspi-config/init_resize.sh
---
> console=serial0,115200 console=tty1 root=PARTUUID=738a4d67-02 rootfstype=ext4 elevator=deadline fsck.repair=yes rootwait quiet init=/usr/lib/raspi-config/init_resize.sh

ここまで実施したらUSB-Cをmacとつなぎ電源ON.
あとはインターネット共有で「RNDIS/Ethernet Gadget」に対してインターネットルート(当方ではWi-Fi)を共有すればOK.
スクリーンショット 2020-03-29 14.19.16.png

SSHで接続したら完了.

SSH接続
$ ssh pi@raspberrypi.local

Raspbian初期設定

  1. とりあえずsudo raspi-configする.
    2.1. piユーザーのパスワード変更.
    2.2. ホスト名を変更した.「raspi4」とした.
    2.3. ホスト名を反映させるため,sudo reboot

  2. sudo apt-get update

  3. sudo apt-get upgrade

#OpenMediaVaultのセットアップ

OpemMediaVaultのインストール

2-30分程度かかります.

OpenMediaVaultのインストール
$ cd /opt
$ wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash
$ sudo reboot

なお,rebootしたら,なぜかUSB経由で接続ができなくなった.
原因わかる人いましたらコメントを………

気を取り直して,ブラウザからhttp://raspi4.local/に接続.
admin / openmediavault が初期ID.
スクリーンショット 2020-03-29 15.48.43.png

HDDのセットアップ

今回,まっさらなHDDを接続したため,フォーマットやパーティショニングもWebUIから実施する.

ストレージディスク→使うディスクを選択→ワイプを選択.
まっさらなHDDのためクイックを選択しフォーマット.
スクリーンショット 2020-03-29 15.57.42.png

ストレージファイルシステム作成を選択.
先程フォーマットしたドライブを選択し,ラベルの入力とファイルシステムの選択を行う.
今回はXFSとしてみた.(ググった痕跡が見られるが,最終的に深い理由はない)
スクリーンショット 2020-03-29 15.59.01.png

アカウント設定

今回,通常のファイル共有で使うアカウントとTime Machineで使うアカウントを分けた.
理由は後述のクォータ設定をしたいため.
アクセス権の管理ユーザー追加でアカウントを作成.
スクリーンショットを取り忘れたので編集画面になっているが,シェルは/usr/sbin/nologinにした.
スクリーンショット 2020-03-29 16.29.13.png

同様にTime Machine用のアカウントも作成した.

クォータ設定

ストレージファイルシステムクォータを選択.
任意の容量を設定するだけ.
スクリーンショット 2020-03-29 16.06.58.png

SMB(Time Machine)領域設定

サービスSMB/CIFS共有タブ→追加
共有フォルダの横のボタンを押し,共有フォルダの設定を投入する.値は任意.
スクリーンショット 2020-03-29 16.36.47.png
保存を押し,もとの画面に戻る.
スクリーンショット 2020-03-29 16.36.54.png
下にスクロールするとTime Machineサポートという項目があるので有効化する.
スクリーンショット 2020-03-29 16.36.58.png
保存を押し,もとの画面に戻る.

設定タブに戻り,一番上の有効スイッチで有効化する.
スクリーンショット 2020-03-29 16.16.20.png

おまけ:macosの設定

システム環境設定→Time Machineを選択.
うまくいけばなにもしないでも領域が表示されているはず.
スクリーンショット 2020-03-29 16.17.30.png
スクリーンショット 2020-03-29 16.17.47.png

全体容量が1.3TBくらいとなっており,クォータもほぼ正常に働いている模様.
スクリーンショット 2020-03-29 16.41.48.png

参考

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