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【体験談】新卒就活のまとめ

Last updated at Posted at 2021-05-08

はじめに ー学生は就活の中で何を考えているのか?ー

「あれ、新卒の就職活動に関する記事少なくないか…?」 by 私

Qiitaには、ここ数年大変お世話になりました。開発中にハマってしまったとき、何度もこちらの記事に助けてもらいました。私にも何かお返しできることはないか。そう考えていましたが、ふと「学生の就職活動」に関する記事が少ないことに気が付きました。学生はどのように就職活動を行っているのか。それを大人たちに知ってほしい。学生の気持ちが分かれば、もっと充実した面接ができると思います。この記事によって、読者様に「最近の学生がどのような価値観をもっているのか/企業をどう見ているのか/どのように就活を行っているのか」について、より深く理解していただくことを目指します。あくまで、私個人の見解ですので、何卒ご容赦ください。

自己紹介

某私大(情報学)に入学後、同大学大学院(情報系)に進学しました。現在、修士2年です。研究室の研究テーマは機械学習を利用したNLP(ざっくり)です。大学4年時に、20人規模のベンチャー企業で、ソフトウェアエンジニアとして、長期インターンシップに参加しました。(1年6か月)CADを使って図面を引いたり、WindowsFormApplicationを使って、ユーザインタフェースを作ったり、機械学習を利用したサービスの開発(少しだけ、マネージャーのような仕事をしたり)を経験しました。就職活動期間は、2020年8月から2021年4月です。応募企業は19社、内定を3社いただきました。(複数社選考辞退)最終的には、従業員が数万人(単体)の大きな企業にSEとして入社することに決めました。得意な言語はPython、PHP、JavaScript、CSharpです。C++を使って開発をしていた時期もありましたが、いまだに苦手意識があります。

①就職活動の軸

4つのタイプ

さて、さっそく本題に入ります。学生が就職活動を行う上で、まずはじめに決めるのが「就職活動の軸」です。ここで、私が就職活動中に出会った学生の情報をもとに、この「就職活動の軸」を大きく4つにタイプ分けしようと思います。

A「やりたいこと」で決めるタイプ
B「なりたい自分」で決めるタイプ
C「安心安全」で決めるタイプ
D「専門分野」で決めるタイプ

A「やりたいこと」で決めるタイプ

まず、Aタイプについて説明します。近年、最も勢いがあるのがこの勢力です。(私の主観)ちなみに、私もAタイプです。これは「人生の目的(purpose driven)」という考え方に共感する人間が増えていることが、最も大きな理由であると考えられます。現在は、VUCA時代と言われ、非常に変化の激しい時代です。だからこそ、会社はもう面倒を見てくれない。会社に依存せず、自分の力で生きていこう。自分の生きる道(方向)は自分で決めよう。自分の中で、やりたいことを定め、会社はそれを実現するための「フィールド」として捉えよう。「フィールド」は途中で変えてもいい。とにかく、自分は「何を社会にもたらしたいのか?」これを第一の軸として考えます。このタイプが最も意識するのが「事業内容」です。

私の体験談

私は、A「やりたいこと」で決めるタイプでした。私のやりたいことは「日本人の働き方を変革する」ことです。インターンシップで勤務している期間中に、コロナウイルスが流行し、全面的にテレワークで仕事をするようになりました。すると、それまで毎朝、片道1時間半かけていた時間が浮き、生活にゆとりが生まれました。このとき、私は働き方1つでここまで人の生活を変えられることに感動しました。また、私の両親は、現在もテレワークができず、たとえ緊急事態宣言下であっても、毎日満員電車に揺られて通勤しています。このような日本人の労働環境は早急に変革しなければなりません。そのような実体験から、私は「日本人の働き方を変革する」仕事がやりたいと考えるようになりました。そして、そのような観点から、私は会社の制度を変えられる「組織人事コンサルタント」と「システム導入に携わるエンジニア」として働ける企業を見ていました。

B「なりたい自分」で決めるタイプ

次に、Bタイプについて説明します。とはいえ「やりたいこと」を見つけることは、非常に難しいです。それを見つけられない学生がほとんどです。そんな彼らが、次に軸として考えるのが「なりたい自分」です。「To Do」型の人間よりも「To Be」型の人間が多いのは、日本人の傾向として、違和感なく感じることではないでしょうか。彼らは、過去の経験から、自分はこれからは(も)こうありたいと「理想の自分像」を設定します。このタイプが最も意識するのが「企業風土」です。

