これは「HTB Development Team with Friends Advent Calendar 2023」の12月22日投稿記事です。
re:Invent 2022のヌードルアジアでの体験
あとで三浦さんご本人から聞くことになるのですが、これがそのときの写真。
AWS HEROESのためのプライベートMixer(懇親会)のあとで、日本から選出されているAWS HEROESの左から松井さん、横田さん、吉田さん、私、松下さん、吉江さん、桐本さん、山口さんとの集合写真ですが、これを撮ってくれたのが三浦さんでした。この時、写真を撮りながら三浦さんは 「自分もあっち側にいきたい」 と強く思ったそうです。また、その思いを直接私に伝えてくれました。そこから三浦さんの快進撃が始ります。(2019年からも活発に活動してくれてはいたのですが)
AWS HEROESとは?
AWS HEROとはどういう人か、AWSのWebページには以下のような説明があります。
AWS ヒーロープログラムは、熱心なナレッジ共有によってコミュニティに大きな影響を与えている世界中の精力的な AWS エキスパートの皆さんを表彰します。ヒーローは、ソーシャルメディア、ブログ投稿、オープンソースプロジェクト、動画、フォーラムを介してオンラインで、または会議、ワークショップ、ユーザーグループイベントで直接会うなど、さまざまな方法で知識を共有します。
https://aws.amazon.com/jp/developer/community/heroes/ より
現在、全世界には255人がAWS HEROESとして選出され、日本から17人が選出されています。AWS HEROESには以下のカテゴリが存在し、括弧内は日本から選出されている人数です。
- コミュニティヒーロー(8)
- サーバーレスヒーロー(3)
- コンテナヒーロー(2)
- Dev Toolsヒーロー(1)
- AI/MLヒーロー(0)
- データヒーロー(1)
- セキュリティヒーロー(2)
すべての製品・テクノロジーのカテゴリを網羅しているわけではなく、コミュニティヒーローカテゴリが明確に存在しないカテゴリの受け皿にもなっています。また、いずれのカテゴリでも言えることは、AWS HEROとして選出される絶対的な「基準」はなく、つねに「相対的」に審査されています。客観的なアウトプットの数や、アウトプット先のURL、コミュニティへの貢献、他のユーザーへの影響を表す数値データは必須ですが、その上で「いくつアウトプットしたらOK」のような絶対基準は存在していません。審査プロセスの中で、そのときそのときの他のCandidatesや過去のHEROESの実績と比較して判断しています。日本からのCandidatesやHEROESとの比較ではなく世界のインフルエンサーとの比較になり、各国やリージョンへの「割当て」のような枠は存在していません。
AWS HEROへのノミネーションのエントリーはAWS社員によってのみ行われます。日本だから日本のコミュニティマネージャーの私だけができる、というようなことはなく、だれでもがエントリー可能です。
ちなみに各国のコミュニティマネージャー(日本は沼口)は、審査のプロセスには含まれていません。審査はグローバルAWS(HERO Program Teamと関連するテクノロジーのサービスチーム)および各国でその「言語」と「お客様の状況」がわかる技術的判断ができる社員、さらにAWSの広報部門が、そのCandidateがAWS HEROとして適切かどうかの審査をして全員からOKをもらわないとAWS HEROになれないのです
AWS HEROになってほしい
さて、前置きが長くなりましたが、AWS HEROはそのときの審査の「他の方々と比べても遜色ないどころか、抜きん出ている」という技術者、開発者のコミュニティリーダーが選出されるものです。2019年から本格的にコミュニティ活動を開始し、2023年のエントリまでの三浦さんはどうだったか振り返ってみます。
三浦さんの活動は
- JAWS-UG札幌
- Media-JAWS
で、そこに加えてSaaS関連の他のベンダーコミュニティでの登壇が多くなっていき、また他のベンダーコミュニティのリーダーもやるようになります(ここはHEROには影響ないですが、純粋にインフルエンサーとしての「徳」を積んでいます!)
JAWS-UG札幌については三浦さんだけではなく、札幌在住の他のリーダーによるところも大きいですが、2022~2023年のタイミングでは全世界的に「オンライン勉強会からオフライン勉強会への回帰」に注目が集っており、JAWS-UG札幌支部の勉強会に加えて、Media-JAWSのメンバーも一新して東京と地域での勉強会を仕掛けていかれました。
2022/10
2022/11
2023/01
2023/02
2023/04
2023/06
札幌、東京、大阪(実はこのあとに岩手もある)の勉強会開催は本当に凄いのですが、実は「毎月、オフライン勉強会」という実績でみれば、JAWS-UGの他の支部でも行われています。AWS HEROのcandidateとしては、三浦さんはここに「個人としてのアウトプット」が含まれることが三浦さんの最大の強みだろうと考えました。
事業会社に勤めるデベロッパーとして
技術的なアウトプットはAWS HEROESになるためには必須です。三浦さんの特殊性はSIerやCIerといったAWSパートナー企業やテクノロジー企業ではなく、テレビ局という事業会社・エンドユーザー企業に勤務しながらコミュニティ活動とテクニカルアウトプットを行っているところです。そして、登壇資料をきちんと SpeakerDeckにアップロードしているところです。ガンダムがあってもよろしい。
SpeakerDeck
そして、AWSの技術・テクノロジーを使って構築したシステムが日本民間放送連盟賞の技術部門の技術奨励賞を受賞、三浦さんのチームが表彰されます。
日本のAWS HEROESを見渡してみても、エンドユーザー・事業会社に勤めているのは多田歩美さんだけで、他はITおよびIT関連の会社にお勤めの方です。日本民間放送連盟賞受賞!などを例としてあげて、ふだんJAWS-UGの活動に注意を払っていない海外の社員の審査員にも「唯一無二かも?」と思っていただけないと、グローバルの審査は通らないことが多々あるのです。
そして、これらにプラスして、2022年のInter BEEでのAWSセッションの登壇者としてAWSイベントへの登壇実績、AWSのお客様事例としての記事作成実績、AWSのbuilders.flashへの記事の投稿などで、AWSジャパンからも技術的な点でAWS各部門と連携が取れていることを証明(?)します。
継続すること
そして晴れて三浦さんは2023年の9月でAWSコミュニティヒーローを受賞されました。
AWS HEROESには各国の素晴しい、卓越した活動をされてきた開発者・技術者の方が名を連ねています。正直年々のハードルは上がっています。日本におけるユーザーコミュニティの活動は世界に類を見ないほど活発ですが、その活動実績だけではなかなか卓越したインフルエンサーとして世界が認める唯一無二の人として認識されるか難しくなってきています。上述の三浦さんの例からすこしでもご理解いただけるとうれしいですし、本当にこれらの実績を残していただいた三浦さんには深く・深く感謝いたします。
で、AWS HEROESの再審査プロセスが固まってきて、実はこれまで明確な「再審査」がなくて半永久的なプログラムの様相を呈していたのですが、ついに「2年毎に再審査」が決まりました。最初のノミネーションは私が上述の状況・情報・実績などをまとめて、なぜこの人を推薦するかを英語で記述し、エントリーしていました。今度はHEROESの皆さんが「再審査プロセスにエントリ-」することになります。多くの方が継続して活躍されているので心配はしていませんが、エントリーに悩んだらご相談ください。継続していただくことこそ、私たちAWS社員の願いでもあります。
以上となります。三浦さん、こんな形で記事を投稿できる機会をつくってくれてありがとうございました!