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QGIS HackFest Tokyo 2015を振り返って

Last updated at Posted at 2015-08-02

2015年08月01日、東京大学駒場キャンパスにて、QGIS HackFest Tokyo 2015を開催した。
以下、イベントレポートと、課題の抽出。

終わったあとに、キーワードだったな、と思う言葉

「雑(Hack)」

最初の想定

QGISを触る機会をつくろう がコンセプト。

あと、「その場に居ないひとも参加できる」「後に残すためにドキュメント書くのタルいから、最初から書くように勧めよう」という点を重視させる目的で、HackPadでリアルタイムにドキュメントを残した。

なんでもかんでもHackPadでまとめる、というアイデアは台灣のOSMコミュニティが行っている慣習を踏襲した。

開催中の様子

DSC02968.JPG

初心者、中級者、上級者、それぞれへのメリット

初心者

  • データを触るためのキッカケを提供する。
  • データは触っても壊れない、ということを教える。

→(施策)初心者講習会の設置。LTの聴講。午前中のインストール実習。普通のいわゆる「勉強会」よりも、ハンズオンの機会を多くしたことで定着率は高いと思う

さわったことのあるひと (中級者)

  • 自分のやりたいことを達成するための端緒を提供する。
  • 他にQGISをさわっているひととの接点を提供する。

→(施策)HackPadでの情報共有、および、各段での発表。そこそこ満足はしてもらえたかもだけど、もうちょっと施策はうてたかも。消しゴム測位をもっと活用したらよかった。

熟練者

  • まとまって作業するための時間を提供する。
  • 自分の興味範囲を手伝ってくれそうなひとを探す機会を提供する。

→(施策)「放っておいてもなんとかするでしょう」レベルの方々なので、施策としては薄かった。もっと、他者とつながるような施策、あるいは、時間を確保してあげられる施策として、なにかできたのかもしれない。
逆に、彼らがなにをしているのかを周囲に示してあげられるようにできなかったのは惜しかったか。
作業時間を確保できた意味がどれだけあったか、要検証。

→次回以降、この層へはテーマを「ひとりではできないことをしよう」として、実施内容の提示を積極的にしてもらい、チームの編成を促す施策を行ってゆくのはどうか。

達成できたこと

参加申し込みがほぼ40人で、ほぼ全員が参加した。
これは、無料のIT系勉強会としては異例の出席率。

後に残る文書を作成できた。
HackPadでのリアルタイムドキュメンテーションは今後も継続するべき。

QGIS初心者講座は大成功だった。(オープンコンシェルジュさん、ほんとうにありがたい!)
講習参加人数は20人程度であり、参加者の約50%。
その多くは講習とLTのみで帰ったので、これはいわゆる勉強会の「参加者」として、想定の範囲内。

逆に何人かは、やりたいことを手を動かして復習し、質問をするために残った。ここに残る率を高めてゆく施策が必要。
後日、GIS上級技術者試験の発行枚数を要調査。

  • 初心者講習会
    2015-08-01 13.28.56.jpg

わかったこと

QGISで作業した結果をどのように出力するか、というのは、QGISにとりくむ上で大きな課題。
印刷、Web公開など、目的と方法は多岐にわたる。そこはたぶん、個々人に要望を聞き、サンプルを見せながら触ってもらうしかない。
いまPhotoshopなどで作っている地図データや統計データを、より正確に、簡便に作成・提供したい、というニーズがある。

初心者講習会は、どんな場合でも設置必須。
イチから基礎を塗り直したい、というかたは、日本人ではとても多い。
おめー初心者じゃねーだろw、という方まで参加するのはどうしようか、と思うけど、そういうひとでもわりに基礎に不安があったりするので、基礎知識を固める場としてこういう場があったほうがよい。
基礎がある人が増えるのは、長期的にみてとても貴重な機会。
他のIT勉強会でたまにあるように、初心者のふりして入って登壇者にマサカリを投げるとかするひとが出始めたら対応が必要。

HackFestという名称について

HackFestなので、Hackできないひとは参加しづらいのではないか、という意見があった。
ここへの対応施策はいくつかある。
いまのアイデアソン、とかの流れは「名前を変えて参加しやすくしよう」。

でも個人的に、HackFestはできれば、HackFestの看板を保ちたい。
なぜならば、このイベントは、データをいじって壊して遊ぶイベントであり、例えるなら、みんなで積み木や切り絵をするイベントに近いから。

なので、「ここでやっていることはこういうことです」というメッセージを伝えられるような、やっていることや雰囲気を説明するテキスト(ブログ記事)や、ムービーの作成を行う、などの施策が考えられる。