C「安心安全」で決めるタイプ

次に、Cタイプについて説明します。実際には、ほとんどの就活生が、このタイプではないでしょうか。Cタイプの中には、たくさんの派閥があります。

C1「技術資産」特化型

まずは「技術資産」を高めることによって、安心安全を追求するタイプです。このタイプの人は、手に職をつけることで、安定を求める傾向にあります。そのため、ベンチャー企業で実力をつけたいと考える者や、厳しい社風で知られる企業にあえて入る者、実力主義の企業に入る者、文系ではあるがプログラマーを志す者、WEB系の企業を志す者などがこのタイプに当てはまります。

C2「企業力」特化型

もう一つは「企業力」が強い会社に入ることで、安心安全を追求するタイプです。このタイプの人は、企業そのものの安定性を重要視します。そのため、業界の生産性が高いIT業界や金融業界を目指す者、ニッチな市場で競合少ない企業を目指す者、業界のリーディングカンパニーを目指す者などがこのタイプに当てはまります。

C3「ライフワークバランス」特化型

最後は「ライフワークバランス」という観点から、安心安全を追求するタイプです。このタイプの人は、ホワイト企業に入ることを目指します。彼らが重要視するのは、長時間労働の有無、福利厚生、業務の難易度などです。

自己分析

「就職活動の軸」を探すための手段

この「就職活動の軸」を決めるにあたり、就活生は「自己分析」と呼ばれる作業を行います。これは、自分の過去を振り返り、自分がどのようなことに興味関心を持っているのか、どのような価値観の人間であるかを見つけるために行います。ちなみに、行きたい企業に受かるために、面接官ウケの良いエピソードを探す「誤った自己分析」の話はここでは割愛します。自己分析には、様々なやり方が存在しています。個人的には、どのようなやり方でもよいと思います。しかし、目的である「自己の興味関心・価値観の発見」がぶれないように注意する必要があります。

私の体験談

参考までに、私のやり方をお話しします。まず白紙のコピー用紙を何枚か用意します。そして、過去の出来事を書き連ねていき「あのとき、なぜこのような行動をとったのか?」を整理していきます。自分の行動のモチベーションの中で、何度も繰り返し現れるモチベーションをいくつか候補として挙げ、それらの中から「やりたいこと」(なりたい自分)を設定します。私は、この作業で「整理整頓(几帳面)」が最も強いモチベーションであることを発見しました。これ自体は正しいと思うのですが、実はこれでは最後まで上手くいきませんでした。私はこの「整理整頓(几帳面)」という就職活動の軸を持って、企業の最終面接に2回挑戦したのですが、2回ともはねられてしまいました。(ちなみに、はねられた理由はこれとは別にあります)そもそも、この価値観自体は正しいのですが「社会にもたらすもの」という観点から考えると、自分自身でも納得のいかない軸でした。最終面接で2回はねられた後、もんもんとした状態で、2、3週間が経ちました。その間、私は就職活動について何も考えていませんでした。正直に言って「やりたいこと」なんてないと少し投げていたときでもありました。そんな中で、ふと「もしやるなら、仕事の苦労を失くしたいな…」という考えが、胸に1つだけ浮かんできました。思い返せば、私は昔から働くことに関してネガティブなイメージをずっと持っていました。そして、だんだんとこの思いが強く固まってくるようになり、最終的にはこの軸で、内定を3社からいただくことができました。決心のきっかけは、理屈ではなくて、この胸の衝動から生まれるものなのではないでしょうか。

②企業選び

学生は、どこから企業を探すのでしょうか。考えられる手段をいくつか挙げてみましょう。(1)ナビサイト(2)学内説明会(3)合同説明会(4)インターネット

(1)ナビサイト

ナビサイトに関しては、一度は誰もが登録するのではないでしょうか。一方で、賢い学生ほど、このナビサイトを鵜吞みにしません。企業がお金を払うことで、ナビサイトに求人情報を掲載していること、払うお金が多いほど、レコメンドされやすくなることに気が付き始めています。(正確には、どのようなアルゴリズムでレコメンドしているかは計り知れないのですが、ナビサイトが営利組織であることを考えると、そのような仕組みがあるという前提の下で行動することが賢いと考えられます。)「就職活動の軸」を決めずに、ナビサイトの上から順番に企業に応募する者は少なくなりつつあるのではないでしょうか。(近年の売り手市場も関係していると思います)

