Kotlin 1.1 BetaでShorter syntax for propertiesを用いるときの注意点

Kotlin 1.1にて導入される構文の１つである Shorter syntax for properties を用いた以下のようなコードは，1.1.0-beta-22の段階では構文チェックは通るもののコンパイル時に落ちます．

open class A(val s: String)

class B(s: String): A(s) {
    val rep // ここが問題
        get() = s.replace("a", "b")
}

fun main(args: Array<String>) {
    println(B("abrakadabra").rep)
}

Error:Kotlin: [Internal Error] org.jetbrains.kotlin.codegen.CompilationException: Back-end (JVM) Internal error: Don't know how to generate outer expression for lazy class B
︙

問題の箇所は

val rep: String
    get() { return s.replace("a", "b") }

と等価になるはずなのでsはthis.sのつもりで使用していますが，コンストラクタに渡されたsと判別がつかないためにエラーを吐くようです．

対処法としては，

1. repの型を明記する
2. コンストラクタの引数名を変更する
3. this.sに書き換える

が考えられます．
本質的にはrepの型を推定するプロセスの問題なので，通常は型を明記すれば良いでしょう．
（多少はコンパイル速度も向上するのではないかと思いますし）

修正後のBクラスのコードは次のようになります．

class B(s: String): A(s) {
    val rep: String // 変更点
        get() = s.replace("a", "b")
}

~2017/2/3追記~
バグ報告は既にされているので，そのうち修正されると思います．
https://youtrack.jetbrains.com/issue/KT-15844