米国のCivic Hack Nightのやり方は参考になりそう。そこで実施している施策は以下。

  • 初心者卓をつくる
  • スタッフは、要望ヒアリングと人員ルーティング役を行う
  • イベント内容を説明するムービーを作って参加前に配布する

どんなにイベントの名前を変えようが、根本原因は「そこでなにをやっているのか、そこの雰囲気はどんなものなのかがわからない」ということ。
イベント前の問い合わせとして「当日の服装はどうしたらよいでしょうか」という問い合わせが複数あったことからも、雰囲気を説明しておくことが重要と考える。

やってみたけどうまくまわらなかったこと

消しゴムで居場所管理をしたい、と思ったが、うまく活用されなかった。
意図が伝わらなかったのと、もしかしれこれは、全員が使うものではなく、中級者以上のひとのためのコミュニケーションツールとして特化すべきものなのかもしれない、と思った。
イベントが終わった後に意図を汲んでくれたかた(中級者以上)からは、好印象だった。

書籍を置いておくのは、役に立ったかわからない。
アナウンスが弱かったかもしれない。
何冊かは持ちだされて読まれた形跡があったので、無駄ではなかったようだ。

LTの時間制限お知らせとして、銅鑼ではなくベルを使ったが、これはわりとよさそう。
100円ショップの適当なものではなく、ちゃんとしたベルが欲しくなったレベル。音が優しく、ユーモラスなのがよい。

受付はもうちょい洗練が必要。
受付ロジを把握しているのが飯田1人で、他に展開していなかったのは大きなミス。コアスタッフは動きまわるので、受付には専用のひとを1人配置するべきだった。バイトさんを雇っても1日1万円かからないので、そのくらいやってもいいかも。

消しゴム測位について

参加者ひとりひとりに、名前を書いた消しゴムを配り、ある程度作業が落ち着いた段階で、自分の実施している内容を紙に書いてもらい、紙の上に配置してもらうことによって、誰がどこにいるのか、ざっくりとした管理をしようと考えた。

けど、うまく活用できなかった。

基本的にお遊びの延長なのだけど、もっと広い会場だと必要になりそうなのと、これがどんな時に有効になりそうなのかを考えると面白そうだった。

少なくとも今後また実施する際には、台紙を大きくすることが必要。

DSC02962.JPG

DSC02976.JPG

時間配分について

「適当な時間から参加してください」は、開催側としては楽な方式。
ただ、システムを説明するのに手間がかかるので、やはりシステム説明するための一枚紙は必要だった。

ライトニングトークがあの時間帯でよかったのかは、ちょっと課題。
14:30は作業の真っ最中であり、LTを見ることで作業の流れがぶった切られてしまう。
ちょっといまの作業飽きてきた、というかたのスイッチ切り替えに使えればベターだけど、なかなか難しい。集中しているひとを邪魔せずにするにはどうしたらいいか、が次の課題。みんなLTは聞きたいだろうし。
後に続く作業のためのネタ提供としてはたいへんよかった。
例えば、OSMのoverpassを使ってみよう、というかたは初心者相談会でいくつかあった。

午前中のQGIS 2.10インストールテストは、それなりに意味があったと思う。
インストールをした後、すごく雑な地理空間情報の基礎を30分説明して、そのあとでもう一度初心者講習会なので、ちゃんと準備を整えて知識の咀嚼ができるのは大きいと思う。

昼食について

東大の駒場キャンパスでとても困るのが昼食問題。今回は1Fのレストランが開いていたので、まだ助かったほう。
今後開催する場合に、ランチスポンサー・コーヒースポンサーをつけられればベター。
40人で開催するとして、ピザでだいたい5万円くらい、コーヒーで1万円くらいあれば十分以上。

数値的に見て

イベント告知を行ったタイミングと参加者増加のタイミングは、相関をいちど確認する必要あり。
日々のPageViewはかなりの凹凸がある。

初心者講習会が参加率の50%を占める、というのは、多方面から要因解析する必要あり。

他地域との連携について

他の地域で行っていることを垣間見れるというのは、想定以上の効果があるのではないか。
特に、他地域で作られた簡易ドキュメントを基にして、初心者が自分で作業をしてみる、などができることは大きい。

音声や動画での配信は、意味があった?
あまり意味があるとは思えない。
アウトプットとして、ドキュメントがあることが重要かと思う。
→雰囲気を知るために接続したかった、という意見あり。

今後、スタッフ側で行うべきアクション

  • みつかったバグのIssue報告。
  • そのバグを生み出さないため、CIへのテストケース登録
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