これは Creative Commons - What’s New in 4.0の翻訳です。
License: CC BY 4.0
そのうち、原文部分を削除します。
そのうち、各部分について、原文を付記して解説を行おうかと思います。
Creative Commons 4.0での変更点 / What’s New in 4.0
Creative Commons worked for more than two years to develop the next generation of CC licenses — the version 4.0 CC license suite. The new licenses are more user-friendly and more internationally robust than ever before.
Creative Commonsは2年以上の期間をかけて、次世代のCCライセンス -- CC 4.0ライセンスを開発するために活動を続けてきました。新しいライセンスはこれまで以上に、より利用者にわかりやすく、世界のどの地域でも使いやすいものとなっています。
We made dozens of improvements to the licenses. Most will go unnoticed by many CC licensors and licensees, but some of them deserve particular attention.
私たちはライセンスに対し、多くの改良を加えました。変更の多くは、ほとんどのCCライセンス許諾者、および作品利用者にとっては全く気にならない内容ですが、いくつかの点では注目に値する事柄が追加されています。
For a much more in-depth rundown of the decisions reflected in 4.0, visit the 4.0 page on the Creative Commons wiki.
4.0に際して考慮された内容の詳細については、Creative Commons wikiの4.0ページを参照してください。
よりグローバルなライセンス / A more global license
In the past six years, Creative Commons has worked with hundreds of volunteers around the world – literally, some of the best minds in copyright law and open licensing on the planet – to translate and adapt the 3.0 and earlier licenses to local laws in over 60 jurisdictions (what we call “porting”). In the process, we’ve learned a lot about how our licenses work internationally and how they’re impacted by the nuances of copyright law in various jurisdictions.
過去6年の間、Creative Commonsは世界各地で数万人のボランティアたちと共に活動を行ってきました。Creative Commonsは間違いなく、著作権法とオープンライセンスに関する地球上で最もすぐれた思想のひとつです。3.0版以前の翻訳と各国法への適用 ("ポーティング/porting"と呼ばれます) は60を超える国や地域で行われています。そのプロセスを通して、私たちはCreative Commonsライセンスが世界各地でどのように使われ、それぞれの国や地域で施行される著作権法によって、そのニュアンスがどのような影響を受けるか、膨大な事例を学ぶことができました。
We drew on this experience in the process of developing 4.0. We’ve worked closely with our wide international network of affiliates and countless other experts and stakeholders to make 4.0 the most internationally enforceable set of CC licenses to date. The 4.0 licenses are ready-to-use around the world, without porting.
私たちはこの知見を、4.0の開発に活かしました。私たちは世界各国のCC会員、異なる分野の専門家たち、ステークホルダーの間で密接に協力しあい、CC 4.0を、これまでで最も国際的、かつ施行が可能なライセンスとして制定しました。4.0ライセンスはポーティングを行うことなく、世界中のどこでもすぐに利用することが可能です。
The new licenses have improved terminology that’s better understood worldwide. With the release of 4.0, we’re also introducing official translations of the CC licenses, so that users of CC-licensed material around the world can read and understand the complete licenses in their local languages.
新しいライセンスは、世界のどこでもより明確に理解できるよう、用語を改良しています。4.0のリリースにあわせ、私たちはCCライセンスの公式翻訳についても公知を行います。これにより、作品でCCライセンスを利用している世界中のユーザが、自分たちの言語でライセンスの全文を読み、理解することができるようになります。
著作権の対象とならない権利について / Rights outside the scope of copyright
Other rights beyond copyright can complicate the reuse of CC-licensed material. To the extent that those rights are not addressed directly in a copyright license, the situation for users of works can be even more confusing. Version 4.0 addresses this challenge through an open-ended but carefully tailored license grant that identifies categories of rights that could (if not licensed) interfere with reuse of the material. Accounting for these and other unenumerated rights will more fully enable users of CC-licensed works to use the work as they expect and as intended by licensors.
