<本記事のターゲット層>
- 忖度って偉い人だけの特権だと思う人
- 忖度が嫌いな人
- 忖度を理不尽だと感じる人
1. 忖度に対する提起
今回伝えたいことは、
(1) 忖度が得意な人も、作業が得意な人もどちらもチームワークで仕事を進めるためには必要である
(2) 他部署や他社の人と仕事をする場合、忖度が得意な人材のほうが活躍する(ことが多い)
ということです。
空気を読むことが苦手な人が世の中にはいる。反面、作業をすることが得意だったりする。
それとは逆に空気を読むのが得意で、作業をすることが苦手な人もいる。
作業をすることが得意な人から見て、空気を読むことが得意で周囲をうまくやっているのを見て嫉妬をすることがあるかもしれない。
それとは逆に、空気を読むことが得意な人から見て、作業が得意な人に嫉妬をすることがあるかもしれない。
しかし、それとは違い、作業をすることが得意な人が、空気を読みながら仕事をしている人を見て「能力がないやつだな」と思うことがあるかもしれない。
それとは逆に空気を読みながら仕事をすることが得意な人から見て、空気を読まずに作業をしている姿を見て「無駄な労力を使ってバカなやつめ」と思うことがあるかもしれない。
でも、それぞれが得意なことをやっていて、苦手なことがあるだけです。自分がやりたい仕事のやり方は、自分にとっての理想のやり方なので自分からみて優れていると感じるのは当たり前で、それに適合しない仕事のやり方をみて、悪いことに目を向けて下に見るのはよくないことだと思う。
2. 忖度はチームワークに必要である
それはそれとして、私も作業が好きで、作業が得意だからこそ思うことがあります。
それは忖度をして、つまり空気を読んで仕事をすることには、とある効果があるということです。
忖度とは、えらい人に対して行うイメージが強いですが、本来の意味は「他人の気持をおしはかること」です。
立場が上でも下でも対等でも、相手がつらいときに手を差し伸べたり、あるいは敢えてそっとしておくことはチームワークを推進する上ではよいことです。
たとえ正論であっても相手がつらいときに話したところで100の内、何%を受け入れられるのでしょうか?あるいは相手を辱めるような状況下で話をしたところでも同じく伝えたいことをベストな状態で伝えきれないでしょう。
理論的に説明をして動くことは得意な人は、理論的に説明をすれば動きます。しかし、理論的に説明をしても動けない人が世の中にいることを常に忘れてはなりません。
忙しくて余力がない人、ハートで動くタイプ、戦略を練って動くタイプなど、様々なパターンがあることでしょう。そうした人たちを動かす決め手は理論ではありません。相手の気持ちを理解し、事前に対話をすることで心理的な負担を軽くしたり(根回し)、相手に分かりやすく短い時間で伝えたいことが伝わるようにしたり、様々な工夫が必要です。しかもこれらは、相手に根掘り葉掘り聞いて進められるものではありません。
正論は正しいのはそうかもしれません。しかし、正論を実行することは必ずしも最高の結果にはならないのです。そこには人と人の関わり合いがあり、その関わり合いは様々な状況の中にあります。
例えば相手がご高齢の方で、耳が遠く、考えるのも億劫な状況だったらどうでしょうか。あるいは病により高熱があり、声もほとんど出せない状況だったらどうでしょうか。そうした状況であれば、わかりやすく気を遣うことでしょう。
でも世の中、必ずしもこうした分かりやすい状況にある人ばかりではありません。とてもつらい状況で、人に話すこともできず、そうした中で普段とは違いトゲのある言葉を出してしまう人だっているかもしれません。「そんなことまで考えられないよ」っと思う人も多いことでしょう。しかし、そうした心を推しはかることこそが、重要であり、それこそが真に忖度をするということだと考えています。
また、常日頃からコミュニケーションを取り、あるいは周囲から情報を聞いたりして、事細かく情報を集めて進めなければいけない状況でも、相手に対話することすら嫌がられることだってあります。これらを解消するには忖度の上手さが必要になるわけです。
3. 伝える難しさ、忖度の大事さ
伝わると伝えるは違います。伝える側は相手に伝えるために試行錯誤して、何度も伝える内容を読み返すため、多大な時間を費やして望んでいるので覚えていて当然かもしれません。
しかし、伝える相手は、内容を見聞きする時間だけしか関わらないのです。メールやチャットであれば2分もかからないことでしょう。対話をしたとして何分でしょうか。忙しい日常の中で関わることを考えたら一瞬の話です。その一瞬に一度伝えただけで「伝わっている」というのは傲慢だと思います。Amazonの創業者ジェフ・ベゾスも、意思を浸透させるために何度も繰り返し従業員に伝えたそうです。とくに伝えた内容を実行に移して欲しいのは、多くの場合は伝える側です。伝える相手ではありません。当然伝わりやすい工夫をすることも当然のことでしょう。
それに仕事を相手に教えるときにも、忖度をすること、伝わる話し方をすることは重要です。相手がプライドが高ければ、そのプライドを傷つけないように配慮した対話をしたほうが結果が出ますし、相手が年下だからといって横柄な態度を取らないほうが質問をしてもらいやすいですし、話を聞いてもらいやすくなります。
ただ「伝えたいことを言う」だけでは結果が出にくいため非効率です。相手の反応を見ながら、それに合わせた対話をしたほうが伝えたいことを伝えやすいのです。言い方を変えると対話の生産性が高くなるということですね。
こんな話をしている私こそ、傲慢に見える人も間違いなくいると思います。私も前まではそうでした。
このように考え方を変えた理由は、情シス時代に忙しいユーザー部門を見て気づいたからです。気づいた内容はまさに、いまお伝えした内容です。
忙しい日常の中で関わることを考えたら、関わるのは一瞬の話です。その一瞬に一度伝えただけで「伝わっている」というのは傲慢であり、伝わりやすい工夫をすることこそが当然です。
忙しくて余力がない人、ハートで動くタイプ、戦略を練って動くタイプなど、様々なパターンがある。というこの忖度が必要な人材がいることも情シス時代に気づいたことの一つです。
作業が得意な人と同様に、忖度が得意な人もいて、それで一つのチームであり、どちらがより優れているとかではない。いまの現場でもそう感じて仕事をしていたので今回、話をしました。
こうしたことを理解した上で仕事をすることが出来る。これもポータブルスキルになるかなと思いました。
ちなみにこの動画が良い忖度のやり方です
https://vt.tiktok.com/ZSjSkvgsc/