OSI参照モデル
層 (Layer)
L7 アプリケーション層
アプリケーションごとの固有の規定
L6 プレゼンテーション層
文字コードなどのデータの表現形式
L5 セッション層
通信プログラム間の通信の確立、維持、終了
L4 トランスポート層
データ転送の信頼性
L3 ネットワーク層
異なるネットワーク間の通信
L2 データリンク層
同じネットワークの中でどのように通信するか?
L1 物理層
ビット列と電気信号を変換するための規定
概要
用語
- パケット
ネットワークを流れるひとかたまりのデータのこと。パケットはヘッダとデータ(ペイロード)に分かれる。
- ヘッダ
データや文書の本体の先頭に付け加えられる、そのデータについての情報を記述した部分のこと。
- パケットヘッダ
パケットヘッダとは、ネットワークを流れる一塊のデータの先頭に付け加える、そのデータについての情報を記述した部分のこと。
OSI参照モデルとTCP/IPモデルの関係
TCP/IPモデル
L4 アプリケーション層
OSI参照モデルのL7,L6,L5に対応
L3 トランスポート層
OSI参照モデルのL4に対応
L2 インターネット層
OSI参照モデルのL3に対応
L1 ネットワーク・インターフェース層
OSI参照モデルのL2,L1に対応
共通点
異機種間の通信を目的としています。
OSI参照モデルの策定される以前では、コンピュータネットワークは、単一のベンダー(メーカー)の
製品だけで構成されており、異なるベンダーのコンピュータ同士の通信を行うことは難しい状況でした。
ネットワークが普及するにつれ、特定のベンダーに依存することなく異なるベンダーの機器との接続
の要望が増えたため、異機種間の通信を実現するための設計方針(OSI)が1984年に策定されました。
団体
OSI参照モデル : 国際標準化機構 (ISO)
TCP/IPモデル : 米国国防高等研究計画局 (DARPA)
立ち位置
TCP/IPモデルが、私たちが使っている「事実上の」標準である。
OSI参照モデルは国際標準化機構(ISO)が作った「名目上の」標準である。
L1 物理層
ビット列と電気信号を変換するための規定
L1 (物理的接続) は電気信号をビット列に変換する
L1以外 (論理的接続) は、ビット列のまま扱う規定
L2 データリンク層
同じネットワークの中でどのように通信するか?
Mac アドレス
上位24ビットをベンダー識別子という。IEEEが製品ベンダーに重複しないように割り当てられる。Macアドレスの下位24ビットをベンダー内識別子という。ベンダーが独自に割り当てる。
ネットワーク機器
- リピータハブ (L1)
繋がっている端末すべてに対して、データを送信する。Macアドレスを使う必要がなく、電気信号を扱うので第一層の処理になる。
- スイッチングハブ (L2)
繋がる複数の端末内の必要としているものだけにデータを渡す。該当の端末はMacアドレスで識別する。OSI参照モデルの第二層の処理である。
- ルーター (L3)
異なるネットワーク間を中継する。よって、第三層の処理である。
用語
- コリジョン
有線ならデータが同じ線の中でぶつかって壊れること。無線ならアクセスポイントで波が重なってしまうこと。
- ALOHA
無線通信用の通信プロトコルである。ノードでの検出なしで、パケット通信が可能になったときにすぐにパケットを送信する。パケット通信が可能になったら、通信相手の状況を考慮せずに通信するので、コリジョンが起きやすい。
- CSMA
データリンク層の通信プロトコルである。ALOHAと異なり、コリジョンを回避できる。CSMA/CDは送信中に衝突を検出し、もし検出したら即座に通信を中止する。ランダムな待ち時間を挿入するCSMA/CAは送信の前に待ち時間を毎回挿入する。
- SSID
アクセスポイントの識別子である。混線防止のために名付けている。無線LANの親器になれるものにつく。無線LANで使用されている帯域は、2.4GHz帯(多くの機器が対応)と5GHz帯がある。
L3 ネットワーク層
異なるネットワーク間の通信
IPアドレス
ネットワーク部は、各ホストが所属するネットワークを示す。
ホスト部はネットワークに所属する各ホストを表す。
プレフィックス長とは先頭何ビットまでがネットワーク部かを示すものである。
ルーティングテーブル
ルーティングテーブルとは、事前に登録されたルートのネットワーク情報のデータベースのことである。基本的なルーティングテーブルの構成は、宛先ルート、パケット転送先、出力インターフェースである。ダイナミックルーティングはそれぞれのルータが作ったルーティングテーブルを交換し合って、更新していく。スタティックルーティングは、手動でルーティングテーブルを決定する。
DNS
DNSサーバは、ドメイン名とIPアドレスの対応付けを行うための仕組みを提供するサーバである。
ARP
ARPはIPアドレスとMACアドレスを対応付けること。
ブロードキャストでARPリクエストを送る。
ARPリプライはユニキャストでMACアドレスを送り返す。
L4 トランスポート層
データ転送の信頼性
TCP/UDP
TCPは高速性よりも正確性を重視するサービスに利用される。
UDPは、リアルタイム性を重視するサービスに利用される。
3ウェイハンドシェイクとは、TCPにおいて使用される接続を確立する方法である。
TCPコネクションは、ハーフクローズという方法で終了される。片方ずつコネクションを切断する。コネクションを切断したい方がFIN bitをセットする。
輻輳制御は、adv window sizeとcongestion window sizeの小さいほうに合わせることを指す。
セグメンテーション
アプリケーション内で使われるデータの単位はファイルである。
その大きさは、MBからGB程度である。
TCPセグメントの大きさは1500B程度である。
データを1500Bずつの単位に区切って送信することをセグメンテーションという。
ポート番号
ポート番号とは、TCP/UDP通信において、コンピュータが通信に使用するプログラムを識別するための番号である。
インターネットに接続されているコンピュータでは、数多くの通信プログラムが動いており、データがどのサービスに向けたものかを明らかにする必要がある。
宛先ポート番号は、アプリケーションプロトコルごとに決まっている。送信元ポート番号はOSが空いている番号を適当に割り振る。