CCライセンスが適用された作品の再利用が、著作権によってカバーすることのできない範囲の権利によって阻害されることがあります。著作権ライセンスにおいてそうした権利条項に対して直接言及が行われることはありませんが、制作物を実際に利用する際、こうした条項は非常に厄介な事態を引き起こします。バージョン4.0ではこの問題に対して、ライセンスを適用した作品が最終的にオープンとなるように、それらの権利によって情報の再利用が妨げられる可能性がある (場合によってはライセンス化されていない) 箇所に対して、丁寧に、適切なライセンスが付与されるようにしています。こうした権利や、その他にも存在する様々な権利を考慮に入れることによって、CCライセンスされた作品の利用ユーザは作品をより思いのままに、そしてライセンス許諾者の意図に沿った形で利用することが可能となります。
In particular, the fact that sui generis database rights are not explicitly covered by the 3.0 unported licenses has led to confusion in jurisdictions that recognize those rights. Version 4.0 removes any doubt, pulling applicable sui generis rights squarely within the scope of the license unless explicitly excluded by the licensor. It also allows database providers to use the CC licenses to explicitly license those rights.
特にスイ・ジェネリス・データベース権は 3.0 unportedライセンスでも明示的にカバーされておらず、これらの権利を認める地域の司法を悩ませてきました。バージョン4.0では、ライセンス許諾者による特別な言及がある場合を除いてスイ・ジェネリス権に対しても明確に適用の対象とし、そうした疑念が生まれる余地を取り除きました。これらの権利に対しても明示的にライセンスを与えることが可能となったため、CCライセンスはデータベース提供者にとっても利用可能なライセンスとなっています。
The 4.0 license suite uniformly and explicitly waives moral rights held by the licensor where possible to the limited extent necessary to enable reuse of the content in the manner intended by the license. Publicity, privacy, and personality rights held by the licensor are expressly waived to the same limited extent. While many understand these rights to be waived when held by the licensor in 3.0 and earlier versions, version 4.0’s treatment makes the intended outcome clear.
4.0ライセンスにはいくつかの種類がありますが、そこでは一様に、そして明確に、ライセンス許諾者の保有する人格権 (moral right) について、可能となる箇所ではできうる限りの放棄を行うことによって、ライセンスが意図する内容に従った再利用が可能となるようにしています。ライセンス許諾者のパブリシティ権 (パーソナリティ権)、プライバシー権についても、同様の限定的な範囲において明確な放棄が行われます。ライセンス許諾者によるこれらの権利は、3.0以前のバージョンにおいても放棄されるものという認識でしたが、バージョン4.0ではその意図する結論が明確になるよう、対応が行われています。
常識的な著作権表示方法 / Common-sense attribution
Version 4.0 includes a slight change to attribution requirements, designed to better reflect accepted practices. The licenses explicitly permit licensees to satisfy the attribution requirement with a link to a separate page for attribution information. This was already common practice on the internet and possible under earlier versions of the licenses, and Version 4.0 alleviates any uncertainty about its use.
バージョン4.0では著作権情報の表示方法にもわずかな変更が加わり、実際の運用でより利用しやすい形となっています。CCライセンス適用作品の利用者は、著作権情報について記載されている別ページにリンクを貼るという方法で、ライセンスが要求する著作権表示条項を満たした、として認可されることが明示されました。この方式はこれまでもインターネット上でよく利用されていましたし、以前のバージョンでもこの方法を採用することが可能でしたが、バージョン4.0ではその利用について不明確だった点が軽減されています。
要請に応じた提供元匿名性の向上 / Enabling more anonymity, when desired
Version 3.0 included a provision allowing a licensor to request that a licensee remove the attribution from an adaptation, if she did not want her name associated with it. Version 4.0 expands that provision to apply not only to adaptations but also to verbatim reproductions of a work. Licenses now account specifically for situations where licensors wish to disassociate themselves from uses of their works they object to, even if their work hasn’t been modified or published in a collection with other works.
