エンジニアCROSS 2015に行ってきました。スポンサー等も多くいらっしゃいますが、エンジニア主体のお祭り感がブースにもセッションにも随所に演出されていました。日頃コミュニティに出入りしている方が深く関わっていた事、また「デイリーポータル」のブランド力も大きいと感じました。以下、セッション等のメモです。
概要
日にち:2015年1月29日(木)
場所:横浜 大さんばしホール
主催:ニフティ・JAIPAクラウド部会
規模:1,000人
セッション
女子大生UXデザイン概論
概要
どれだけITエンジニアが一般の感覚と剥離しているかを女子大生と比較して考察するセッション。セッションオーナーいわく「ゲスい企画」。とはいえ何かを持ち帰ろうと下記をメモ。
※急なタスクが入ってしまい、内職しながらでほとんど聞けず…ごめんなさい。
気になったところ(エンジニア)
■エンジニアに質問
Q.女子大生「ソースコード打って楽しいの?」
A.エンジニア「ミニ四駆とか男性は好きなので、組み立てていく過程が楽しい」
■検索ワード調査
Q.「みなとみらいでカフェに行きたいときに打つキーワードは?」
A. 女子大生:みなとみらい カフェ 人気 ドラマ / みなとみらい 海 景色
A.エンジニア:みなとみらい 電源 Wifi 時間 / みなとみらい 夜景 カフェ
■入れてるスマホアプリ
- デザイナー・Webマーケ界隈の人が多いからか「Analytics」必携
- LINEよりFacebook,Twitterで情報収集
- 「健康」フォルダ
Webエンジニアなら抑えておきたい最近のOSS事情
概要
MOONGIFT中津川さんをモデレーターに、Ruby増井さん、Node学園古川さん、Scala竹添さんが語る、2014-15年のOSSのトレンド。立ち見が出ていた人気のパネルディスカッションでした。
資料
2014年を振り返って
■セキュリティについて
(気になること)
-JPCERTはお役所なので、昼間にパッチが出る。OSSの個人ユーザは、夜活動するのでリリースできない悩み。
-WAFのオープンソースが出てきた
-SSL、Shellなどの枯れた技術でもバグが潜んでいる。
-WordPressの制約でPHPを最新にできない人が世の中に五万といる。
(対策は?)
-Webはアップデートすればよいが、例えば、運用中のルータの場合はカンタンにできない。セキュリティホールがあったときに対応手順を決めておくのが重要。
-脆弱性をつかれたときのために、不要な情報は持つべきではない。
■仮想
-Dockerは分散環境での検証にとても便利
-検証環境がDockerだと、本番もDockerにしたくなるので便利ではない(本番ではまだ使えないから)
-Dockerはimmutableとセットでないと恩恵を受けにくい
-いまやChefでプロビジョニングしている人いない。理由は、冪等性の担保がとっても難しいから。
-io.jsの開発では、Issueを投げるときにDockerfileをつけている。
-Docker間連携をやるには別サービスが必要。このあたりが充実することで本番で使えるようになる。
■2015年はこうなる
-マイクロサービスの疎結合が進む
-ウェアラブル端末、IoT
-無料のSSL「Let's Encrypt」気になる
-scalr→Rails,PHPの開発者が移行している
-エコシステムとしてコミュニティが回っていかないと開発が進まない
-Gengo面白い
WebエンジニアはIoTをどうあつかえば良いのか
概要
今後WebエンジニアがIoTをどう扱えばよいのかをテーマにしたパネルディスカッション。IoTを生業とする、岩淵技術商事 岡島さん、ヤフー椎野さん、Moff高萩さん3名がIoTを語り尽くしました
自己紹介
■岡島さん:もともと企画出身で、プロトタイプを作るためにPHPを始めた。ハード寄りのIoT。
■椎野さん:コミュニティファクトリーのCTOから会社の買収でヤフーのスマートデバイス推進本部のテクニカルディレクターへ。Web開発出身。
■高萩さん:メルセデス・ベンツの企画から、いまはMoff Bandを販売するMoffの代表。
IoTとは?
