2024年10月3日に福岡で開催されたAWS Immersion Dayに参加してきました!
本レポートでは、AWS Immersion Day(福岡)に参加した体験を基に、イベントの全容、興味深いセッションの内容、そして私が得た学びについて詳しく解説します。
AWS Immersion Dayとは?
AWSパートナーが実施するAWSの技術ワークショップ形式のイベントです。
参加者は、AWSの機能やツールの使い方をはじめ、AWSのサービスを最大限に活用する方法を学べます。
今回のテーマ
「~ 生成 AI を体験してみよう チャットボット構築や RAG による社内データ活用について実際に触って学ぶ〜」
AWS の生成 AI への取り組みを紹介し、生成 AI サービスの1つである Amazon Bedrock を中心に、その活用方法をご紹介します。さらに、AWS パートナー様が急速に進化する生成 AI にどう取り組んで、お客様の課題解決を図っているか、実例を交えてお伝えします
セッションの概要
AWS の生成 AI の取り組みと生成 AI サービス ~AWS~
まずはAWSの生成AIに対する取り組みと活用事例をご紹介いただきました。
そもそも生成AIとは?
- 会話、文章、画像、動画、音楽など、新しいコンテンツやアイデアを創造
- 人工知能の一種で、膨大なデータに基づいてトレーニングされた基盤モデル (Foundation Model / FM) を利用
生成AIの定義と従来のAI/MLモデルとの違いについて説明があり、基盤モデルを利用する生成AIは「追加学習なしで 様々なタスクを 高い精度で実現」できると強調されてました。
従来のモデルとの違いを考えた事が無かったので、より生成AIに対する解釈が深まったと思います。
また、DX白書によると日本での生成AI活用は約20%程でAI最先端の米国との差が約20%あるそうです。
こちらを基準とすると、現段階で日本のAI利用の伸び代が20%もある事が分かります。
Amazon/AWS における 生成 AI の取り組み
「生成 AI 搭載アプリケーションには ビジネスに価値をもたらすポテンシャルがある」という事で大きく4つのポイントを挙げられていました。
- 新しい体験
- 生産性向上
- 洞察の獲得
- クリエイティビティ
具体的には、「Amazonのカスタマーレビュー」「買い物アドバイザーRufus」「Alexa」「Amazon Pharmacy」というサービスに生成AIソリューションが活用されているそうです。
何故生成AIの活用にAWSを使うのか?
AWSを選ぶ理由として以下のメリットを強調されてました
- セキュリティとプライバシーを大前提に最も容易に生成 AI のアプリを構築・展開
- 最も高性能で低コストな インフラストラクチャーを提供
- ユーザ体験を変革する生成 AI の構築済みアプリケーション
- 大きな差別化要因となるデータのための包括的なデータと AI のサービス群を提供
さらには、具体的なユースケースについても説明がありましたので、体験別にまとめてみました。
- 顧客体験の向上
- チャットボット、バーチャルアシスタント、 会話分析
- 従業員の生産性と創造性を加速
- 会話型情報検索、要約、コンテンツ生成、プログラム生成
- ビジネスプロセスの最適化
- 文書処理、プロセス最適化
生成AIを活用する上での難しさ
色々な方が直面する問題として、「進化への追従」「インフラの管理」「セキュリティ」が真っ先に思い浮かぶかと思いますが、AWSの生成AIサービスであるAmazonBedrock の利用で上記の問題を解決できるそうです。
AmazonBedrockについて
AmazonBedrockでは、セッション開催時点ではLLMベンチマークで最高の精度を発揮するClaudeモデルを選ぶ事ができます。
但し、ここで強調されていたのが「最高精度を発揮するモデルを使う事が正解ではなくケースに沿ったモデルを柔軟に選べる事の方が大切だ」と説明されていました。競争が激しいAI市場でLLMベンチマークは他の生成AIサービスのモデルが優位に立つ事も多いが、AmazonBedrockはケースバイケースで幅広い選択肢から柔軟にモデルを選べる事が魅力だそうです。
チャットは何でもできるが便利とは限らない
このテーマを聞いた瞬間、ものすごく共感しました。
実際に使ってみようとは思うが、プロンプトエンジニアリングの学習コストもあって利用する場面が少なくなってしまっているのが現状です。
そのため、ケースに応じて専用のUIを設ける事でより活用しやすくなるそうです。
【例】翻訳、文章生成、文章校正、要約、画像生成
Generative AI Use Cases JPについて
すぐに業務活用できる ビジネスユースケース集付きの 安全な生成 AI アプリ実装で
略称はGenUだそうです。
OSSとして公開されており、最短10分でデプロイし利用する事ができます。
ワークショップ
先程紹介したGenUをユースケース毎に触ってみて、どのような効果が得られるかを実際に体験するワークショップです。
今回は既にAWS環境に構築済みのGenUを触らせていただけました。
チャット機能
生成AIを利用する際に一番多いパターンだと思います。
今回はいくつか具体例を交えながら、期待結果を得られるコツ(プロンプトエンジニアリング)に関しても紹介がありました。
RAGチャット機能
今回のデモでは、社内WiFiの接続情報がドキュメントに記載されておりその情報をRAGチャット経由で得られる事ができました。接続情報を探し回ったりする時間って意外とあるので、一瞬で解決できるRAGチャットが活用できる場面はかなり多そうです。
文章生成機能
デモでは、日程調整のメールに対する返信メールを生成AIに自動生成してもらうというケースでした。
インプットの内容とは別にコンテキストへ「返信」「具体的な日付」を与える事で、メールの返信の文面が生成されていました。
要約機能
文章の要約も生成AIが使われるケースで多いと思いますが、今回のデモはコンテキストに「日本語、マークダウン、箇条書き」という風に指示を加えて出力させました。
校正機能
文面を客観的にチェックしてもらえる機能です。
実は、セッション参加の後にこの機能を頻繁に利用してます。
自分が思っていた敬語の使い方や言い回しが一般的では無かったり、気付かされる事が結構多いです。
翻訳機能
生成AIではなくても、翻訳できるサービスは多いと思いますが生成AIを利用すると精度が上がって翻訳後の文章に違和感が少ないと感じます。
Webコンテンツ抽出機能
ブログやドキュメントなどのWebコンテンツを抽出できます。
要約の指示もコンテキストで与えられるので、ブログの執筆やドキュメント作成時に利用できそうです。
画像生成機能
生成AIサービスで画像生成も有名ですが、有料のサービスが多く実際に使った事がありませんでした。
今回のデモで実際に触ってみて、画像の完成度に感動しました。
最後に
AWS Immersion Dayを通じて、生成AIの重要性を改めて認識しました。今回の経験を活かし、ユースケースに応じ最適な生成AIサービスを提供できるエンジニアを目指そうと改めて思いました。最後に、有益な機会を提供してくださった主催者の皆様、パートナー企業の皆様に心から感謝申し上げます。