ついにOSM日本でも荒らしが出るようになったかー、と感慨もひとしおですが、正直、やられる方はたまったもんじゃないので、検知のメモを残す試みです。
いくつかサービスを使えば、メールでの通知とかで自動化できそうなので、アイデアあるかたはコメントいただけると嬉しくです。
破壊行為とは
OSMのデータに、現実には存在しないデータを描きこんだり、故意のデータ削除を行う行為など。
英語だとVandalism。
OSM wikiのページは JA:破壊行為に記載あり。
検知と対応
悪意を持って編集する人間がマトモに変更セットコメントなんぞ書くはずがないので、基本的には、編集内容をチェックするアクションが必要です。
よく使われるツールは Detect Vandalismに記載あり。
その中でも、以下の2つを組み合わせるとよさそうに思える。
だいたいこんなかんじでやるとよいかも。
新しくユーザを作成して破壊行為を行なうアカウントのチェック
new contributors feedを使うのがよさそうです。
例えば、東京を中心にした首都圏を対象にしたクエリをかけると、こんなかんじのRSSが出力されるので、その結果を確認します。
既存のアカウントを使用して破壊行為を行なうアカウントのチェック
Find Suspicious OpenStreetMap Changesets を使って、変更セットを一覧にしてチェックすればよいです。
左上の選択肢から、対象をJapanエリアに設定して、基本的には 10個以上のオブジェクトを変更してるものだけをクエリすれば良いと思うのですが、iDでちまちまと破壊してくるような今回のケースのような場合は Any Change
じゃないと検知できない気がします。
破壊行為に気がついたら?
対象のアカウントがやっているダメな変更セットに対して、変更セット経由での議論を行ってください。
「相手に逆恨みされるかも。。。」という不安がある場合は、僕 (OSM user:nyampire, nyampire@gmail.com, Twitter @nyampire)まで連絡いただければ、代わりに対処します。
そういう時のためのOSMFJです、使ってやってください。
私達OSMFJは、一般のOSMユーザが、安心して、安全にデータの編集や利用をできるようにするために存在しています ( ー`дー´)キリッ
。。。なお、気をつけていただきたいのですが、「あっこれダメだ!」みたいな編集でも、実は「Google My Mapsと間違えて、自分に不要なものを消してしまっていた」「操作がよくわかっていなかった」「自分の理想の町を作れるサービスだと思った」などの理由で、悪意なく破壊行為を行ってしまっていることがあるということです。
僕も何度か連絡して、先方からの「ごめんなさい」を受け、納得の上で削除や復旧の対応に進んだ経緯が何度もあります。
「nyampireまで声かけするの恥ずかしい。。。」などの理由で破壊行為が進んでしまうのは逆にとても苦しいので、可能な限り連絡をください。
あっ本格的にこれダメだ!ってなった時
変更セットに対しても応答がなく、なおかつ破壊行為が続行している場合、対象の変更セットの巻き戻し(リバート)を含めた対応を行います。
僕まで連絡をいただくか、talk-jaなどで状況を報告してください。
明らかにダメな場合は、OpenStreetMap FoundationのData Working Group (DWG)によって対象ユーザのブロックなどが行われることがあります。
その場合もDWGへの申請と説明(英語)が必要です。
ユーザブロックに対するOSMFのポリシーは以下のとおりです。
ブロックはその性質上、「誰かの権利を制限する」という行為であり、非常に慎重に行われます。
伝家の宝刀だと思ってください。
なにかあれば、Twitterの #osmjp ハッシュタグでも対応しますので、そちらも適宜お使いください。
追記(2017/02/04)
Pascalさんのブログにて、監視のために利用可能なウェブサービスについての記述がありました。
そのなかでも、Last Week on OMSはけっこう使い勝手がよさそうです。
対象のエリアが広かったり、変更セットの数が多かったりすると表示に時間がかかります。
また、特定地域内の変更セットの表示という機能を持つウェブページも作成されています。(紹介ブログ)
日本を対象にした場合はこちら。
このサイトからコメントを拾うことができるため、疑わしい変更セットがあった場合は、変更セットに対してコメントをしておくだけでもよいかもしれません。