(2)学内説明会(3)合同説明会

就職活動の軸を持っている就活生であれば、狙い所の企業のブースにのみ行って、情報収集をすることになります。逆に何の軸も持たずにこのような説明会に参加したところで、企業選びの基準が思いつくわけでもないので、余計に混乱するという声をよく聞きます。

(4)インターネット

私が最も活用したのがインターネットです。私は普通にググって企業を探していました。または、openworkから競合他社を数珠つなぎで探していました。(LinkedInからお誘いを受けたこともありました)WEB系エンジニアを目指している者であれば、Wantedlyなどを活用しています。

私の体験談

私の就職活動の軸は「日本人の働き方を変革する」ことです。そして、そのために「組織人事コンサルタント」と「システム導入に携わるエンジニア」という2つの観点から企業を探すことになりました。基本的には、ググって、企業を探しました。まとめサイトなどがあると、非常に助かりました。また、openworkから、競合他社を見ていくという手法もかなり有効でした。(2)学内説明会(3)合同説明会は、面接を控えている企業様のブースにのみ足を運び、人事担当の方と仲良くなりました。(大学のOG様)その方を経由して、本来であれば、教えていただけないような、面接のFBや、次回の面接官がどのような人物で、どのような質問をするか、どのように答えた人間が落ちて、どのように答えた人間が受かるか、などかなり詳しく教えてもらうことができました。(1)ナビサイトは私の場合は、全く利用しませんでした。ナビサイトには、思わず目移りしてしまうような有名企業がずらりと並んでいます。そのような誘惑に負けず、最後まで自分の「やりたいこと」を貫くことが大切だと思います。

補足になりますが、私の場合、インターンシップの経験が長く、それなりに「ググる力」が身に付いていたため、このような手段を取っていました。普通の大学生であれば、まずはナビサイトに登録してそこから企業を見ていくのだと思います。

➂適性検査

学力検査

マ〇ナビさんによると、学力検査は基本的には、下位3割の学生が落ちるようです。(学内セミナー)裏を返せば、下位3割に入らなければ、問題ないということです。

性格検査

オフィシャルの方は当然、ありのままの自分で回答しろといいますが、ほとんどの学生にそのような精神的余裕はありません。(どこにも受からなければ就職浪人ですから…)ましてや、1つも内定がない状態で、ありのままに回答するなんて、きれいごとにすら聞こえてしまいます。そのため、多くの学生は「適性検査対策本」にある通り、企業の求める人材像に寄せて、回答していると思います。(私はありのままにやってました)

④コーディングテスト

私の体験談

「データ構造とアルゴリズム」の本を一冊買って、対策しました。1周読んで、可能であれば、有名なアルゴリズムは、ソースコードに書き起こせるようになると良いと思います。それから、LeetCodeもやっていました。「easy」を30問くらい解けば、十分だと思います。蟻本も興味本位で買いましたが、難しくて途中で投げました。おそらくあのレベルまでやる必要はないと思います。私の戦績は、2勝1敗でした。1敗したところは、レベルの高いところだったので、やむを得ないと思っています。残りはしっかり取り切ることができました。個人的には、コーディングテストの対策、そのものが、非常に勉強になり、面白かったです。対策期間は1か月もあれば、十分ではないでしょうか。(最難関企業は別として)

⑤WEB面接

私の場合、最終面接まで一貫してWEB面接を行う企業がほとんどでした。そこで、WEB面接において、注意していたことなどをまとめます。やっていて感じたことは、WEB面接には結構テクニックが必要だということです。本当は優秀な人材にも関わらず、テクニックを知らないだけで、印象が悪くなってしまったり、話がうまく伝わらなくなってしまうことも十分にあり得ると思いました。

