AI をビジネスに活用するために
はじめまして、
株式会社キカガクの講師 大庭(おおば)です。普段は AI にまつわる様々なセミナーを実施しています。
中でも最近、AI ビジネス活用コースという AI をビジネスに繋げるための第一歩を踏み出すためのセミナーの人気が、じわじわと上がってきています。
今回はそのセミナーを実施する内に見えてきた、AI 企画におけるポイントをご紹介します!
本記事では、以下の理解を目標としています。
- AI に触れたことがない人は何がわかっていないのか?
- AI を知っている人と何が違っているのか?
また以下のような読者を想定した記事となっています。
- ビジネスサイドと AI に関しての認識の違いで困っているエンジニア
- AI の企画を任されたがどこを押さえればいいかわからないプランナーや営業、コンサルタント
※ 初学者に向けたわかりやすさを重視しています。
目次
- AI 企画開発の流れ
- 失敗が起きるフェーズ
- 企画構想に関わる人々の 3 つの「 無 」
- まとめ
1. AI 開発の流れ
まず、AI の企画開発の流れを見ていきましょう。
一般的なソフトウェア開発では、ウォーターフォールやアジャイルといったある程度の方法論が出来上がっています。
AI でも似たような流れではあるのですが、少し特殊なフェーズがあることを押さえましょう。
AI の企画開発の全体像は以下のようになっています。
上の画像を参考にしていくと、
1 つ目の企画 / 構想、3,4 つ目の開発と運用に関しては、フェーズとして特殊なものではありません。
2 つ目の「 PoC 」というフェーズが厄介です。 AI を初めて企画する人にとっては聞いたこともない言葉ですよね。
PoC に関しては次の項目で触れるとして、全体の流れを大きく 2 つに分解してみましょう。
流れを分けてみると、
- Why - What
- How
の 2 つが見えてきます。
ここまで見ても、大枠ではソフトウェア開発のプロジェクトとそんなに違いがないことがわかるかと思います。
Why - What の部分では、自社や自部門の業務、提供しているサービスのどこにどんな AI を適用するか、を考えます。
課題 ( What ) の明確化と、そこに AI が必要な理由 ( Why ) を考えると言い換えてもいいでしょう。
How の部分は、決まった企画や構想を元に、AI を組み込んでいく段階です。
余談ですが、AI はそれ単体で使えるというよりは、既存のサービスやアプリケーションに搭載することで価値を発揮するものです。
今まではビジネスを行うためのツールとしての IT がメインでしたが、これからは「 AI とビジネスの一体化」が進んでいくことでしょう。
2. 失敗が起きるフェーズ
AI 開発の全体像を掴んだ上で、企画開発で失敗が起きやすいフェーズはどこか見ていきましょう。
全体の流れを元に考えると、失敗しやすいのは、Why - What と How が切り替わったタイミング、つまり PoC フェーズです。
PoC というのは、Proof of Concept の略称です。日本語で概念検証と訳しますが、実現可能性を検証するという意味合いで使われます。
モデルの構築ができるかどうか、そしてそれが企画の目的を達成できるかを検証するフェーズです。
アプリケーションでいうプロトタイプやモックアップを作るイメージです。
実はこの PoC に関して書き出すとそれだけで 1 本記事ができてしまうぐらいの話題なので、またの機会に詳しくお話したいと思います。
(「 PoC 失敗 」などで調べていただければ、たくさんの記事がヒットします。)
では、なぜ多くの AI プロジェクトは PoC フェーズで失敗してしまうのでしょうか。
3. 企画構想に関わる人々の 3 つの「無」
PoC で失敗する原因は、PoC フェーズにももちろんありますが、企画構想フェーズにもあります。
今回は、企画構想時にこれを避ければ失敗確率が下がるかも、というポイントを紹介します。
AI に触れたことがない方によくある 3 つの 「 無 」
それは、以下の通りです。
- 無知
- 無謀
- 無意味
■ 無知
無知というのは、AI 神話と言ってもいいでしょう。AI に任せれば何でもできる、人間の仕事をすべて代替してくれる、という考えです。
もちろん、AI には得手不得手があります。AI に任せたいけれど、人間がおこなった方が何倍も速いものもあります。
まずは、その課題が AI で解決可能かどうかを確認しましょう。
■ 無謀
無知を防げないと、それゆえの無謀なプロジェクトが走り出してしまいます。
本来なら単純なルールベースによる自動化で解決できたり、まだデータも整っていないのにも関わらず、ブームに乗ってとにかく AI を導入したいという無謀なスタートを切ってしまいます。
AI でできることできないことを明確にした上で、AI にできたとしても、AI で解決するべきかということはよく検討しましょう。
■ 無意味
無謀なスタートを切った結果、コストをかけても思ったような成果が得られないことが往々にしてあります。
これでは、せっかく優秀なデータサイエンティストを雇っても意味がありません。
企画構想の段階で、ROI が成立することをしっかり確認しましょう。
4. まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
みなさんがプロジェクトを進める際に、少しでも参考になれば幸いです。
AI の企画構想の段階では、
3 密はもちろん、「 3 無 」を避けることで、悲しい結末を避けられることでしょう。
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