-既に米国では、いまどき「IoTやります」というと笑われる。先日のカンファレンスでも昨年と比べて「IoT」と銘打ったものは減った。
- IoTの細分化が進んでいる。「Connected Car」「Connected Human」「Connected Home」…
- 既にルールは決まっている。
- 米国では、エアコンとインターネットをつなぐNestの話題で持ち切り。
- IoTの持つ価値は、「1+1=A」。例えば、Nestであれば、電気使用量が把握できることで、「先物取り引きに利用できないか?」というアイデアにつながっている。
- 一方、AppleもHomekitを出した。プラットフォーム戦争が既に起きている。
IoTと商品企画
-商品企画とはどう価値を作るかだが、「部品だけor全体」?「ハードorアプリ」など選択肢がたくさんある
-Webエンジニアは、BMWやFordが公開しているAPIを触るところからがとっかかりやすいのでは。
-それでも、ハードから作るメリットは、端末の制約から解放されること。
-ハードを作る際の発想は2つ
(1)既存のハードと同等のものをデバイスで実現する
(2)Webで表示させていたものをウェアラブルで表示させる(ネットから現実への帰還)
-「それ本当にハードで作る必要ある?」という視点は大事。たいていのことはスマホでできる。iPhoneで脈拍もはかれるんじゃないか。
-大事なのはシステム全体を設計して、その中でハードウェアをどう位置づけるか。
-いかに意味あるデータを取るかがビジネスの鍵。山ほどあるデータから、意味あるデータを抜き出し(=コンテクストの抽出)、広く返すのがIoT。
-モノがインターネットにつながるほうがよい?スマホをハブにして機器につなげるほうがよい?
-「部屋のどこにいる?」という情報の引き出し方にもいろいろある。温度、音、地点。
-家電から出てくるデータがいつOpenになるか楽しみ。
-眼鏡にフォトリフレクターがついているものがある。
-安価なセンサーでもいろんなデータが撮れる。
Webエンジニアが取り組むべきこと
-データの解析
-Webのフロントとの連動=機器から発せられる大量のデータに耐えうるサーバとネットワーク。
-BluethoothではIPv6によってスマホを介さずインターネット接続できる。スマホを経由せずに、何かができるようになる。
-2018年には50%のスマホアプリは画面を介さず動くようになるといわれている。何かと連動して動くということ。
-HTTPの通信はパケットが大きい。次世代のプロトコルMQTTなどをつかって、1リクエストあたりの容量を下げる
-イベントループ型でリソースを下げる
-機器同士が連動して、協調動作し、自動で何かが動くのが最高のおもてなしだが、現状、技術的に機器間の連動は難しい。
-セキュリティも重要だが、SSHも、OAuthも、容量大きく、電力必要なのが課題。
-インターネットセキュリティも重要だし、端末側のセキュリティも重要。
IoTとビジネス
-18%しかマネタイズの方法が見つかっていないという調査があるが、儲け方はたくさんある。
-有償アプリ、データ、トータルのサービス
-例:バレーボールの選手のジャンプをトレーニングするためだけのウェアラブル。プレーヤー一人のジャンプ練習の記録は無償だが、複数のプレイヤーの集計や分析には、2万円かかる。集計や分析に価値があるので、2万円の課金ができる。
-「ウェアラブル」を「保険」でマネタイズしようという動きが米国でさかん。自己管理をやればやるほど、保険料が下がる仕組み。保険会社と組んでいる。
-Fitbitへの各社の投資意欲が盛ん。国や健康保険と組んで社会保障コストを下げようとしている。
-日本でも自動車端末と保険会社(自動車保険)というビジネスのアイデアが出ている。
-ヤフーでは広告があるのでわかりやすい。例えば、首都高はディスプレイ広告に変わってきているので、車載端末と結びつけた何かは考えられる。
IoT最初の一歩
-ラズパイ触って、LinuxでLED光らせるところから。
-プログラマブルマイコン
-ハードウェアをからめたコミュニティやハッカソンも盛ん。
-BMW,FordのAPIは取っ付きやすい。
-日本のIoTはタイムマシン経営の様相を呈しているので危機感あり。
-Webエンジニアにとって、IoTのサービスを作るのとWebサービスを作るのは大きな違いがないので期待。
コミュニケートセッション
お酒も入り、綱引き、ペアプロ、アンカンファレンスで大変、盛り上がっていました。乾杯してすぐ帰る、という方はいなかったのでは!?日頃コミュニティでお世話になっている方を通じて、またお知り合いが増えました。近い将来、ご一緒に何か面白いことができればと思います。ありがとうございました。