バージョン3.0では、ライセンス許諾者は利用者に対して、もし許諾元の名前が記載されることを望まない場合、その著作権表示を改変物から削除する要請を行うことが可能となっていました。バージョン4.0ではこの考え方をより拡張し、改変物の著作権表示のみならず、ある作品における細かな利用 (verbatim reproductions) についてもこの要請を適用できるようにしました。4.0ライセンスでは、なんらかの作品で自身の著作物が望まない形で利用された際、例えばその作品が改変されていなかったり、他の作品と一緒に配布されている場合であっても、ライセンス許諾者は利用作品への結びつきを解除する要請を行えるようにする、という状況が考慮されています。
ライセンス違反時における30日の訂正猶予期間 / 30-day window to correct license violations
All CC licenses terminate when a licensee breaks their terms, but under 4.0, a licensee’s rights are reinstated automatically if she corrects a breach within 30 days of discovering it. The cure period in version 4.0 resembles similar provisions in a some other public licenses and better reflects how licensors and licensees resolve compliance issues in practice. It also assures users that provided they act promptly, they can continue using the CC-licensed work without worry that they may have lost their rights permanently.
すべてのCCライセンスでは、利用者がライセンス違反を行った時点で、その利用許諾が終了します。しかしながらCC 4.0では、もし利用者が違反内容に対して訂正を行う場合、そのための猶予期間として30日が自動的に権利として付与されます。バージョン4.0での訂正期間は他の類似パブリックライセンス規定と同様であり、ライセンス許諾者と利用者が、実際の状況に応じてよりよい解決策を考え合うための期間です。これにより、ライセンス違反によって作品に対する権利を永久的に喪失する可能性を考えること無く、いち早く作品を利用したユーザがそのまま安心してCCライセンス適用作品を使い続けられることを保証します。
可読性の向上 / Increased readability
The 4.0 license suite is decidedly easier to read and understand than prior versions, not to mention much shorter and better organized. The simplified license structure and use of plain language whenever possible increases the likelihood that licensors and reusers will understand their rights and obligations. This improves enforceability of the licenses and reduces confusion and disagreement about how the licenses operate.
4.0ライセンスは以前のバージョンよりも明らかに読みやすく、そして理解しやすくなっています。さらに、条文はより短くなり、構成も整理されました。条文ができる限り平易な言葉で書かれ、ライセンス構成もシンプルになったことで、ライセンス許諾者と再利用者がお互いの権利と制約を正しく理解できるようになることが期待されます。そのため、ライセンスの施行可能性が向上し、ライセンスの解釈と適用方法に関する混乱や合意の不一致が発生しにくくなります。
改変作品における明確化 /Clarity about adaptations
The BY and BY-NC 4.0 licenses are clearer about how adaptations are to be licensed, a source of confusion for some under the earlier versions of those licenses. These licenses now clarify that you can apply any license to your contributions you want so long as your license doesn’t prevent users of the remix from complying with the original license. While this is how 3.0 and earlier versions are understood, the 4.0 licenses make it abundantly clear and will help remixers in understanding their licensing obligations.
BY および BY-NC 4.0 ライセンスでは、改変作品に対してどのようにライセンスを適用するべきかが明確になりました。以前のバージョンではこれらのライセンスが混乱の元となることがありましたが、今回のバージョンで明確化が行われています。あなたは貢献した作品に対してどのようなライセンスを付与してもかまいませんが、ただし、あなたが適用するライセンスはオリジナルのライセンスに沿う必要があり、その作品をさらに利用するユーザに対してリミックスの権利を阻害してはなりません。3.0以前のバージョンでもこうした理解は可能でしたが、4.0では十分に明確となり、ライセンスの制約・必要条項がリミックスを行う場合においてもわかりやすくなりました。