新聞社のニュースサイトの編集をしています。凝ったコンテンツも大事ですが、突発の事件事故が起きた時も、データを可視化するような報道ができないかと思っています。
以下の例は、技術的には単なるgifアニメですので何の参考にもなりません。この投稿では、報道目的の場合に気を付けたこと、ニュースサイトで求められるのが即応力であることなどを共有できたらと思っています。
【これはひどい】市議20人中15人が逮捕、を見える化してみた - withnews(ウィズニュース)
http://withnews.jp/article/f0140717000qq000000000000000W00b0401qq000010394A
記事は青森県平川市の市議会議員が次々と逮捕されていったことを伝える内容です。記事を配信した段階では定数の4分の3が逮捕されるという異例の事態になっていました。
議会事務局のサイトには議員の顔写真が公開されていました。サイトは更新が止まっていて、最新の議席が反映されていませんでした。クロームの「要素を検証」で記述を編集して、画像を抜いてスクリーンショットを取りました。その画像をつなげてgifアニメで表現しました。逮捕の一報から2時間くらいで配信できました。
報道機関として気を付けた点を以下に記しておきます。
・事実の確認(記者2人1組で名前の確認、数の確認などをしました。作業時間の半分くらいを費やしました)
・画像の著作権、肖像権(今回は報道目的という範囲におさまると判断し、配信しました。芸能人のサイトなどでは同じ手法は使えなかったと思います)
・当事者への確認(サイト上の情報だけでもgifアニメは作れましたが、逮捕=辞職ではないことなど、気を付けるべき点はあったので念のため議会事務局に電話で確認をしました)
ニュースサイトを運営していて課題に感じるのが、リッチコンテンツの露出の仕方です。ネットの情報はフロー型でどんどん流れていってしまうので、ストック型のリッチコンテンツにはなじみません。
ご紹介した記事のように、何か事件事故が起きたときのタイミングで、記事内のリンクなどから他のデータを可視化したコンテンツ(報道に限らず)に誘導していく。そんな姿勢が大事だと思っています。
会社や団体の枠をこえて、優良なコンテンツを共有、ストックしておく仕組みがあれば、ニュースをきっかけにした関心の高まりに乗っかって色々な成果を広めることができるのかもしれないと思っています。