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SQLインジェクションについて

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目的

SQLインジェクションについて理解を深める。

目次

  1. SQLインジェクションとは
  2. SQLインジェクションの対策
  3. 特殊文字の変換
  4. より厳格なSQL文の生成
  5. プレースホルダー

SQLインジェクションとは

SQLインジェクションとは、「Webページのテキスト入力欄」や「URL」などにSQL文の断片を埋め込むことで、データベースを改ざんしたり不正に情報を入手する手法のことです。

SQLインジェクションの対策

SQLインジェクションの対策としては以下の2つが挙げられます。

  • 特殊文字の変換
  • より厳格なSQL文の生成

特殊文字の変換

基本的な対策としてあげられるものが、SQLにおいて意味を持つ特殊文字のエスケープです。
SQL文中では「'」が文字列の終端を意味していることがポイントです。

たとえば、データベース内に格納された「user_id」と「password」が一致すると、ログインなどの認証を認めるアプリがあった場合、認証に用いられるSQL文は以下になります。

SELECT * FROM users WHERE user_id='$uid' AND password='$pwd'

ここに以下のように入力します。

$uid  tarou
$pwd  ' OR 'A'='A

すると前述のSQL文は以下のようになります。

SELECT * FROM users WHERE user_id='tarou' AND password='' OR 'A'='A'

もし、特殊文字である「'」をエスケープしていなかった場合、WHERE句の中では「user_id='tarou'」に加え、「password=''と'A'='A'」の2つの条件をORで判定することになります。

この「password=''」と「'A'='A'」は「OR」でつながっているため、どちらかがtrueの場合は認証が認められてしまいます。「'A'='A'」は確実にtrueのため、「user_id」と「password」が一致していなくても、user_idだけ正しければ認証が通ってしまいます。

しかし、特殊文字をきちんとエスケープした場合はユーザーからの入力の「'」は単なる文字列として扱われるため、「password」に対する入力が「' OR 'A'='A'」という一連の文字列となります。このようなパスワードを設定していない限り、「password」不一致となるため認証は認められません。

実際にエスケープを行う場合は、フォームから「'」を含む文字列が送信された場合に、別の記号で置き換えるような実装をすることで実現できます。

より厳格なSQL文の生成

ユーザーからの値をSQLへ反映する前に、SQL文の構造を確定する仕組みをとることで、より厳格に対策できます。SQL文確定後にユーザーからの値を入れて実行するため、ユーザーの入力値によってSQL文が変更されることはありません。

先ほどの例を用いると、データベースに対する処理を行う前に、以下のSQLを用意しておきます。

SELECT * FROM users WHERE user_id=? AND password=?

ここで、「user_id」と「password」の値として「?」が使われており、これをプレースホルダーといいます。

プレースホルダー

プレースホルダーはユーザーの値が入力されるまでの一時的な仮引数のようなものです。あらかじめ確定したSQLにおいて、可変の値が入力される箇所に配置します。

このようにプレースホルダーを用いて設定すれば、「usersテーブルにおいてuser_idとpasswordの組み合わせが一致するかどうかを判定できる」という構文を事前に確定することができます。この後ユーザーからどのような値が入力されようとも、上記の構文の中でSQLが実行されることになり、SQLインジェクションを防ぐことが可能です。

すなわち、「password」として「' OR 'A'='A'」と入力をしても、これらは単純な文字列として認識されます。

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