面接前の準備

私の体験談

私は、主に(1)企業HP(2)新卒HP(3)openwork(4)OB訪問という4つの手段を使って、面接の対策をしていました。ちなみに、面接練習のようなものは1度も行っていません。理由は、そんなことしなくても、話す内容を事前に整理しておけば、上手く話せる自信があったからです。(1)(2)は超基本です。特に(2)を見るだけでも、どのような人材が欲しいのかすぐに分かると思います。採用コンセプトは何か、HPのデザインはどのようなものか、先輩社員の写真は笑っているのか、真剣な顔つきなのか、同じ業界の会社でも比較することで、その企業カラーというものが見えてきます。注意深く観察しましょう。(3)も非常に重要なデータです。星の数には必ず理由があるはずです。しっかり裏を取っておきましょう。(4)は逆質問のネタを考えるために行いました。実際に働かれている方しか知りえない情報を引き出し、そのネタを逆質問に利用します。このとき、自分の「やりたい仕事」や想定している「企業文化」に誤差がないことを確認しておきましょう。面接本番で、すれ違いが起きたら大変です。

面接時に気を付けていたこと

(1)アイスブレイクをしっかりしよう(雑談という名のコミュニケーション)
(2)目で話を聞く(しっかりと頷いて聞いていることをアピール)
(3)聞かれたことに答える(人として当たり前)
(4)緊張しすぎると良いパフォーマンスができない(上司と話しているときの自分を思い出す)
(5)可愛げを出す(若いもんは元気が一番!素直で爽やかで可愛げのある奴だなぁ~)
(6)理に傾きすぎず、情に傾きすぎず(バランスが大事)
(7)逆質問に人が表れる(ありきたりな質問はうんざり…)
(8)最終面接は「GO」サインを出してもらう場(熱く!熱く!熱く!)
(9)伝えにくいエピソードを出さない(そんなに興味もないでしょ)
(10)尊敬の念を持つ(これがすべて)

私の体験談

WEB面接が上手くなるポイントは「カメラ目線」で話せるかどうかだと思います。また、PCの下に分厚い参考書を4冊くらい重ねて、PCのカメラと自分の目線の高さを合わせるようにしていました。これだけで、だいぶ印象が変わります。

⑥内定先選び

私の体験談

内定をいただくと、その企業のプライオリティは下がります。そのことを念頭に就職活動を続けていかなければなりません。内定先選びで最も重要なことは、最初に決めた「就職活動の軸」を忘れないことです。例えば、私の場合は「日本人の働き方を変革する」という軸を立てていました。そのためには、どこの企業に入れば、最もこの目標に近づけるのかを考えます。たとえば、同業他社のどちらに行くかで迷っているときも(1)サービスの中身(2)企業風土などを加味することで、納得感を持って選ぶことができます。もちろん、openworkなどを見て、懸念点を探ることを大切です。しかし、それに囚われすぎないように注意しましょう。肝心なことは、内定をいただいてからも企業分析を続けるということです。

⑦学んだこと

(1)内定を1つ取ると、精神的にすごく楽になる(滑り止め用の最初の1社を全力で取りに行け)
(2)必死にやっている人は必ず伝わる(一生懸命に努力しよう)
(3)就活のコツは「田植えと稲刈り」を同時にこなすこと(落ちた数だけ新しくエントリーしよう)
(4)決してネガティブになってはいけない(気持ちが沈むとすべてうまくいかなくなる!空元気でいい!)

おわりに ー新卒就活は特殊なゲームー

ここまで、就職活動の軸の決め方、企業選び、適性検査、コーディングテスト、WEB面接、内定先選びまで新卒就活の一連の流れを書いていきました。この記事によって、新卒就活に携わる読者様に少しでも新しい気づきが生まれることを切に願っています。お読みいただきありがとうございました。

リーダーの多くは、キャリアの初期段階で高収入の仕事を断り、情熱を傾けられる仕事を選択しています。その結果、満足度と報酬の両方で他の人よりも先に進んでいます。自分が好きな仕事で成功したからです。タイム社のCEOアン・ムーアはビジネス・スクール終了後に10を超える仕事の誘いを受けましたが、その中で最も給与が低い『タイム社』への入社を選びました。「雑誌の仕事がしたかったのでタイム社を選びました。」「お金だけでキャリアを決めることはできません。お金が後からついてくることを願っていましたし、実際そうなりました。お金だけで仕事を選んでいたらまったく違ったキャリアを積んだでしょうね。」
引用)『True North』(ビル・ジョージ)

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