とりあえず読んでみたい、という方は:「ニューラルネットワークと深層学習」日本語訳のページをご覧ください。
Deep Learningってのがマジヤバイらしい・・・でも、取っかかりがつかめない・・・
ここ最近、Deep Learningの盛り上がりが凄いですね。私の中でも、深層学習を覚えなきゃ、置いてかれてしまい、ついには自分の仕事までAIに奪われるのでは、という危機感と、逆に今Deep Learningを使えるようになれば未来の発明者になれるのでは、という期待感が高まり、Deep Learningを勉強しなくては、と思い続けていました。
しかしながら、私はDeep Learningがどうしても理解できませんでした。これまで何十種類ものDeep Learningの教材を試してきました。しかし、Deep Learningがどうしても理解できませんでした。しかし、世の中にある文書で、なかなかとっかかりになるものが見つからず、参入障壁の高さを感じていました。なぜなら、
- 論文:仕組みがちゃんと書いてあるんだけど、英語で書いてあるはずなのに基本的な用語すら意味がわからない。「vqppknのsqdvfljmncをy2vxdddsepnimcbvubkomhrpliibtwztbljipccすればhkhpgができた」状態
- プレゼン:自然言語と絵でヤバイことができたことを説明していることは理解できるものの、肝心の仕組みはちっともわからない
- ライブラリ類:たぶんこれを手で動かしてみるのが正道なんだろうけど、やっぱそれでは仕組みはわからない。Caffeのチュートリアルとか読んでみたんだけどトップ記事が「Blobs, Layers, and Nets」で早くもvqppknのsqdvfljmncをhkhpg状態
- 教科書:まだそんなものはない
という状況だったからです。
この教材に出会って、私は変わりました!
そんな中、Michael Nielsen 著、Neural Networks and Deep Learning (NNADL) というオンライン無料書籍を見つけました。英語版を流し読みし始めたのですが、まず思ったのは「ブログ記事にしちゃとんでもなく長い!」ってこと。そして、パーセプトロンの解説から入るなど、一見回りくどいように見えて、まさに「基本的な用語すら意味が分からない」門外漢のレベルから、ちゃんとしたDeep Learningの理解に至るまでの道のりを丁寧に解説しています。ひと目で、尋常でない良書だと見抜いたよ。
素人でも、たった少しの努力で○○するだけで技術をマスターできる?
その方法とは翻訳です。翻訳するとどうしても、ある書籍に書いてあるすべての事に一度は目を通すことになります。"すごいHaskell本"を翻訳したときも、タブレットPCとBluetoothキーボードをビニール袋に入れ、5か月間くらい毎晩お風呂でキーボードを叩いていたのですが、おかげでApplicativeもMonadも深く理解できたので、比較的に少しの努力であったといえるとおもいます。おまけに、今でも秒間の収入を年収換算すると億を超えるような秒もあるようになりました。翻訳という日本語コミュニティに貢献する仕事が実に多くの見える人、見えない人に支えられていることを知ることもでき、「すごいH本」の翻訳は実に貴重な体験でした。
あなたも、この方法でDeep Learningをマスターしませんか?
というわけで、"Neural Networka and Deep Learning"(NNADL)の日本語訳プロジェクトを立ち上げることにしました。あなたも参加して、いっしょにDeep Learningを勉強しませんか?もちろん、ただ読んでくださるだけや、誤字脱字の報告だけでも結構です!
現在進行中の日本語訳はここから見れます: http://nnadl-ja.github.io/nnadl_site_ja/index.html
また、翻訳参加者はgithubのプロジェクトページ: https://github.com/nnadl-ja/nnadl_site_ja から受け付けています。
日本語プロジェクトを盛り上げることで、原著者が未執筆の原著第六章「Deep learning」を執筆するモチベーションにもなればと思います。
よろしくお願いします。
※ちなみに、原著は商用化を禁ずるライセンスのもと公開されているので、秒間年収〇億稼げるようになったりはしません。あしからず。
この教材に出会って、私は変わりました!
余談ながら、ニールセンさんとメールで会話してOKももらい、翻訳を進めてしばらくたったころ、NNADLの著者のニールセンさんが Neilsen & Chuang, "Quantum Computation and Quantum Information"(QCQI)
の著者のニールセンさんと同一人物であることに気が付きました。
物理学専攻としてはお恥ずかしながら、私は量子力学がどうしても理解できませんでした。これまで何十種類もの量子力学の教科書を試してきました。しかし、量子力学がどうしても理解できませんでした。そんな私がはじめて量子力学を納得した!と思ったのがQCQIだったのです。
多分私がプログラマとしての感覚があったこともあり、QCQIの「『量子ビット』という未知のデバイスの素子としての性質、組み合わせた時の挙動を、順を追って、出来るだけ平易な数学で、曖昧性を残すところなく定義していく」というアプローチが、個人的な感覚とマッチしたのだと思います。Neilsen & ChuangのQCQIはそんな思い出深い本です。
そんな二人のニールセンが、まさか同一人物だったとは!学問の境界を軽々と乗り越えてゆく凄い人がいるとは聞きましたが、その実例を目撃した思いでした。NNADLもDeep Learningに対して同様のアプローチで迫る教科書であり、期待が高まります。